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上野竜生です。確率の計算の1つ,反復試行の確率の計算方法を理解しましょう。

反復試行の確率

公式

先に公式を見せます。

POINTある事象が起きる確率がpである試行をn回行うとき,ちょうどk回の事象が起きる確率は
\(\displaystyle {}_nC_{k} p^k (1-p)^{n-k} \)

簡単に説明するとn回中k回成功するとき,何回目に成功するかを決めるやり方がnCk通りあります。そのそれぞれについてk回事象が起きる(=n-k回事象が起きない)確率はpk(1-p)n-kなのでnCk個の和を求めると求める公式が得られます。

よくわからない人のために具体的な問題で考えてみましょう。

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例題1

成功する確率が\( \frac{1}{3} \)であるゲームを4回する。ちょうど2回成功する確率を求めよ。
答え成功を○,失敗を×で表す。1回目から順に
○○××となる確率は\( \frac{1}{3}\cdot \frac{1}{3} \cdot \frac{2}{3} \cdot \frac{2}{3}=\frac{4}{81} \)
○×○× ・ ○××○ ・ ×○○× ・ ×○×○ ・ ××○○となる確率も同様に\(\frac{4}{81} \)ずつある。
よって求める確率は\(6 \cdot \frac{4}{81}=\frac{24}{81}=\frac{8}{27} \)

○○××の確率:\( \frac{1}{3}\cdot \frac{1}{3} \cdot \frac{2}{3} \cdot \frac{2}{3}=\frac{4}{81} \)
○×○×の確率:\( \frac{1}{3}\cdot \frac{2}{3} \cdot \frac{1}{3} \cdot \frac{2}{3}=\frac{4}{81} \)
というように,かける順番はことなるかもしれませんがどちらも○が2回なので\(\frac{1}{3} \)を2回・×2回なので\(\frac{2}{3} \)を2回かける点は同じです。
なので「○2個・×2個の並べ方」が何通りあるか調べてかけ算すればいいのです。

これを公式としておくと次のように解答できます。

答え\(\displaystyle {}_{4}C_{2} \left(\frac{1}{3}\right)^2 \left(\frac{2}{3} \right)^2 = \frac{8}{27} \)

理屈が理解できればこのぐらいの解答量で十分です。

 

例題2

サイコロで1の目が出れば100円、2または3の目が出れば10円もらえるゲームがある。このゲームを6回するときもらえる金額がちょうど130円である確率を求めよ。

さっきと違いnCk通りというような単純なものではありませんが理屈は同じです。

答え130円になるためには「1」の目が1回(A)・「2・3」の目が3回(B)・「4・5・6」の目が2回(C)出るしかない。
ABBCCCの順に出る確率は\(\frac{1}{6} \cdot \frac{1}{3} \cdot \frac{1}{3} \cdot \frac{1}{2} \cdot \frac{1}{2} \cdot \frac{1}{2}=\frac{1}{432} \)
ABCBCCなど他の順に出ても確率は\(\frac{1}{432} \)なので求める確率は
「ABBCCCの並べ方の総数」×\(\frac{1}{432} \)
「ABBCCCの並べ方の総数」は\(\displaystyle \frac{6!}{1! \cdot 2! \cdot 3!}=60 \)
よって求める確率は\( \displaystyle \frac{60}{432}=\frac{5}{36} \)

これも公式のように
\(\displaystyle \displaystyle \frac{6!}{1! \cdot 2! \cdot 3!} \cdot \left( \frac{1}{6} \right) \left(\frac{1}{3}\right)^2 \left( \frac{1}{2} \right)^3 =\frac{60}{432}=\frac{5}{36} \)
というぐらいの記述で良いでしょう。

 

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例題3

成功する確率が\(\frac{1}{4} \)であるゲームを繰り返し行う。このゲームは4回成功すればゲームクリアだが,3回失敗するとゲームオーバーである。ゲームクリアできる確率を求めよ。
答え4回目でゲームクリアする確率は
\(\displaystyle \left( \frac{1}{4} \right)^4 = \frac{1}{256} \)
5回目でゲームクリアする確率は
\(\displaystyle 4\cdot \left( \frac{1}{4} \right)^3 \left(\frac{3}{4} \right) \cdot \frac{1}{4} = \frac{12}{1024}=\frac{3}{256} \)
5回目は必ず成功しないといけない。最初の4回のうち失敗するのが何回目かを決めるのが4通り)6回目でゲームクリアする確率は
\(\displaystyle {}_{5}C_{2} \cdot \left( \frac{1}{4} \right)^3 \left(\frac{3}{4} \right)^2 \cdot \frac{1}{4} = \frac{90}{4096}=\frac{45}{2048} \)
(6回目は必ず成功しないといけない。最初の5回のうち失敗する2回を決めるのが5C2通り)よって
\(\displaystyle \frac{1}{256}+\frac{3}{256}+\frac{45}{2048}=\frac{8+24+45}{2048}=\frac{77}{2048} \)

 

このレベルになるともはや「~は排反だから」などの説明を省略して当たり前のように確率の足し算を使っています。そのあたりが理解できていない人は少し前のページに戻って復習しましょう。

 

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