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上野竜生です。三角形ABCの∠Aから「何か」を二等分するように線を引くという問題がよく出ます。この問題の基本的な解法を解説します。

三角形の二等分

<基本技>cosBの値を求めてBDの長さを求め余弦定理を使う

例題1

AB=8,AC=12,∠A=60°の三角形がある。BCの中点をDとするとき,ADの長さを求めよ。

答え

余弦定理より\(BC=\sqrt{8^2+12^2-2\cdot 8\cdot 12 \cdot \cos{60°}}\\=\sqrt{64+144-96}\\=4\sqrt{7} \)
よって\(BD=2\sqrt{7} \)
中線の長さの図
余弦定理より\(\displaystyle \cos{B}=\frac{8^2+(4\sqrt{7})^2-12^2}{2\cdot 8 \cdot 4\sqrt{7}}\\ \displaystyle=\frac{64+112-144}{64\sqrt{7}}\\ \displaystyle =\frac{1}{2\sqrt{7}} \)
よって余弦定理より\(AD^2=8^2+(2\sqrt{7})^2-2\cdot 8 \cdot 2\sqrt{7} \cdot \frac{1}{2\sqrt{7}}\)=64+28-16=76
ゆえに\( AD=2\sqrt{19} \)
 と求まります。少し大変・・・と思うかもしれませんがこのぐらいはできるようになっておく必要があります。
ところでこの問題のような線分の中点を通るようにひいたものを「中線」といいますが中線の場合は「中線定理」というものがあります。出題頻度もそこまで高くなく,上のようなやり方で代用可能なので覚える必要は特にないでしょう
中線定理
今の状況で次が成り立つ
\( AB^2+AC^2=2(AD^2+BD^2) \)
 先ほどの例題の場合,中線でなくても求まるのでこのやり方だけできれば大体はOKです。
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例題2

AB=8,AC=12,∠A=60°の三角形がある。∠Aの二等分線とBCの交点をDとするとき,ADの長さを求めよ。
 今度は角の二等分です。この場合も例題1と同様にできます。しかし,この場合は別の考え方でも解けます。

答え

AD=xとおく。△ABC=△ABD+△ACDなので
\( \frac{1}{2}\cdot 8 \cdot 12 \cdot \sin{60°}=\frac{1}{2} \cdot 8 \cdot x \cdot \sin{30°}+\frac{1}{2} \cdot 12 \cdot x \cdot \sin{30°} \)
\(48\sin{60°}=4\sin{30°}x+6\sin{30°}x \)
\(24\sqrt{3}=5x\)
\(x=\frac{24\sqrt{3}}{5} \)
 これだけで求まります。なお,例題1と同様に解いた場合こうなります↓

答え

余弦定理より\(BC=\sqrt{8^2+12^2-2\cdot 8\cdot 12 \cdot \cos{60°}}\\=\sqrt{64+144-96}\\=4\sqrt{7} \)
角の二等分の性質よりBD:DC=AB:AC=8:12=2:3
ゆえに\( BD=\frac{8\sqrt{7}}{5} \)
角の2等分線の長さ
余弦定理より\(\cos{B}=\frac{8^2+(4\sqrt{7})^2-12^2}{2\cdot 8 \cdot 4\sqrt{7}}=\frac{64+112-144}{64\sqrt{7}}=\frac{1}{2\sqrt{7}} \)
よって余弦定理より
\( AD^2 = 8^2 + \left(\frac{8\sqrt{7}}{5} \right)^2 - 2\cdot 8 \cdot \frac{8\sqrt{7}}{5} \cdot \frac{1}{2\sqrt{7}} \)
\(AD= \sqrt{64+ \frac{8^2 \cdot 7}{25} - \frac{64}{5}} \\=8 \sqrt{1 + \frac{7}{25} - \frac{1}{5}}\\=8\sqrt{ \frac{27}{25} }\\=\frac{24\sqrt{3}}{5} \)
 この場合はこの解法,あの場合はあの解法・・・という風にできればいいですが本番で思いつきにくい場合,最初に書いた鉄則で解けば確実です。どんなやり方でもいいので出せるようにしましょう。
ちなみにこの記事作成中何度も計算ミスをしました・・・。1番楽に出せるやり方はやっぱりミスしにくいです

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