上野竜生です。今回は逆三角関数の微分を紹介します。逆関数の微分を高校でもやってるはずなのでそれと同じですが,大学では結果の暗記も必要です。

arcsinxの微分

逆関数の微分を使う。y=arcsinx⇔x=sinyなので両辺をxで微分すると
\( 1=y’\cos{y} \)
ここでarcsinxの値域より\(-\frac{\pi}{2}\leq y \leq \frac{\pi}{2}\)であり,このときcosy≧0である。\( \cos{y}=\sqrt{1-\sin^2{y}}=\sqrt{1-x^2} \)なので
\(\displaystyle y’=\frac{1}{\sqrt{1-x^2}} \)

同様にすると次の公式を得る。結果を覚えておきましょう。微分の結果を覚えることは積分のときに役立つからです。

\(\displaystyle (\arcsin{x})’=\frac{1}{\sqrt{1-x^2}} \)
\(\displaystyle (\arccos{x})’=-\frac{1}{\sqrt{1-x^2}} \)
\(\displaystyle (\arctan{x})’=\frac{1}{1+x^2} \)

逆三角関数の定義域をうまく定めてあったので三角関数の相互法則を使う時のルートのプラスマイナスの場合分けがなくなります。また
\(\arcsin{x}+\arccos{x}=\frac{\pi}{2} \)なので\((\arcsin{x})’+(\arccos{x})’=0 \)になっています。

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例題1

xで微分せよ。
(1)\( \arcsin{\frac{x}{a}} \)
(2) \(\cos{(\arcsin{(x^2)})}\)
(3)\( (\arctan{x})^x \)

数IIIでやったような合成関数の微分とか積の微分・商の微分などを駆使すれば解けます。

答え(1)

\(\displaystyle (\arcsin{\frac{x}{a}})’ = \frac{1}{\sqrt{1-(\frac{x}{a})^2}}\cdot \frac{1}{a}=\frac{1}{\sqrt{a^2-x^2}} \)

(2)

\( (\cos{(\arcsin{(x^2)})} )’ \\ \displaystyle = -\sin{(\arcsin{(x^2)})} \cdot \{ \arcsin{(x^2)} \}’ \\ \displaystyle =-x^2 \cdot \frac{1}{\sqrt{1-(x^2)^2}} (x^2)’ \\ =\displaystyle \frac{-2x^3}{\sqrt{1-x^4}} \)

【別解】arcsin(x2)=αとおくと
sinα=x2
cosα=\(\sqrt{1-x^4} \)
あとはこれを微分すれば上と同じ結果を得る。
(3)対数微分。\( y=(\arctan{x})^x \)とおくと\(\log{y}=x\log{(\arctan{x})} \)

\(\displaystyle \frac{y’}{y}=\log{(\arctan{x})}+x\cdot \frac{\frac{1}{x^2+1}}{\arctan{x}} \)
\(\displaystyle y’=(\arctan{x})^x \{ \log{(\arctan{x})} + \frac{x}{(x^2+1)\arctan{x}}\} \)

例題2

xで積分せよ。
(1)\(\displaystyle \int \frac{x^4}{x^2+a^2}dx \)
(2)\(\displaystyle \int \arcsin{x} dx \)
(3)\(\displaystyle \int (\arcsin{x})^2 dx\)

答え(1)

\(\displaystyle \int x^2-a^2+\frac{a^4}{x^2+a^2}dx = \frac{1}{3}x^3-a^2 x + \int \frac{a^4 dx}{x^2+a^2} \)

\( x=a\tan{\theta} \)とおく。\(\displaystyle dx=\frac{a}{\cos^2{\theta}}d\theta \)

\(\displaystyle \int \frac{a^4 dx}{x^2+a^2}=\int \frac{a^4 \cdot a\frac{1}{\cos^2{\theta}}}{a^2\tan^2{\theta} +a^2}d\theta = \int a^3d\theta =a^3\theta \)

ここで\(\tan{\theta}=\frac{x}{a} \)なので\(\displaystyle a^3\theta=a^3\arctan{\frac{x}{a}}\)
以上をまとめると積分結果は

\(\displaystyle \frac{1}{3}x^3-a^2 x+a^3\arctan{\frac{x}{a}}+C \)

(2)1・arcsinxと考えて部分積分

\(\displaystyle \int \arcsin{x}dx \\ \displaystyle = x\arcsin{x}- \int x\frac{dx}{\sqrt{1-x^2}} \\ \displaystyle = x\arcsin{x}+\sqrt{1-x^2}+C \)

(3)

\(\displaystyle \int (\arcsin{x})^2 dx \\ =\displaystyle x(\arcsin{x})^2 – \int 2x\arcsin{x}\cdot \frac{1}{\sqrt{1-x^2}}dx \\ = \displaystyle x(\arcsin{x})^2+ (2\sqrt{1-x^2}\arcsin{x} – \int 2\sqrt{1-x^2}\cdot \frac{1}{\sqrt{1-x^2}}dx ) \\ =\displaystyle x(\arcsin{x})^2 +2\sqrt{1-x^2}\arcsin{x}-2x+C \)
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例題3

f(x)=2(arctanx)-log(x2+1)とおく。f(x)の最大値を求めよ。

微分ができれば最大・最小なども求められますね。数IIIと同じです。

答え\(\displaystyle f’(x)=\frac{2}{x^2+1}-\frac{2x}{x^2+1} \)である。
f’(x)=0を解くとx=1。よって増減表は下の通り
\(\begin{array}{c|ccc} x & \cdots & 1 & \cdots \\ \hline f’(x) &  + & 0 & – \\ \hline f(x) & \nearrow & 極大 & \searrow \end{array} \)
よって最大値は\(\displaystyle f(1)=\frac{\pi}{2}-\log{2} \)

例題4

関数f(x)を,

\(\displaystyle f(x)=\arctan{\left(\frac{x^2-2x-1}{x^2+2x-1}\right)}-2\arctan{x} \ (x>\sqrt{2}-1) \)

と定める。f(x)は定数関数であることを示し,その値を求めよ。

定数関数を示すには微分して0を示すのがいいでしょう。定数だとわかれば値を求める時は適当に1つ代入すればOKです。つまりf’(x)=0を確認しf(1)の値を求めればいいのです。

答え

\(\displaystyle f’(x)=\frac{\frac{(2x-2)(x^2+2x-1)-(2x+2)(x^2-2x-1)}{(x^2+2x-1)^2}}{1+(\frac{x^2-2x-1}{x^2+2x-1})^2}-\frac{2}{1+x^2} \\ \displaystyle = \frac{(2x-2)(x^2+2x-1)-(2x+2)(x^2-2x-1)}{(x^2+2x-1)^2+(x^2-2x-1)^2}-\frac{2}{1+x^2} \)

ここで第1項の分子をA・分母をBとする。

\( A=(2x-2)(x^2+2x-1)-(2x+2)(x^2-2x-1) \\ = 2x^3+4x^2-2x-2x^2-4x+2 – 2x^3+4x^2+2x-2x^2+4x+2 \\ = 4x^2+4 =4(x^2+1)\)
\(B= (x^2+2x-1)^2+(x^2-2x-1)^2 \\ = x^4+4x^2+1+4x^3-2x^2-4x+x^4+4x^2+1-4x^3-2x^2+4x \\ =2x^4+4x^2+2=2(x^2+1)^2 \)
\(\displaystyle f’(x)=\frac{4(x^2+1)}{2(x^2+1)^2}-\frac{2}{x^2+1}=0 \)

よって定数関数。
その値は

\(\displaystyle f(1)=\arctan{(-1)}-2\arctan{1}=-\frac{\pi}{4}-\frac{\pi}{2}=-\frac{3}{4}\pi \)

教えてることは簡単ですが数IIIの復習などもあって演習問題(例題)は結構難しいです。しっかり解けるようにしましょう。

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