数検1級への数学 行列の固有値

上野竜生です。今回は行列の固有値を計算する方法を述べます。ただし、行列式は計算できることが前提となります。

数検1級レベル 固有値

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固有値とは?

行列Aの固有値λとはあるベクトル\( \vec{x} \)(≠\( \vec{0} \))が存在してA\(\vec{x} \)=λ\(\vec{x}\)となることをいいます。

固有値の計算方法

次の手順で求めます。

1. 固有多項式det(λE-A)を計算する。
2. その多項式(λに関する多項式)の解を求める。
固有値だけならこれで終わりです。固有ベクトルも求めるなら
3. 求めた固有値λに対しA-λEを計算し、(A-λE)\(\vec{x}\)=0となるベクトル\(\vec{x}\)を計算する。

例題

次の行列の固有値、固有ベクトルを求めよ。
(1)\(\begin{pmatrix} 1 & 2 \\ 5 & 4 \end{pmatrix}\)
(2)\(\begin{pmatrix} 1 & 2 & 2 \\ 0 & 3 & 2 \\ 0 & 0 & 3 \end{pmatrix}\)

(1)まずは固有多項式det(λE-A)を計算します。

\( det(\lambda E-A)=det\begin{pmatrix} \lambda-1 & -2 \\ -5 & \lambda-4 \end{pmatrix} \\=(\lambda-1)(\lambda-4)-(-2)(-5)\\=\lambda^2-5\lambda-6\\=(\lambda+1)(\lambda-6) \)

固有値は「(固有多項式)=0の解」なので-1,6が固有値。

λ=-1に対する固有ベクトルを求める。

\( A-(-1)E=\begin{pmatrix} 2 & 2 \\ 5 & 5 \end{pmatrix} \)

固有ベクトルを\(\vec{x}=\left(\begin{array}{c} a \\ b  \end{array}\right)\)とすると

\((A+E)\vec{x}=\begin{pmatrix} 2 & 2 \\ 5 & 5 \end{pmatrix} \left(\begin{array}{c} a \\ b  \end{array}\right) = \left(\begin{array}{c} 2a+2b \\ 5a+5b  \end{array}\right) =0\)

よってb=-aであり,固有値-1に対する固有ベクトルは\(\vec{x}=\left(\begin{array}{c} a \\ -a  \end{array}\right)=a\left(\begin{array}{c} 1 \\ -1  \end{array}\right)\)

λ=6に対する固有ベクトルを求める。同様にすると

\( (A-6E)\vec{x}=\begin{pmatrix} -5 & 2 \\ 5 & -2 \end{pmatrix} \left(\begin{array}{c} a \\ b  \end{array}\right) = \left(\begin{array}{c} -5a+2b \\ 5a-2b  \end{array}\right) =0\)

よって固有値6に対する固有ベクトルは\(\vec{x}=\left(\begin{array}{c} a \\ \frac{5}{2}a  \end{array}\right)=\frac{a}{2}\left(\begin{array}{c} 2 \\ 5  \end{array}\right)\)

(2)固有多項式は

\( det(\lambda E-A)=det\begin{pmatrix} \lambda-1 & -2 & -2 \\ 0 & \lambda-3 & -2 \\ 0 & 0 & \lambda-3 \end{pmatrix} \\=(\lambda-1)(\lambda-3)^2\)

より固有値は1,3,3

固有値1に対する固有ベクトル\(\vec{x}=\left(\begin{array}{c} a \\ b \\c  \end{array}\right)\)は

\( (A-E)\vec{x}=\begin{pmatrix} 0 & 2 & 2 \\ 0 & 2 & 2 \\ 0 & 0 & 2 \end{pmatrix} \left(\begin{array}{c} a \\ b \\ c \end{array}\right) = \left(\begin{array}{c} 2b+2c \\ 2b+2c \\ 2c  \end{array}\right) =0\)

よってc=0,b=0となり,固有値1に対する固有ベクトルは\(\vec{x}=\left(\begin{array}{c} a \\ 0 \\0  \end{array}\right)=a\left(\begin{array}{c} 1 \\ 0 \\0  \end{array}\right)\)

固有値3に対する固有ベクトルを求める

\( (A-3E)\vec{x}=\begin{pmatrix} -2 & 2 & 2 \\ 0 & 0 & 2 \\ 0 & 0 & 0 \end{pmatrix} \left(\begin{array}{c} a \\ b \\ c \end{array}\right) = \left(\begin{array}{c} -2a+2b+2c \\ 2c \\ 0  \end{array}\right) =0\)

より固有値3に対する固有ベクトルは\(\vec{x}=\left(\begin{array}{c} a \\ a \\0  \end{array}\right)=a\left(\begin{array}{c} 1 \\ 1 \\0  \end{array}\right)\)

このように重解を持つとき,固有ベクトルは\(a\vec{x}\)になることもありますが,\(a\vec{x}+b\vec{y}\)になることもあります。この違いが今後大学数学では重要になります。

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