関数の極限の求め方 その4 (eの定義や微分の定義を用いる)

上野竜生です。今回は極限の定義のうちeや微分などの「定義」を使って求めるものを紹介します。

スポンサーリンク

eの定義

eの定義とは次のものです。

\( \displaystyle e=\lim_{n \to \pm \infty} \left(1 + \frac{1}{n} \right)^n = \lim_{h \to 0} (1+h)^{\frac{1}{h}} \)

e≒2.718・・・となる実数です。

特にeを底とする対数を自然対数といい、底を省略して単にlogとだけ書くことがあります。
数IIIでは普通logとかけば自然対数です。(文系の数IIまでしか学習しない人や理科で使う対数は今後も底を省略してlogとかけば常用対数を意味することもあります)

eの定義を用いた例題

次の極限を求めよ。
(1) \(\displaystyle \lim_{n \to \infty} \left( 1-\frac{2}{n} \right)^n \)
(2) \(\displaystyle \lim_{h \to 0} \log{(1+2h)^{\frac{3}{4h}}} \)
答え(1) n=-2mとおく
\(\displaystyle \lim_{m \to -\infty} \left(1+\frac{1}{m} \right)^{-2m} =\lim_{m \to -\infty} \left( \left(1+\frac{1}{m} \right)^{m} \right)^{-2} = e^{-2}=\frac{1}{e^2} \)
(2) k=2hとおく
\(\displaystyle \lim_{k \to 0} \log{(1+k)^{\frac{3}{2k}}} = \lim_{k \to 0} \log{(1+k)^{\frac{1}{k}\cdot \frac{3}{2}}} \\ \displaystyle = \lim_{k \to 0} \frac{3}{2}=\frac{3}{2} \)

loge=1であることに注意が必要です。

微分の定義

ここからは数IIIで習う微分を習っているか、もしくは微分の計算結果を認めることにして読んでみましょう。

微分係数の定義は次の通り。

\( \displaystyle \lim_{x \to a} \frac{f(x)-f(a)}{x-a}=f'(a) \)
\( \displaystyle \lim_{h \to 0} \frac{f(a+h)-f(a)}{h}=f'(a) \)

これを使えば極限が求まることもあります。

微分の定義を用いた例題

次の極限を求めよ。
(1) \(\displaystyle \lim_{x \to \frac{\pi}{2}} \frac{\sin{x}-1}{x-\frac{\pi}{2}} \)
(2) \(\displaystyle \lim_{x \to 0} \frac{e^{2x}-e^{-x}}{x} \)
(3) \(\displaystyle \lim_{x \to \frac{1}{2}} \frac{\log{(2x)}}{\sin{(x-\frac{1}{2})}} \)
答え(1) \(f(x)=\sin{x} \)とおくと\(f'(x)=\cos{x} \)
微分の定義から求める値は
\(\displaystyle \lim_{x\to \frac{\pi}{2}} \frac{f(x)-f(\frac{\pi}{2})}{x-\frac{\pi}{2}}=f'(\frac{\pi}{2})=0 \)
別解
\(\displaystyle t=x-\frac{\pi}{2} \)とおくと求めるものは
\(\displaystyle \lim_{t \to 0} \frac{\sin{(t+\frac{\pi}{2})}-1}{t}=\lim_{t \to 0} \frac{\cos{t}-1}{t} \\ =\displaystyle \lim_{t \to 0} \frac{(\cos{t}-1)(\cos{t}+1)}{t(\cos{t}+1)}\\ \displaystyle =\lim_{t \to 0} – \left( \frac{\sin{t}}{t} \right)^2 \cdot \frac{t}{1+\cos{t}} =-1^2\cdot \frac{0}{2}=0 \)
答え(2) \( f(x)=e^{2x}-e^{-x} \)とおくと\( f(0)=1-1=0 \)
\( f'(x)=2e^{2x}+e^{-x} , f'(0)=2+1=3\)
微分の定義より求めるものは
\(\displaystyle \lim_{x \to 0} \frac{f(x)-f(0)}{x-0}=f'(0)=3 \)
(3) \( f(x)=\log{(2x)} \)とおくと\( f'(x)=\frac{1}{x} \)
微分の定義より
\(\displaystyle \lim_{x \to \frac{1}{2}} \frac{f(x)-f(\frac{1}{2})}{x-\frac{1}{2}}=f'(\frac{1}{2})=2 \)・・・①
よって求めるものは
\(\displaystyle \lim_{x \to \frac{1}{2} } \frac{f(x)-f(\frac{1}{2})}{x-\frac{1}{2}} \cdot \frac{x-\frac{1}{2}}{\sin{(x-\frac{1}{2})}} = 2 \cdot 1=2 \)
別解 ①までは同じ
\( g(x)=\sin{(x-\frac{1}{2})} \)とおくと\( g'(x)=\cos{(x-\frac{1}{2})} \)
\(\displaystyle \lim_{x \to \frac{1}{2}}\frac{g(x)-g(\frac{1}{2})}{x-\frac{1}{2}} =g'(\frac{1}{2})=1 \)
\(\displaystyle \lim_{x\to \frac{1}{2}} \frac{f(x)-f(\frac{1}{2})}{x-\frac{1}{2}} \cdot \frac{x-\frac{1}{2}}{g(x)-g(\frac{1}{2})}=f'(\frac{1}{2})\cdot \frac{1}{g'(\frac{1}{2})}=2 \)
厳密にはsinxの微分がcosxになることを証明するときにこの極限に近いことを使ってるので循環論法な気はしますが分母分子にそれぞれ微分の定義を使えばかなり強力にいろいろな極限が示せそうですね。

定義を使う問題はこれ以外の解法で解くのが難しいことも多いので特殊パターンとなります。

数学はもちろん他の科目も勉強できる「スタディサプリ」なら人気講師の授業動画で、塾にいかなくてもまるで塾にいったかのような勉強ができます。塾と比較すると格安で、しかも無料おためしもできます。当サイトオススメのサイトです。


スタディサプリについて解説したページはこちら
スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする