上野竜生です。カテナリーの性質をまとめていきます。
カテナリー(懸垂線)とは
カテナリーとは曲線\( \displaystyle y=\frac{e^x+e^{-x}}{2}\)のことです。相加相乗平均の関係よりy≧1はすぐにわかります。グラフは下の通りでパッと見、放物線にも見えます。ですが微妙に異なります。
またヒモの両端を同じ高さまで持ち上げると真ん中が重力の影響で垂れますがこのときのヒモの形がカテナリーと言われています。(大学物理の力学で習うかも)
双曲線関数とは
\( \displaystyle \sinh{x}=\frac{e^x-e^{-x}}{2} , \cosh{x}=\frac{e^x+e^{-x}}{2} \)で定義される関数のことです。それぞれ「ハイパボリックサイン」,「ハイパボリックコサイン」と読みますが長いので「シャイン」「コシャイン」と呼ばれることもあります。
なんとなくサイン,コサイン(三角関数)っぽい名前ですがある程度関連性があります。たとえば三角関数では
\( \cos^2{x}+\sin^2{x}=1 \)ですが,双曲線関数だと
\( \cosh^2{x}-\sinh^2{x}=1\)が成立します。
微分したときの関係も似ています。これらの関係などから置換積分するときにy=sinhxと置換することでうまく計算できる場合などもあります。
性質(面積,回転体の体積,曲線の長さ)
以下\(\displaystyle y=\cosh{x}=\frac{e^x+e^{-x}}{2} \)とx=0,x=a,x軸で囲まれる部分を考える。(a>0)
面積はsinha
[証明]
\(\displaystyle \int_0^a \frac{e^x+e^{-x}}{2} dx \\
=\displaystyle \left[\frac{e^x-e^{-x}}{2} \right]_0^a\\
=\displaystyle \frac{e^a-e^{-a}}{2}=\sinh{a} \)
曲線の長さもsinha
[証明]
\( \displaystyle \int_0^a \sqrt{1+y'^2} dx \\
=\displaystyle \int_0^a \sqrt{1+\left(\frac{e^x-e^{-x}}{2} \right)^2} dx\\
=\displaystyle \int_0^a \sqrt{\frac{e^{2x}+2+e^{-2x}}{4}} dx \\
=\displaystyle \int_0^a \frac{e^x+e^{-x}}{2} dx\\
=\sinh{a} \)
最後の積分は面積の計算のときに行っています。面積と曲線の長さが同じ値になります。
\( y=\sqrt{1+(y')^2} \)
x軸まわりの回転体の体積は\( \frac{\pi}{8}(e^{2a}-e^{-2a}+4a) \)
[証明]
\( \displaystyle \int_0^a \pi y^2 dx \\
\displaystyle =\pi \int_0^a \frac{e^{2x}+2+e^{-2x}}{4} dx \\
\displaystyle =\pi \left[\frac{e^{2x}+4x-e^{-2x}}{8} \right]_0^a\\
\displaystyle = \frac{\pi}{8}(e^{2a}-e^{-2a}+4a)\)
y軸まわりの回転体の体積は2π(asinha-cosha+1)
[証明] バウムクーヘン積分
\(\displaystyle \int_0^a 2\pi x y dx \\
=\displaystyle \pi \int_0^a xe^x+xe^{-x} dx\\
=\displaystyle \pi[xe^x-xe^{-x}]_0^a - \pi \int_0^a e^x-e^{-x} dx\\
=\displaystyle \pi(ae^a-ae^{-a}) - \pi [e^x+e^{-x}]_0^a \\
=\displaystyle \pi(ae^a-ae^{-a})-\pi (e^a+e^{-a}-2) \\
=\pi (ae^a-ae^{-a}-e^a-e^{-a}+2)\\
=2\pi (a\sinh{a}-\cosh{a}+1)\)
解説を読んで数学がわかった「つもり」になりましたか?数学は読んでいるうちはわかったつもりになりますが演習をこなさないと実力になりません。そのためには問題集で問題を解く練習も必要です。オススメの参考書を厳選しました
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≪…ヒモの両端を同じ高さまで持ち上げると真ん中が重力の影響で垂れ…≫の特性は、【数そのモノ】が西洋数学の成果の6つのシェーマ(符号)で再構成できている事を『自然比矩形』に観る。
人類が[重力]の下でのニッチ(形態空間)での[数]の言葉(四則演算)を『自然比矩形』に[指数関数]や[反比例関数]を通し図形の二次元数と辺の直交(ⅰ)を含む一次元数の比が[部分と全体]で[入れ子構造]に生っている。
『自然比矩形』の[ふくらんださんかく]と『自然比矩形』の[へこんだながしかく]は、共に二次元の【1】を呈示しその共通の領域に『つるぎがた』が顕現する。
この『つるぎがた』が、言葉(四則演算)の[エンジン(エネルギー)]と観る。
万人に普遍な【数そのモノ】の[本質]で『つるぎがた』が、[両刃の剣(諸刃の剣)]と生る。
自然数の創生過程は、π+1 と eー1(【e】) の2組の紐(線分)から、『HHNI眺望』で観る。
この原型は、絵本「もろはのつるぎ」(有田川町ウエブライブラリー)