上野竜生です。今回は3点を通る円の方程式を求める裏技を紹介します。基本的な解法と,裏技2つを紹介します。
問題
解答1 普通の解き方
\( (x-a)^2+(y-b)^2=r^2 \)とおく。通る点の条件より
\( (a-1)^2+(b-3)^2=r^2 \)・・・①
\( (a-4)^2+(b-2)^2=r^2 \)・・・②
\( (a+3)^2+(b-1)^2=r^2 \)・・・③
①-②より6a-2b-10=0
①-③より-8a-4b=0
3a-b=5とb=-2aよりa=1,b=-2
これを①に代入するとr2=25
よって
\( (x-1)^2+(y+2)^2=25 \)
解答1’ もう少し綺麗におく。
\( x^2+y^2-ax-by-c= 0 \)とおく。
通る点の条件より
\( a+3b+c=10 \)・・・①
\( 4a+2b+c=20\)・・・②
\( -3a+b+c=10 \)・・・③
①-②より-3a+b=-10
①-③より4a+2b=0
これを解くとa=2 , b=-4 , c= 20
よって\( x^2+y^2-2x+4y-20=0 \)
解答2 2点を通る円の方程式の一般形を出す。
<発想>ABを直径とする円の方程式を求める。つまりPがABを直径とする円の円周上を動くときのPの軌跡を表す式を求める。直径に対する円周角は90°だからAP⊥BPで,これをベクトルの内積で表すと\(\vec{AP}\cdot \vec{BP}=0 \)
成分で表す。A(a,b),B(c,d),C(e,f)とし,P(x,y)とおけばこれは
(x-a)(x-c)+(y-b)(y-d)=0
ここで直線ABの式をf(x,y)=0とする。つまりA,Bの座標をf(x,y)に代入すると0になるような1次式である。
すると「(x-a)(x-c)+(y-b)(y-d)+kf(x,y)=0」
で表される図形はA,Bを通る円の方程式である。
あとはCを通ることからkの値を求めて代入するだけです。
(x-1)(x-4)+(y-3)(y-2)+k(x+3y-10)=0は2点ABを通る円の方程式である。
これがC(-3,1)を通るから
28+2-10k=0 ∴k=3
よって求める式は
整理すると
\( x^2 -2x+y^2+4y=20 \)
解答3 一発で出す
円の方程式だから答えは「xとyの2次式の和でxyの項はなく,x2とy2の係数が同じ方程式」・・・(★)であればよい。
一般に3点A(a,b),B(c,d),C(e,f)を通る(★)を求めてみよう
(x-c)(x-e)+(y-d)(y-f)を考える。これは(★)を満たし,B,Cの座標を代入すると0になる。
つまり
\( \displaystyle \frac{(x-c)(x-e)+(y-d)(y-f)}{(a-c)(a-e)+(b-d)(b-f)} \)は(★)を満たし,B,Cの座標を代入すると0になり,Aの座標を代入すると1になる。
さらに同様の考えを使い,
について考える。第1項に点A,B,Cの座標を代入した値はそれぞれ1,0,0。
第2項に点A,B,Cの座標を代入した値はそれぞれ0,1,0。
第3項に点A,B,Cの座標を代入した値はそれぞれ0,0,1。
つまり3項を足すとA,B,Cすべてにおいて値が1となる。
よって
とするとこれはA,B,Cを通り,かつ(★)を満たすのでこれが求める円の方程式である。
実際に代入してみましょう。
両辺-60倍すると
整理すると
\( x^2-2x+y^2+4y=20 \)
出題頻度を考えても解法1の解き方をオススメします。裏技好きな人は見てもいいですが記述式の試験でどこまで認められるかは微妙なところです。
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