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上野竜生です。今回は球面と球面の共通部分に関する問題と、球面と平面の共通部分に関する問題を扱います。私立大学など1問の重み(配点)が低い問題をたくさん出題する大学ではよく聞かれます。難関大国公立大学のような1問が高配点の大学ではあまり出題頻度は高くないです。つまりできなくても大失点にはなりにくいのでサクッと説明しちゃいます。

球と球・球と平面の交わり

例題1 球面と球面の交わり

球(x+2)2+(y+4)2+(z+6)2=144・・・①と球(x-1)2+(y-2)2+(z-6)2=81・・・②の交わる円をCとする。
(1) Cを含む平面の方程式を求めよ。
(2) Cの半径と中心を求めよ。

2つの円の交点を通る直線の方程式を求めたときと同様に求められます。つまりf(x,y,z)=0とg(x,y,z)=0で表される図形があったとき
f(x,y,z)+kg(x,y,z)=0で表される図形はfとgの共通部分を含む図形です。
(∵f(x,y,z)=0かつg(x,y,z)=0ならばf(x,y,z)+kg(x,y,z)=0)
あとはx2の係数に着目し「平面」であることからk=-1を代入するという流れです。

答え(1) 2つの交わる部分を含む図形は実数kを用いて
{(x+2)2+(y+4)2+(z+6)2-144}+k{(x-1)2+(y-2)2+(z-6)2-81}=0
と表される。「平面」であることからk=-1を代入する
(x2+4x+4+y2+8y+16+z2+12z+36-144)
-(x2-2x+1+y2-4y+4+z2-12z+36-81)
=6x+3+12y+12+24z-63=0
∴6x+12y+24z=48となるから整理すると
x+2y+4z=8
(2) ①の中心をA,②の中心をB,交わる部分の任意の点をC,求める円の中心をDとする。A,B,Cを通る平面で切断したときの図形は下の通り。球面の交わり部分で切断AC=(①の半径)=12 , BC=(②の半径)=9
AB=(①②の中心間距離)=\( \sqrt{3^2+6^2+12^2}=3\sqrt{1+4+16}=3\sqrt{21}\)
ここからADを求める。
\(\displaystyle \cos{∠CAB}=\frac{12^2+(3\sqrt{21})^2-9^2}{2\cdot 12 \cdot 3\sqrt{21}}=\frac{252}{72\sqrt{21}}\\
=\displaystyle \frac{7}{2\sqrt{21}}=\frac{\sqrt{21}}{6} \)
よって\(\displaystyle AD=AC\cos{∠CAB}=12 \cdot \frac{\sqrt{21}}{6}=2\sqrt{21} \)となるから
AD:BD=2:1
以上より中心の座標はABを2:1に内分する点であるから(0,0,2)
半径は\(\displaystyle CD=\sqrt{AC^2-AD^2}=\sqrt{144-84}=2\sqrt{15} \)
【補足】 先に(2)の座標が求まっていれば平面の方程式を次のように求められます。
求める平面上の点P(X,Y,Z)とすると
\(\vec{AD}\cdot \vec{DP}=0 \)だから
\(\vec{AD}=(2,4,8) , \vec{DP}=(X,Y,Z-2) \)を代入すると
2X+4Y+8(Z-2)=0
整理すると求める方程式はx+2y+4z=8
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例題2 球面と平面の交わり

球(x+2)2+(y+4)2+(z+6)2=144・・・①とする。
(1) ①とxz平面の交わる円の中心と半径を求めよ。
(2) ①と平面x+2y+4z=8の交わる円の中心と半径を求めよ。

(1)はシンプルです。xz平面はy=0のことなのでy=0を代入します。
①にy=0を代入すると(x+2)2+(z+6)2=128
よって中心(-2,0,-6),半径\(8\sqrt{2} \)
(2)はx+2y+4z=8からxを消去して中心を求めるという考えが思い浮かぶと思いますがやってみると楕円の式が出てきて大変です。
また例題1と同様のやり方で何か別の球面を作り出しそれとの交わりに帰着させることもできますがかなり面倒です。
結局発想を切り替えて球の中心から平面にひいた垂線の足を求めればいいのです。その際,法線ベクトルを知っているとかなり有利です。

答え(2) 球の中心(-2,-4,-6)と平面x+2y+4z-8=0の距離dは
\(\displaystyle d=\frac{|-2-8-24-8|}{\sqrt{1^2+2^2+4^2}}=\frac{42}{\sqrt{21}}=2\sqrt{21} \)
円の半径は例題1と同様の考え方で\(\sqrt{12^2-(2\sqrt{21})^2}=2\sqrt{15} \)
中心を求める。x+2y+4z=8の法線ベクトルは(1,2,4)であるからA(-2,-4,-6),求める点をDとすると
\(\vec{OD}=\vec{OA}+\vec{AD}=\vec{OA}+k(1,2,4) \)
\(|AD|=d=2\sqrt{21}\)よりk=2を代入するとD(0,0,2)

法線ベクトルを知らない場合は平面上に3点をとってその面にひいた垂線の足を求めればよいでしょう。

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