無限級数の求め方

上野竜生です。今回は無限級数の求め方について紹介します。今までの延長でスラスラ理解できると思いますが途中で区切るところもあまりなく長文になってしまいました。好きな章で休みながら読んでみてください。

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無限級数とは?

\( \displaystyle \sum_{n=1}^{\infty} a_n \)のことを無限級数という。

求め方

まず部分和\( \displaystyle S_n = \sum_{k=1}^n a_k \)を求める。そのあとで\(\displaystyle \lim_{n \to \infty} S_n \)を求めればそれが無限級数である。
結局は部分和を求める時点で数Bの数列の和の知識を使うことになります。
なお極限が収束しなければ無限級数は発散するといいます。

例題1

次の無限級数を求めよ。
(1) \(\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty} \frac{1}{n(n+1)} \)
(2) \(\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty} \frac{1}{n(n+1)(n+2)} \)
答え(1) 部分和は
\(\displaystyle S_n = \sum_{k=1}^n \frac{1}{k(k+1)} \\ \displaystyle = \sum_{k=1}^n \frac{1}{k}- \frac{1}{k+1}
\\ \displaystyle = 1-\frac{1}{2}+\frac{1}{2}-\frac{1}{3}+\frac{1}{3}-\frac{1}{4}+\cdots +\frac{1}{n}-\frac{1}{n+1} \\ =\displaystyle 1-\frac{1}{n+1} \)
\(\displaystyle \lim_{n \to \infty} S_n = \lim_{n \to \infty} 1-\frac{1}{n+1}=1 \)より
\(\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty} \frac{1}{n(n+1)}=1 \)
(2) 部分和は
\(\displaystyle S_n = \sum_{k=1}^n \frac{1}{k(k+1)(k+2)} \\ \displaystyle = \sum_{k=1}^n \frac{1}{2}\left( \frac{1}{k(k+1)}- \frac{1}{(k+1)(k+2)} \right) \\
=\displaystyle \frac{1}{2} \left(\frac{1}{2}-\frac{1}{6}+\frac{1}{6}-\frac{1}{12} + \cdots + \frac{1}{n(n+1)}-\frac{1}{(n+1)(n+2)} \right) \\ =\displaystyle \frac{1}{2} \left( \frac{1}{2}-\frac{1}{(n+1)(n+2)} \right) \)
\(\displaystyle \lim_{n \to \infty} S_n = \lim_{n \to \infty} \frac{1}{4}-\frac{1}{2(n+1)(n+2)} = \frac{1}{4} \)より
\(\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty} \frac{1}{n(n+1)(n+2)}=\frac{1}{4} \)

無限級数の性質

\(\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty} a_n , \sum_{n=1}^{\infty} b_n \)が収束するとき
1 \(\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty} (a_n+b_n)= \sum_{n=1}^{\infty} a_n + \sum_{n=1}^{\infty} b_n \)
2 \(\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty} (ka_n) = k \sum_{n=1}^{\infty} a_n \) (k:定数)

無限等比級数

初項a,公比rの等比数列を考える。無限等比級数とは\(\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty} ar^{n-1} \)で表されるものである。

部分和を求める。r=1のとき部分和\(S_n \)は
\(S_n=na \)
r≠1のときは\(\displaystyle S_n=\frac{a(1-r^n)}{1-r} \)
部分和の極限を求める。r=1のときはa=0なら0に収束するがa≠0のときは発散する。
-1<r<1のとき\(\displaystyle \lim_{n \to \infty} \frac{a(1-r^n)}{1-r}=\frac{a}{1-r} \)
r≦-1,r>1のときは\(S_n \)は発散する。
以上をまとめると次の公式が得られる。

POINT初項a,公比rの無限等比級数が収束する条件はa=0または-1<r<1でありその収束値は\(\displaystyle \frac{a}{1-r} \)

無限等比数列の収束と違いr=1のときの等号が抜けています。また収束値は場合分けせずに済みます。この結果はよく使うので覚えておきましょう。

例題2

\(\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty} a(a+3)^n \)が収束するときのaの範囲とその収束値を求めよ。
答え初項a(a+3),公比a+3の無限等比級数なので収束する条件は
a(a+3)=0または-1<a+3<1
これを解くと-4<a<-2またはa=0
収束値は\(\displaystyle \frac{a(a+3)}{1-(a+3)}=-\frac{a(a+3)}{a+2} \)
a≦0なのでマイナスの符号がついていてもおかしくありませんね。

例題3

(1) \(\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty} a_n \)が収束するならば\(\displaystyle \lim_{n \to \infty} a_n =0 \)であることを示せ。
(2) 「\(\displaystyle \lim_{n \to \infty} a_n =0 \)ならば\(\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty} a_n \)が収束する」は成り立たない。反例を挙げよ。
(3) \(\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty} \frac{n^2}{1+n^2} \)は収束するか?
答え(1) 部分和を\(S_n \)とする。\(\displaystyle \lim_{n \to \infty} S_n =\alpha \)に収束するとする。
n≧2のとき\( a_n = S_n – S_{n-1} \)だから
\(\displaystyle \lim_{n\to \infty} a_n = \lim_{n \to \infty} (S_n – S_{n-1})= \alpha – \alpha = 0 \)
(2) \(\displaystyle a_n =\frac{1}{\sqrt{n} } \)とする。部分和は
\(\displaystyle S_n = 1+\frac{1}{\sqrt{2}}+\frac{1}{\sqrt{3}}+\cdots + \frac{1}{\sqrt{n}} \\ \displaystyle > \frac{1}{\sqrt{n}} + \frac{1}{\sqrt{n}} + \frac{1}{\sqrt{n}} + \cdots + \frac{1}{\sqrt{n}} \\ \displaystyle =\sqrt{n} \)
\(\displaystyle \lim_{n \to \infty} \sqrt{n}=\infty \)より追い出しの原理から \(\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty} a_n \)は発散する。
有名な反例としては\(\displaystyle a_n=\frac{1}{n} \)があり、それでもOKです。調和級数のあの独特の証明方法を使うことになります。今回は証明がより楽な反例を挙げてみました。
答え(3) (1)の対偶をとると次が成り立つ。
「\(\displaystyle \lim_{n \to \infty} a_n \neq 0 \)ならば\(\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty} a_n \)は発散する」
\(\displaystyle \lim_{n \to \infty} \frac{n^2}{1+n^2} =\lim_{n \to \infty} \frac{1}{\frac{1}{n^2}+1}=1\neq 0 \)なので\(\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty} \frac{n^2}{1+n^2} \)は発散する

応用問題

ここまでの応用問題です。なかなか難しいですが挑戦してみてください。

\(\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty} \frac{1}{4^n} \tan{\left( \frac{n\pi }{2}-\frac{\pi}{6} \right)}\)を求めよ。

先に注意しておきますが
nが偶数のとき\(\displaystyle \tan{\left( \frac{n\pi }{2}-\frac{\pi}{6} \right)}=\tan{(-\frac{\pi}{6})}=-\frac{\sqrt{3}}{3} \)
nが奇数のとき\(\displaystyle \tan{\left( \frac{n\pi }{2}-\frac{\pi}{6} \right)}=\tan{\frac{\pi}{3}}=\sqrt{3} \)です。これに注意しましょう。

答え\(\displaystyle a_n=\frac{1}{4^n} \tan{\left( \frac{n\pi }{2}-\frac{\pi}{6} \right)} \)とおくと
nが奇数のとき\(\displaystyle a_{2m-1}=\frac{\sqrt{3}}{4^{2m-1}}=4\sqrt{3} \cdot \frac{1}{16^m} \)
nが偶数のとき\(\displaystyle a_{2m}=-\frac{\sqrt{3}}{3\cdot 4^{2m}}=-\frac{\sqrt{3}}{3}\cdot \frac{1}{16^m} \)
よって部分和を\( S_n \)とする
\(\displaystyle S_{2m}= \sum_{k=1}^{2m} a_k =\sum_{k=1}^m (a_{2k-1}+a_{2k}) \\ =\displaystyle \sum_{k=1}^m (4\sqrt{3} \cdot \frac{1}{16^m} – \frac{\sqrt{3}}{3} \cdot \frac{1}{16^m})
\\ =\displaystyle \sum_{k=1}^m \frac{11\sqrt{3}}{3} \cdot \frac{1}{16^m} \)
つまり初項\(\displaystyle \frac{11\sqrt{3}}{48}\),公比\(\displaystyle \frac{1}{16} \)の無限等比級数だから
\(\displaystyle \lim_{m \to \infty} S_{2m}=\frac{\frac{11\sqrt{3}}{48}}{1-\frac{1}{16}}=\frac{11\sqrt{3}}{45} \)
\(\displaystyle \lim_{m \to \infty} a_{2m}= \lim_{m \to \infty} -\frac{\sqrt{3}}{3}\cdot \frac{1}{16^m}=0 \)なので
\(\displaystyle \lim_{m \to \infty} S_{2m-1}= \lim_{m \to \infty} S_{2m}-a_{2m}=\frac{11\sqrt{3}}{45} \)
よって\(\displaystyle \lim_{m \to \infty} S_{2m}=\lim_{m \to \infty} S_{2m-1} \)なので収束しその値は\(\displaystyle \frac{11\sqrt{3}}{45} \)

\(S_{2m}\)の極限が収束するというだけで結論付けてはいけません。\( S_{2m} \neq S_{2m-1} \)(m→∞)に収束したとしても\( S_n \)が収束したことになりません。なので必ず偶数・奇数の両方を調べましょう。なお偶奇で場合分けするということは(-1)nを使えば場合分けせずに1つの式で書けますからこれを使った別解もあります。

<別解>

答えnが偶数・奇数のどちらの場合でも
\(\displaystyle \tan{\left( \frac{n\pi }{2}-\frac{\pi}{6} \right)}=\frac{\sqrt{3}-(-1)^n \cdot 2\sqrt{3}}{3} \)が成り立つ。
よって
\(\displaystyle \frac{1}{4^n}\tan{\left( \frac{n\pi }{2}-\frac{\pi}{6} \right)}=\frac{\sqrt{3}}{3}\cdot (\frac{1}{4})^n – \frac{2\sqrt{3}}{3} \cdot (-\frac{1}{4})^n \)
第1項も第2項も公比の絶対値が1より小さい等比数列なので各項の等比級数は収束する。よって
\(\displaystyle \lim_{n \to \infty} \sum_{k=1}^n \frac{\sqrt{3}}{3}\cdot (\frac{1}{4})^k – \frac{2\sqrt{3}}{3} \cdot (-\frac{1}{4})^k \\ = \displaystyle \frac{\frac{\sqrt{3}}{12}}{1-\frac{1}{4}}-\frac{-\frac{\sqrt{3}}{6}}{1-(-\frac{1}{4})} \\ =\displaystyle \frac{\sqrt{3}}{9}+\frac{2\sqrt{3}}{15}=\frac{11\sqrt{3}}{45} \)

収束する級数どうしの和は収束することも使っています。なので前提として各項が収束することを述べておく必要があります。等比数列の場合は公比の絶対値が1より小さいといえば収束することがいえましたね。

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