グラムシュミットの直交化法

上野竜生です。n本のベクトルが与えられたときそれらを正規直交化する方法(グラムシュミットの直交化法)を解説します。

シュミットの直交化

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正規直交化の方法

n本のベクトルでもできますが,計算量の都合でテストやレポートには普通n=3のときしかでません。n≧4でも全く同様なのでn=3とします。

n(=3)個のベクトル\( \vec{a_1},\vec{a_2} , \vec{a_3} \)が与えられたとき,次のステップで\( \vec{c_1},\vec{c_2},\vec{c_3} \)を作ることをシュミットの直交化という。
(1) \( \vec{b_1}=\vec{a_1}\)
\(\displaystyle \vec{c_1}=\frac{\vec{b_1}}{|\vec{b_1}|}\)
(2) \( \vec{b_2}=\vec{a_2}-(\vec{a_2}\cdot \vec{c_1})\vec{c_1}\)
\(\displaystyle \vec{c_2}=\frac{\vec{b_2}}{|\vec{b_2}|}\)
(3) \( \vec{b_3}=\vec{a_3}-(\vec{a_3}\cdot \vec{c_1})\vec{c_1}-(\vec{a_3}\cdot \vec{c_2})\vec{c_2}\)
\(\displaystyle \vec{c_3}=\frac{\vec{b_3}}{|\vec{b_3}|}\)

証明

n=3のときに正しいことを示せたらn≧4のときでも同様なのでn=3を示す。

正規直交化であることを示すには
\( |\vec{c_1}|=1 , |\vec{c_2}|=1 , |\vec{c_3}|=1, \vec{c_1}\cdot \vec{c_2}=0 , \vec{c_1}\cdot \vec{c_3}=0 , \vec{c_2}\cdot \vec{c_3}=0 \)
を示せば良い。

最初の3つは明らか(最後に\( \vec{b}\)の大きさで割ってるので\(\vec{c}\)の大きさは1)

\( \vec{c_1}\cdot \vec{c_2} \\ \displaystyle= \frac{\vec{c_1}\cdot \vec{b_2}}{|\vec{b_2}|}\\
=\displaystyle \frac{\vec{c_1}\cdot \vec{a_2}-(\vec{a_2}\cdot \vec{c_1})\vec{c_1}\cdot \vec{c_1}}{|\vec{b_2}|}\\
=0 (∵\vec{c_1}\cdot \vec{c_1}=1)\)

\( \vec{c_1}\cdot \vec{c_3}=0\)も同様。

\( \vec{c_2}\cdot \vec{c_3}\\ \displaystyle =\frac{\vec{c_2}\cdot \vec{b_3}}{|\vec{b_3}|} \\
=\displaystyle \frac{\vec{c_2}\cdot \vec{a_3}-(\vec{a_3}\cdot \vec{c_1})\vec{c_2}\cdot \vec{c_1}-(\vec{a_3}\cdot \vec{c_2})\vec{c_2} \cdot \vec{c_2}}{|\vec{b_3}|}\\
=\displaystyle \frac{\vec{c_2}\cdot \vec{a_3} -0-\vec{a_3}\cdot \vec{c_2}}{|\vec{b_3}|}\\=0 (∵\vec{c_2}\cdot \vec{c_1}=0 , \vec{c_2}\cdot \vec{c_2}=1 )\)

例題

次のベクトルをシュミットの直交化によって直交化せよ。
(1,0,1),(0,1,2),(3,2,1)
答え\( \vec{a_1}=(1,0,1), \vec{a_2}=(0,1,2), \vec{a_3}=(3,2,1)\)とする。
\( |\vec{a_1}|=\sqrt{2} \)より\( \displaystyle \vec{c_1}=\frac{1}{\sqrt{2}}(1,0,1) \)
\( \vec{b_2}=\vec{a_2}-(\vec{a_2}\cdot \vec{c_1})\vec{c_1}\\
=(0,1,2)-\sqrt{2}\frac{1}{\sqrt{2}}(1,0,1)=(-1,1,1) \)
\( |\vec{b_2}|=\sqrt{3}\)より\( \vec{c_2}=\frac{1}{\sqrt{3}}(-1,1,1) \)
\( \vec{b_3}=\vec{a_3}-(\vec{a_3}\cdot \vec{c_1})\vec{c_1}-(\vec{a_3}\cdot \vec{c_2})\vec{c_2} \\
=(3,2,1)-2\sqrt{2}\frac{1}{\sqrt{2}}(1,0,1)-0\vec{c_2}\\=(1,2,-1) \)
\( |\vec{b_3}|=\sqrt{6} \)より\( \vec{c_3}=\frac{1}{\sqrt{6}}(1,2,-1) \)
以上より答えは
\( \displaystyle \frac{1}{\sqrt{2}}(1,0,1), \frac{1}{\sqrt{3}}(-1,1,1), \frac{1}{\sqrt{6}}(1,2,-1) \)

実係数1次以下の多項式の全体からなるベクトル空間の2つの元p(x),q(x)がある。p(x)とq(x)の内積を次のように定めるとき1,x+2からシュミットの直交化によって正規直交基底を作れ。
\(\displaystyle  p(x)\cdot q(x)=\int_{-1}^1 p(x)q(x) dx \)

ベクトル\(\vec{v}\)の大きさは\( |\vec{v}|=\sqrt{\vec{v}\cdot \vec{v}}\)であることに注意します。(つまりベクトルの大きさを求めるのにも積分が必要)

答え(1) 1を正規化する。(なおこの解答で\( \cdot \)はかけ算ではなく上で定義された内積なので注意)
\( 1\cdot 1=\int_{-1}^1 1 dx =2 \)
より\( |1|=\sqrt{2} \)なので1を正規化すると\( \frac{1}{\sqrt{2}} \)
(2) x+2を直交化する。
\(b_2(x)= (x+2)-((x+2)\cdot \frac{1}{\sqrt{2}})\frac{1}{\sqrt{2}}\)を計算する。
\(\displaystyle (x+2)\cdot \frac{1}{\sqrt{2}}=\int_{-1}^1 \frac{x+2}{\sqrt{2}}dx=\frac{4}{\sqrt{2}}=2\sqrt{2} \)より
\(b_2(x)=(x+2)-2=x \)
xを正規化する。
\(\displaystyle (x\cdot x)=\int_{-1}^1 x^2 dx =\frac{2}{3}\)より
\(\displaystyle \frac{x}{\sqrt{\frac{2}{3}}}=\frac{\sqrt{6}}{2}x \)
以上より答えは\( \displaystyle \frac{1}{\sqrt{2}},\frac{\sqrt{6}}{2}x\)

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