上野竜生です。確率の計算方法をまとめました。ここではサイコロを投げる系の問題に絞って解説しています。
積が○の倍数問題
投げるサイコロが2個の場合
全部で36通りしかありませんので表を書いて1つずつ調べてもよいでしょう。
投げるサイコロが3個以上のとき
(2)サイコロを4個投げるとき、出た目の積が10の倍数となる確率は?
(3)サイコロを4個投げるとき、出た目の積が4の倍数となる確率は?
(1) 積が偶数
⇔ 少なくとも1つは偶数
ですから、全体からすべて奇数になる場合をひけばいいことがわかります。
4個のサイコロがすべて奇数となるのは\( \left( \frac{3}{6} \right)^4=\frac{1}{16} \)
よって求める確率は\( \displaystyle 1-\frac{1}{16}=\frac{15}{16} \)
(2) 積が10の倍数
⇔ 少なくとも1つは偶数が出て、少なくとも1つは5の倍数がでる。
少し複雑です。
A:4個のうち少なくとも1つは偶数
B:4個のうち少なくとも1つは5の倍数とすると
Aが起きる確率は\(\displaystyle \frac{15}{16} \)、Bが起きる確率は\( \displaystyle 1-\left( \frac{5}{6} \right)^4=\frac{671}{1296}\)です。
AでもBでもないのは4個のサイコロがすべて「1」「3」のときであり、その確率は\( \displaystyle \left( \frac{2}{6} \right)^4=\frac{1}{81} \)
求めるのは「AかつB」なのでベン図をかくとわかりやすいです。
AかつBに相当する部分の確率をxとするとここまでに出てきた3つの数字の和は
\( \displaystyle \frac{15}{16} + \frac{671}{1296} + \frac{1}{81}=1+x \)という関係式が成り立ちます。
よって求めるxはx=\( \displaystyle \frac{606}{1296}=\frac{101}{216} \)となります。
(3) 積が4の倍数になるのを正確に考えましょう。
(i) 4個のうち少なくとも1つが「4」のとき
(ii) (i)ではなく、かつ4個のうち2つ以上「2」「6」が出たとき
こうすれば単純に(i),(ii)の確率を求め、足せば終わりになります。この赤字部分を忘れると再びベン図を描くことになります。
(i)となる確率は(2)Bと同様にして\( \displaystyle \frac{671}{1296} \)
(ii)となる確率を計算する。
・「2」「6」が4個のとき、\( \displaystyle \left( \frac{2}{6} \right)^4=\frac{16}{1296} \)
・「2」「6」が3個のとき、\( \displaystyle _{4}C_{3} \left( \frac{2}{6} \right)^3 \frac{3}{6}=\frac{96}{1296} \)
・「2」「6」が2個のとき、\( \displaystyle _{4}C_{2} \left( \frac{2}{6} \right)^2 \left( \frac{3}{6} \right)^2=\frac{216}{1296} \)
以上より(ii)の確率は
\( \displaystyle \frac{16+96+216}{1296}=\frac{328}{1296}\)
よって求める確率は
\( \displaystyle \frac{328+671}{1296}=\frac{999}{1296}=\frac{37}{48}\)
別解
積が4の倍数になるのは
(i)偶数であるとき。ただし
(ii)「4」が0回,「2」「6」が1回のみ出ている場合は除く。
(i)の確率は\( \frac{15}{16} \)
(ii)の確率は \( \displaystyle _{4}C_{1} \left( \frac{2}{6} \right)\left( \frac{3}{6} \right)^3=\frac{216}{1296}=\frac{1}{6}\)
よって求める確率は
\( \displaystyle \frac{15}{16}-\frac{1}{6}=\frac{37}{48} \)
サイコロの最大値問題
最大値が5ということは、すべてが5以下であり、かつ少なくとも1つは5が出ていないといけません。言い換えれば
すべて5以下。ただし、すべて4以下ではだめ。
ということですからこれを式にしましょう。
となります。
何種類の目が出る?問題
(1)全部同じ目が出る確率
(2)4種類の目が出る確率
(3)ちょうど3種類の目が出る確率
(1)これは意外と勘違いしやすいです。全事象は\( 6^4=1296 \)通り。条件を満たすのは全部1、全部2、全部3、・・・全部6の6通り。よって答えは\( \displaystyle \frac{6}{1296}=\frac{1}{216} \)です。
または次のようにも考えられます。
1個目は何が出てもいい。
2個目は1個目と同じでないといけない(1/6)。3,4個目も1個目と同じでないといけない(1/6)ので
\(\displaystyle 1 \cdot \frac{1}{6} \cdot \frac{1}{6} \cdot \frac{1}{6}=\frac{1}{216} \)
(2)
1個目は何がでてもいい。
2個目は1個目と異ならなければならないので確率は5/6
3個目は1,2個目と異ならなければならないので確率は4/6
4個目は1,2,3個目と異ならなければならないので確率は3/6
以上より\( \displaystyle 1 \cdot \frac{5}{6} \cdot \frac{4}{6} \cdot \frac{3}{6}=\frac{5}{18} \)
(3)
全事象は1296通り。
その中で3種類の目が出るのは4つのサイコロが「A」「A」「B」「C」と出たとき。
Aに入る数字の決め方は6通り。
BCの決め方は5×4=20通り。
4つのサイコロが順に「AABC」「ABAC」「ABCA」「BAAC」「BACA」「BCAA」と出る場合があるので6通り。
よって3種類の目が出るのは6×20×6=720通り
以上より求める確率は\( \displaystyle \frac{720}{1296}=\frac{5}{9} \)
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