対称式の最大・最小値

上野竜生です。対称式で表された式の最大・最小値を求める方法を紹介します。見えない条件(実数条件)を見落としがちなので注意しましょう。

対称式の最大・最小

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解き方

対称式はすべて基本対称式だけで表せる。

なのでu=x+y , v=xyとおき,u,vの式で表すとうまくいくことが多い。(∵xy=vとおいているので次数が1つ下がることが多いから)

ただしx,yが実数ならば(x-y)2=(x+y)2-4xy=u2-4v≧0が成り立つ。この条件を見落とさないように注意。(以下の解答では判別式≧0で求めていますがまったく同じ式です)

3変数になると実数条件が面倒なので可能な限り2変数の対称式にまで帰着させたい。

例題1 2変数の問題

実数x,yがx2-xy+y2=1を満たしながら動くとき(x+1)(y+1)の最大・最小値を求めよ。
答えx+y=u, xy=vとおく。
x,yはtの2次方程式t2-(x+y)t+xy=t2-ut+v=0の実数解であるから判別式は0以上。
よってu2-4v≧0・・・①
x2-xy+y2=(x+y)2-3xy=u2-3v=1
よって\(\displaystyle v=\frac{u^2-1}{3} \)・・・②
②を①に代入すると\( u^2- \frac{4}{3}u^2+\frac{4}{3} \geq 0 \) ∴-2≦u≦2
\(\displaystyle (x+1)(y+1)=xy+x+y+1\\ \displaystyle =u+v+1=\frac{1}{3}u^2+u+\frac{2}{3}=\frac{1}{3} \left(u+\frac{3}{2}\right)^2 -\frac{1}{12} \)
よってu=2のとき最大値4,\(\displaystyle u=-\frac{3}{2} \)のとき最小値\(\displaystyle -\frac{1}{12} \)
例題1のグラフ
念のために最大・最小値をとるx,yの値も求めておきます。
u=2のとき②よりv=1なのでx,yはt2-2t+1=0の解であり(x,y)=(1,1)となります。
\(\displaystyle u=-\frac{3}{2} \)のとき\(\displaystyle v=\frac{5}{12} \)なのでx,yは\( \displaystyle t^2+\frac{3}{2}t+\frac{5}{12}=0\)
つまり12t2+18t+5=0の解で
\(\displaystyle \frac{-9\pm \sqrt{21}}{12} \)となります。(x,yのうち一方がプラス、もう一方がマイナス)

例題2 3変数の問題

実数x,y,zがx+y+z=6, x2+y2+z2=18を満たしながら動くとき、x3+y3+z3の最大・最小値を求めよ。

例題1と同様にx,y,zの対称式として解こうとしても3変数となると3次方程式の判別式をつかわないといけなくなります。3次方程式の判別式はとても複雑なので断念しましょう。x+y+z=6から簡単に1変数消去できるので2変数(ここではy,z)の対称式で表すのがポイントです。
x2+y2+z2=18の条件からも1変数消去はできますがやや複雑なことと、求めるものも対称式なので対称式のまま解きます。

答えx2+y2+z2=(x+y+z)2-2(xy+yz+zx)=18よりxy+yz+zx=9
x+y+z=6だからy+z=6-x
xy+yz+zx=x(y+z)+yz=x(6-x)+yz=9よりyz=x2-6x+9
y,zはtの2次方程式t2-(y+z)t+yz=t2-(6-x)t+(x2-6x+9)=0の実数解だから判別式は0以上。
(6-x)2-4(x2-6x+9)=x2-12x+36-4x2+24x-36=-3x2+12x≧0より0≦x≦4
x3+y3+z3=x3+(y+z)3-3yz(y+z)
=x3+(6-x)3-3(x2-6x+9)(6-x)=3x3-18x2+27x+54
f(x)=3x3-18x2+27x+54とおき0≦x≦4での最大・最小を求めればよい。
f'(x)=9x2-36x+27=9(x-1)(x-3)より増減表は下の通り
\(\begin{array}{c|ccccccc} x & 0 & \cdots & 1 & \cdots & 3 & \cdots & 4 \\ \hline f’(x) & & + & 0 & – & 0 & + &  \\ \hline f(x) & 54 & \nearrow & 66 & \searrow & 54 & \nearrow & 66 \end{array}\)
よって最大値はx=1,4のとき66
最小値はx=0,3のとき54

例題2のグラフ1

<参考>最大値はx,y,zが順不同で1,1,4のとき。最小値はx,y,zが順不同で0,3,3のとき

なお3次関数の性質を知っていればxyzの範囲が求まるのでそこからこの問題の解答を求めることもできます。ただし発想が難しいことと,ラスボス級因数分解の公式を使っているので難易度は高くなります。

答え<別解:3変数対称式のまま処理>
xy+yz+zx=9までは同じ。
x3+y3+z3=(x+y+z)(x2+y2+z2-xy-yz-zx)+3xyz
=(x+y+z){(x+y+z)2-3(xy+yz+zx)}+3xyz=6(62-3・9)+3xyz=54+3xyz
よってxyzのとり得る範囲を求めればよい。
a=xyzとおく。x,y,zは3次方程式t3-(x+y+z)t2+(xy+yz+zx)t-xyz=t3-6t2+9t-a=0の実数解であるから
g(t)=t3-6t2+9tとおきy=g(t)とy=aが重複も含めて3つの交点をもつ範囲を調べればよい。
g'(t)=3t2-12t+9=3(t-1)(t-3)より増減表は下の通り。
\(\begin{array}{c|ccccc} t & \cdots & 1 & \cdots & 3 & \cdots \\ \hline g’(t) & + & 0 & – & 0 & + \\ \hline g(t) & \nearrow & 4 & \searrow & 0 & \nearrow \end{array}\)
よってy=g(t)のグラフは下のようになりy=aと重複も含めて3つの交点をもつ範囲は0≦a≦4
(最大値はx,y,zが順不同で1,1,4のとき。最小値はx,y,zが順不同で0,3,3のとき)
よって54≦x3+y3+z3≦54+3・4=66となり最大値は66,最小値は54

例題2のグラフ2

実数条件を忘れがちで難関大学でもたまに出題されます。忘れないようにしましょう。

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