上野竜生です。センター試験から共通テストに変わりましたがその中でもさらに2025年から変化します。2024年度で姿を消す整数の問題について最後に出そうなネタを考えてみました。
その結果
・RSA暗号
あたりが思い浮かんだのでここでは年齢当て問題の一般化を紹介します。
問題1
太郎君: 花子さんの年齢は何歳?
花子さん:秘密
太郎君: じゃあ年齢を3で割った余りは?
花子さん:1
太郎君: 年齢を5で割った余りは?
花子さん:4
太郎君: 年齢を7で割った余りは?
花子さん:5
太郎君: これで年齢がわかるね
花子さんが0歳以上104歳以下であるとするとき花子さんの年齢は何歳か?
この問題に答えるだけなら適当にあてはめると解けますね。
7で割った余りは5だから35で割った余りは5,12,19,26,33のどれか。
5で割った余りが4だから35で割った余りは19。
つまり105で割った余りは19,54,89のどれか
3で割った余りは1だから105で割った余りは19。
よって花子さんは19歳。
実はこれの一般化があります。
問題2
整数Xを3で割った余りがa,5で割った余りがb,7で割った余りがcであるとする。(0≦a≦2,0≦b≦4,0≦c≦6)
(1) Xを105で割った余りは「70a+21b+15c」を105で割った余りと等しいことを示せ。
(2) (1)において係数「70,21,15」がどこから出てきたものか考えてみよう。
(1)実際に確かめればいいです。Y=70a+21b+15cとおく。
Y=(69a+21b+15c)+a=3(23a+7b+5c)+aなのでYを3で割った余りはa
Y=(70a+20b+15c)+b=5(14a+4b+3c)+bなのでYを5で割った余りはb
Y=(70a+21b+14c)+c=7(10a+3b+2c)+cなのでYを7で割った余りはc
よって成立。
XとYを105で割った余りが等しい
⇔(X-Y)が105の倍数
⇔(X-Y)が3の倍数かつ5の倍数かつ7の倍数
⇔「XとYを3で割った余りが等しい」かつ「XとYを5で割った余りが等しい」かつ「XとYを7で割った余りが等しい」
と考えましょう。
(2)Z=αa+βb+γcとする。
Zを3で割った余りがaだからβ,γは3の倍数でαは3で割った余りが1である。
Zを5で割った余りがbだからγ,αは5の倍数でβは5で割った余りが1である。
Zを7で割った余りがcだからα,βは7の倍数でγは7で割った余りが1である。
これをまとめると
αは3で割った余りが1かつ,5と7の倍数
βは5で割った余りが1かつ,3と7の倍数
γは7で割った余りが1かつ,3と5の倍数
αについて考えてみる。
αは3で割って余りが1だからα=3s+1とかける。
αは5と7の倍数だから35の倍数であり,α=35tとかける。(s,tは整数)
つまり3s+1=35t
不定方程式 -3s+35t=1 を解くとs=23,t=2が一つの解だからα=70とすればよい。
もちろんs=23+35k , t=2+3kだからα=70+105kの形で表せるものなら何でもよい。α=175や-35でもOK。
同様のことをβ,γについても議論すればよい。
仕組みが理解できれば3,5,7で割ったあまり以外でもできます。一度理解していればもし共通テストで出題された時の思考時間を省略できますよ。
解説を読んで数学がわかった「つもり」になりましたか?数学は読んでいるうちはわかったつもりになりますが演習をこなさないと実力になりません。そのためには問題集で問題を解く練習も必要です。オススメの参考書を厳選しました
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