3つの直交する円柱の共通部分の体積

上野竜生です。今回は3つの直交する円柱の共通部分の体積を紹介します。2つのときとほぼ同様ですが計算が大変になることと,それをうまく回避する技も紹介します。もちろん大変な計算も省略せず1つ1つ丁寧に式変形して書いていきますよ。

直交3円柱の共通部分の体積

スポンサーリンク

2つの場合

2つの場合はこちらの記事をご覧ください。問題と結果だけ書きます。

x軸を中心とする半径1の円柱,y軸を中心とする半径1の円柱の共通部分の体積を求めよ。
(式で表現すると x2+y2≦1,y2+z2≦1の共通部分の体積を求めよ)

答え.\(\displaystyle \frac{16}{3} \)

今回考える問題はこちら

x軸を中心とする半径1の円柱,y軸を中心とする半径1の円柱,z軸を中心とする半径1の円柱の共通部分の体積を求めよ。
(式で表現すると x2+y2≦1,y2+z2≦1,z2+x2≦1の共通部分の体積を求めよ)

こうなるとどの軸で切っても同じなのでとりあえずx軸で切断します。

答え対称性よりx≧0の部分だけ計算して2倍すればよい。
x=tで切ったときの断面は次の通り。
・\(\frac{\sqrt{2}}{2} \leq t \leq 1 \)のとき
下の図のような1辺が\(2\sqrt{1-t^2} \)の正方形である。
切り口が正方形※y軸z軸と思ってください(下の図も同様)
よって断面積は\( (2\sqrt{1-t^2})^2=4-4t^2 \)
・\(0\leq t \leq \frac{\sqrt{2}}{2} \)のとき
下の図のような正方形と円の共通部分である。この面積を求めたい。
切り口はやや複雑
図のようにθを定めるとt=sinθとなる。補助線を引くことにより三角形の面積は
\(\frac{1}{2}\sin{\theta}\cos{\theta} \)である。
次に扇形の面積を求める。半径1,中心角\(\frac{\pi}{2}-2\theta \)だから
\(\frac{1}{2} 1^2 \cdot (\frac{\pi}{2}-2\theta ) \)
よって断面積は三角形8つと扇形4つの和であり
\( 8(\frac{1}{2}\sin{\theta}\cos{\theta})+4(\frac{1}{2}  (\frac{\pi}{2}-2\theta ))=4\sin{\theta}\cos{\theta} + \pi -4\theta \)
求める体積をVとするとx≧0の部分の体積は\(\frac{V}{2} \)
\(\displaystyle \frac{V}{2}=\int_{t=0}^{t=\frac{\sqrt{2}}{2}} (4\sin{\theta}\cos{\theta}+\pi – 4\theta)dt + \int_{\frac{\sqrt{2}}{2}}^1 (4-4t^2)dt \)
1つめの積分についてはt=sinθなのでdt=cosθdθ
\(\displaystyle \frac{V}{2}=\int_0^{\frac{\pi}{4}} (4\sin{\theta}\cos{\theta}+\pi – 4\theta)\cos{\theta}d\theta + \left[ 4t-\frac{4}{3}t^3 \right]_{\frac{\sqrt{2}}{2}}^1 \\
=\displaystyle \left[ -\frac{4}{3}\cos^3{\theta}+\pi \sin{\theta} \right]_0^{\frac{\pi}{4}} – \int_0^{\frac{\pi}{4}} 4\theta \cos{\theta}d\theta + \left(\frac{8}{3}-2\sqrt{2}+\frac{\sqrt{2}}{3} \right)\\
=\displaystyle -\frac{4}{3}\cdot \frac{1}{2}\cdot \frac{\sqrt{2}}{2} + \frac{\sqrt{2}}{2}\pi +\frac{4}{3} – \left[ 4\theta \sin{\theta} \right]_0^{\frac{\pi}{4}} + \int_0^{\frac{\pi}{4}} 4\sin{\theta}d\theta + \left( \frac{8}{3}-\frac{5}{3}\sqrt{2} \right) \\
=\displaystyle -\frac{\sqrt{2}}{3} + \frac{\sqrt{2}}{2}\pi +\frac{4}{3} – \frac{\sqrt{2}}{2}\pi – \left[ 4\cos{\theta} \right]_0^{\frac{\pi}{4}} + \frac{8}{3}-\frac{5}{3}\sqrt{2} \\
=4-2\sqrt{2} – (2\sqrt{2}-4) \\
=8-4\sqrt{2} \)
よって\(V=16-8\sqrt{2} \)

ですが実はこの問題はうまく解く方法があります。1度見ておけば万が一出題されたとき超有利です。
その方法ですが求める立体は
・真ん中に1辺が\(\sqrt{2}\)の立方体がある。
・その6面に同じ立体がはりついている。
と考えられるのです。とりあえずそれを認めて体積を計算します。

答え・真ん中の立方体の体積は\((\sqrt{2})^3=2\sqrt{2} \)
・はりついている立体1つの体積は
上の解法で\(\frac{\sqrt{2}}{2} \leq t \leq 1 \)のときの部分の立体。
つまり1辺が\(2\sqrt{1-t^2} \)の正方形で断面積は\( (2\sqrt{1-t^2})^2=4-4t^2 \)
体積は
\(\displaystyle \int_\frac{\sqrt{2}}{2}^1 (4-4t^2)dt = \frac{8}{3}-\frac{5}{3}\sqrt{2} \)
(詳しくは上の積分計算の右のほうの項だけたどってください)
よって求める体積は
\( 2\sqrt{2} + 6(\frac{8}{3}-\frac{5}{3}\sqrt{2}) =16-8\sqrt{2} \)

と簡単に求まるのです。積分するのも正方形の中に円が重なった変なほうは消えて簡単なほうだけ残りましたね。
これを知っているとかなり差がつきます。

では途中で認めた部分を証明しましょう。
x2+y2≦1,y2+z2≦1,z2+x2≦1 ・・・☆を満たすかについて考えます。
\(x^2 , y^2, z^2 \)のうち3つすべて\(\frac{1}{2} \)より大きいときは絶対に☆を満たしません。
\(x^2 , y^2, z^2 \)のうち2つが\(\frac{1}{2} \)より大きいときも絶対に☆を満たしません。なぜなら大きい2つどうしの和が1を超えてしまうからです。
\(x^2 , y^2, z^2 \)のうち1つだけが\(\frac{1}{2} \)より大きいときは☆を満たすときと満たさないときがあります。たとえば(x2,y2,z2)=(0.1,0.1,0.8)なら☆を満たしますが(x2,y2,z2)=(0.3,0.3,0.8)などは満たしません。
\(x^2 , y^2, z^2 \)のうち0個が\(\frac{1}{2} \)より大きいときは絶対に☆を満たします。つまり\(-\frac{\sqrt{2}}{2} \leq x \leq \frac{\sqrt{2}}{2} , -\frac{\sqrt{2}}{2} \leq y \leq \frac{\sqrt{2}}{2} , -\frac{\sqrt{2}}{2} \leq z \leq \frac{\sqrt{2}}{2} \)の立方体部分は☆の条件を満たします。
さて,1つだけが大きいときには6通りあります。
・\(x \geq \frac{\sqrt{2}}{2} \)のとき
・\(x \leq -\frac{\sqrt{2}}{2} \)のとき
・\(y \geq \frac{\sqrt{2}}{2} \)のとき
・\(y \leq -\frac{\sqrt{2}}{2} \)のとき
・\(z \geq \frac{\sqrt{2}}{2} \)のとき
・\(z \leq -\frac{\sqrt{2}}{2} \)のとき
対称性から6つの体積は等しいので1つだけ求めて6倍すればOKです。先ほどの解答では\(x \geq \frac{\sqrt{2}}{2} \)のときだけを求めていたというわけです。

いかがでしたか?最初はひらめくはずないのでめんどくさい計算で解くと思いますが知っていれば楽な方法が使えます。積分で体積を求める問題が試験範囲に入ってる人は是非知っておいてくださいね。

数学はもちろん他の科目も勉強できる「スタディサプリ」なら人気講師の授業動画で、塾にいかなくてもまるで塾にいったかのような勉強ができます。塾と比較すると格安で、しかも無料おためしもできます。当サイトオススメのサイトです。


スタディサプリについて解説したページはこちら
スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする