上野竜生です。連立漸化式の解法について紹介します。連立漸化式を単独で扱うことはあまりないのですが確率漸化式が頻出すぎます。そのときに連立漸化式を立てることが多いのでここで解法をマスターしましょう。

基本的な解法

対称型

\(\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} a_{n+1}=pa_n+qb_n \\ b_{n+1}=qa_n+pb_n \end{array} \right.\end{eqnarray}\)

の形になっているものを対称型と呼んでいます。すごく特殊ですが確率漸化式を立てるとこのタイプになることも多く,この場合は簡単に解けるのでこの場合の解法を覚えておくことは重要です。この場合は2つの式を足したものと2つの式を引いたものを計算すれば等比数列型に帰着されます。具体的には(1)で見てみましょう。

それ以外

参考書でよくある方法は\(a_n+\alpha b_n\)が等比数列になるようにうまくαを求めるというものですが,出題頻度を考えると1文字消去して隣接3項間漸化式に持ち込む解法のほうが覚える量が少なく楽でしょう。計算量も大差はありません。具体例は(2)で見てみます。

全体的に「うまく足したり引いたり」して等比数列の形を作る!ということが鉄則です。3変数以上でも式の形からどれとどれを足したり引いたりすればいいか・・・ということを考えることが重要です。

広告

例題

(1)

\(\begin{eqnarray} \begin{cases} a_1=5, & a_{n+1}=3a_n-b_n \cdots ① \\ b_1=1, & b_{n+1}=-a_n+3b_n\cdots ② \end{cases} \end{eqnarray} \)

(2)

\(\begin{eqnarray} \begin{cases} a_1=2, & a_{n+1}=2a_n-15b_n \cdots ③ \\ b_1=1, & b_{n+1}=a_n+10b_n \cdots ④ \end{cases} \end{eqnarray}\)

(3)

\(\begin{eqnarray} \begin{cases} a_1=\frac25 & a_{n+1}=\frac15 a_n+\frac25 b_n+\frac25 c_n \cdots ⑤ \\ b_1=\frac25 & b_{n+1}=\frac25 a_n+\frac15 b_n+\frac25 c_n \cdots ⑥ \\ c_1=\frac15 & c_{n+1}=\frac25 a_n+\frac25 b_n + \frac15 c_n \cdots ⑦ \end{cases} \end{eqnarray} \)
答え(1)①+②より
\( a_{n+1}+b_{n+1}=2(a_n+b_n) \)
\(\{ a_n+b_n \} \)は初項\(a_1+b_1=6,\)公比2の等比数列だから
\( a_n+b_n=6\cdot 2^{n-1}=3\cdot 2^n \)・・・⑧
①-②より
\( a_{n+1}-b_{n+1}=4(a_n-b_n) \)
\( \{ a_n-b_n \} \)は初項\(a_1-b_1=4 ,\)公比4の等比数列だから
\(a_n-b_n=4^n \)・・・⑨
(⑧+⑨)÷2と(⑧-⑨)÷2を計算することにより

\(\displaystyle a_n=\frac{1}{2}(3\cdot 2^n +4^n) , b_n=\frac{1}{2}(3\cdot 2^n-4^n) \)
(2)【再掲】

\(\begin{eqnarray} \begin{cases} a_1=2, & a_{n+1}=2a_n-15b_n \cdots ③ \\ b_1=1, & b_{n+1}=a_n+10b_n \cdots ④ \end{cases} \end{eqnarray}\)
答え(2)【解1】1つ消去して隣接3項間漸化式に持ち込む。
④より\(a_n=b_{n+1}-10b_n \)
これを③に代入すると
\(b_{n+2}-10b_{n+1}=2(b_{n+1}-10b_n)-15b_n \)
整理すると
\(b_{n+2}=12b_{n+1}-35b_n \)・・・(★)
④より\(b_2=2+10=12 \)

<特性方程式を解く⇒計算用紙にメモ>
\( \alpha^2=12\alpha-35 \)をとくと\(\alpha=5,7 \)

よって(★)の両辺から\(5b_{n+1},7b_{n+1} \)を引けばよい。
\( b_{n+2}-5b_{n+1}=7(b_{n+1}-5b_n) \)
\( \{b_{n+1}-5b_n \} \)は初項\(b_2-5b_1=12-5=7,\)公比7の等比数列だから
∴\( b_{n+1}-5b_n=7^n \)・・・⑩
同様に\( b_{n+2}-7b_{n+1}=5(b_{n+1}-7b_n) \)
∴\( b_{n+1}-7b_n=5^n \)・・・⑪
⑩-⑪より
\( 2b_n=7^n-5^n \)
よって\( b_n=\frac{1}{2}(7^n-5^n) \)

\(a_n=b_{n+1}-10b_n = \frac{1}{2} (7^{n+1}-5^{n+1}-10\cdot 7^n +10\cdot 5^n ) \\ = \frac{1}{2} (-3\cdot 7^n +5^{n+1}) \)

【別解】\( \{ a_{n+1}+\alpha b_n \} \)が等比数列になるように調整する。
\( (a_{n+1}+\alpha b_{n+1})=\beta(a_n+\alpha b_n) \)の形になれば等比数列の公式が使える。そのような\(\alpha, \beta\)を見つけてくる。
③+α×④より

\( a_{n+1}+\alpha b_{n+1}=(2+\alpha)a_n + (-15+10\alpha)b_n \)

式を見比べると
\( \beta=\alpha+2…⑫ , \alpha\beta=10\alpha-15…⑬ \)
よって⑬に⑫を代入すると
\( \alpha(\alpha+2)=10\alpha-15 \)
\( \alpha^2-8\alpha+15=0 \)
\( (\alpha,\beta)=(3,5),(5,7) \)
よって
\( a_{n+1}+3b_{n+1}=5(a_n+3b_n) \)
\( \{a_n+3b_n \} \)は初項\(a_1+3b_1=5 \),公比5の等比数列だから
∴\( a_n+3b_n=5^n \)・・・⑭
同様に\( a_{n+1}+5b_{n+1}=7(a_n+5b_n) \)
∴\( a_n+5b_n=7^n \)・・・⑮
(⑮-⑭)÷2より
\(b_n=\frac{1}{2}(7^n-5^n) \)
⑭より

\(a_n=5^n-3b_n=\frac{1}{2}(-3\cdot 7^n + 5^{n+1}) \)
(3)【再掲】

\(\begin{eqnarray} \begin{cases} a_1=\frac25 & a_{n+1}=\frac15 a_n+\frac25 b_n+\frac25 c_n \cdots ⑤ \\ b_1=\frac25 & b_{n+1}=\frac25 a_n+\frac15 b_n+\frac25 c_n \cdots ⑥ \\ c_1=\frac15 & c_{n+1}=\frac25 a_n+\frac25 b_n + \frac15 c_n \cdots ⑦ \end{cases} \end{eqnarray} \)
答え(3)⑤+⑥+⑦より
\( a_{n+1}+b_{n+1}+c_{n+1}=a_n+b_n+c_n \)
\( a_n+b_n+c_n \)は一定の値をとり,その値は\(a_1+b_1+c_1=1\)
∴\( a_n+b_n+c_n=1 \)・・・⑯
⑤-⑥より
\(a_{n+1}-b_{n+1}=-\frac15 a_n + \frac15 b_n \)
\( \{a_n-b_n \} \)は初項\(a_1-b_1=0 \),公比\(-\frac15 \)の等比数列だから
\(a_n-b_n=0 \) ∴\(b_n=a_n \)・・・⑰
⑤-⑦より
\(a_{n+1}-c_{n+1}=-\frac15a_n+\frac15 c_n \)
\( \{a_n-c_n \} \)は初項\(\frac15\),公比\(-\frac15\)の等比数列だから
\(a_n-c_n=-(-\frac15)^n \)
∴\( c_n=a_n+(-\frac15)^n \)・・・⑱
⑯に⑰⑱を代入すると
\(a_n+ a_n+ a_n+(-\frac15)^n=1 \)
よって
\(\displaystyle a_n=b_n=\frac{1}{3}-\frac{1}{3}(-\frac15)^n \)
⑱より
\(\displaystyle c_n=\frac{1}{3}+\frac{2}{3}(-\frac15)^n \)

普通の連立方程式を加減法で解くような感覚ですね。

数学はもちろん他の科目も勉強できる「スタディサプリ」なら人気講師の授業動画で、塾にいかなくてもまるで塾にいったかのような勉強ができます。塾と比較すると格安で、しかも無料おためしもできます。当サイトオススメのサイトです。


スタディサプリについて解説したページはこちら