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上野竜生です。2次関数の問題を解くときは基本的には平方完成していればいいのですがたまにその性質ではないものを使うことがあります。2次関数の書き方を3通り学んで、それぞれの長所・短所をつかんでおきましょう。

2次関数の3通りの書き方

書き方1: y=ax2+bx+c

最も普通の書き方。問題文で最初に与えられる書き方。

たとえば3点を通る放物線の式を求めようとすればこの形で求めるのが普通。

このままでは入試問題は解きづらく、書き方2または書き方3に変形するのが一般的。

 

<長所>

・2次関数であることが明確。

・一般にn次関数に拡張するのが容易。

・係数が明示的に表れているので係数比較に便利

・微分積分するときは展開している形だとやりやすい。

<短所>

・2次関数の入試問題を解くときはこの形だとやりにくい。

 

 

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書き方2: y=a(x-p)2+q

頂点の座標(p,q)がわかりやすいです。最大・最小問題を解くときはおそらくこの形にすることになります。書き方2→書き方1への変換は展開すれば終わりですが書き方1→書き方2は平方完成と呼ばれ数Iでしっかり練習しなければなりません。

普通入試問題ではこの形にすれば解ける問題が多いです。

 

<長所>

・入試問題の2次関数の問題はだいたいこの形にすれば解ける。

・軸x=p、頂点(p,q)が明確で最大最小問題に強い。

<短所>

・この形に変形するのに訓練がいる(→頑張ってください。)

・3次関数以上には拡張しづらい。

なお微積分は数IIIまでしっかり勉強していればこの形でも比較的容易です。

 

数IIまでしかしらない人は誤解のもとになるのでこの形での微積分はやめておきましょう。(a倍のズレが起き、a≠1のときはちょっとミスりやすいです。)

 

書き方3: y=a(x-α)(x-β)

x軸と交わる点がわかりやすいです。x軸との交点が明確でない場合、入試問題ではほとんどこの形にすることはありません。

書き方3→書き方1 は展開すればOK

書き方1→書き方3 は解を求める必要があるので解の公式がいります。一般にはα,βは実数になるとは限りません。

書き方2と書き方3の行き来はいったん書き方1を経由するほうがわかりやすいでしょう。

 

<長所>

・x軸との交点の座標がわかりやすい

・2次関数が因数分解できるときはこのほうがわかりやすいかも。

・最大最小ではなく2次式の解に関連するときはこの形もわかりやすい。

<短所>

・書き方2に比べこの形に変形することはあまりない。

・微分積分は面倒(積分は1/6公式があります。微分は大変かも・・・)

 

書き方の変換の練習問題をいくつか挙げておきます。

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練習問題

例題1: 2x2+8x+5の最小値を求めよ。

最大最小に強いのは書き方2ですので書き方1→書き方2へ変換します。

答え2x2+8x+5

=2(x+2)2-3

よって頂点は(-2,-3)でありx=-2のとき最小値-3をとる。

例題2: 頂点が(1,-9)で点(5,7)を通る放物線がx軸から切り取る線分の長さを求めよ。
頂点に強いのは書き方2、x軸から切り取る線分の長さとは「大きいほうの解-小さいほうの解」なので解に強い書き方3がいいでしょう。そのために1度書き方1を経由します。

答え頂点が(1,-9)である放物線の式をy=a(x-1)2-9とおく。これが(5,7)を通るから7=a(5-1)2-9

16a-9=7 ∴a=1

よってこの放物線はy=(x-1)2-9である。

y=(x-1)2-9

=x2-2x-8

=(x-4)(x+2)

よりx軸との交点はx=-2,4

x軸から切り取る線分の長さは

4-(-2)

=6

 

とりあえず書き方2に変形することを重点的に勉強しましょう。

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