上野竜生です。ベクトルの問題は超難問を除いて基本的には2パターンしかありません。
パターン2:内積を用いる。
基本的にパターン1で終わることはありませんが,垂直条件などがない場合,パターン1であることも多いです。
パターン1の例題:
この問題には垂直条件が隠れていませんのでただ計算するだけになります。
\(\displaystyle \vec{OC}=\frac{2}{3}\vec{b} \)
\(\displaystyle \vec{OD}=\frac{1}{2}\vec{a}+\frac{1}{2}\vec{b} \)
よって\(\displaystyle \vec{CD}=\vec{OD}-\vec{OC}=\frac{1}{2}\vec{a}-\frac{1}{6}\vec{b}\)
\(\displaystyle \vec{OP}=\vec{OC}+k\vec{CD}=\frac{k}{2}\vec{a}+\left(-\frac{k}{6}+ \frac{2}{3}\right)\vec{b}\)
PはOA上にあるから\( \vec{b} \)の係数は0,つまりk=4
よって\( \vec{OP}=2\vec{a} \)
このような感じで係数をただ計算するだけ,成分をただ計算するだけで終わります。複雑なことは考えないようにしましょう。特にベクトルで割り算は絶対にしてはいけません。そもそもベクトルで割るということができないのでそれをした瞬間不正解が確定します。絶対に点はもらえません。
パターン2の例
内積を正しく計算する必要があります。内積の記号は「・」です。
解答
\( \vec{OP’}=s\vec{OA}+t\vec{OB} \)とおく。
PとP’の中点はOA上にあるので
\(\displaystyle \frac{\vec{OP}+\vec{OP’}}{2}=\frac{3s+1}{6}\vec{OA}+\frac{3t+2}{6}\vec{OB} \)の\(\vec{OB}\)の係数は0
よって\(\displaystyle t=-\frac{2}{3} \)
PP’とOAは垂直に交わるから\( \vec{PP’} \cdot \vec{OA} =0\)
\(\displaystyle \vec{PP’}=\left(s-\frac{1}{3}\right)\vec{OA}-\frac{4}{3}\vec{OB} \)
\(\displaystyle \begin{eqnarray}
\vec{PP’}\cdot \vec{OA}&=&\left(s-\frac{1}{3}\right)|\vec{OA}|^2 – \frac{4}{3}\vec{OA}\cdot \vec{OB}\\
&=& 4\left(s-\frac{1}{3}\right)+\frac{8}{3}=0 \end{eqnarray}\)
これを解くと\(\displaystyle s=-\frac{1}{3}\)
よって\(\displaystyle \vec{OP’}=-\frac{1}{3}\vec{OA}-\frac{2}{3}\vec{OB} \)
正直言ってOA,OBの長さと内積がわかればその三角形はただ1つに定まります。なので必ずしもベクトルの解法でないといけないわけではありません。
応用問題2パターン
ベクトル分野の応用問題2パターンはズバリ↓の問題でしょう。
(1) △ABCの面積を求めよ。
(2) 四面体ABCDの体積を求めよ。
(1)について,三辺の長さを求めて余弦定理で出すこともできます。しかしこの方法は大体,とても計算が汚くなります。このとき活躍する公式が次の式です。
$$ \frac{1}{2} \sqrt{|\vec{AB}|^2 |\vec{AC}|^2 – (\vec{AB} \cdot \vec{AC})^2} $$
これを使って計算すれば楽にできます。
(2)については3次正方行列の行列式を用いるときれいに解けます。文系でも検算用に知っておいて欲しいレベルです。
4点(0,0,0),(a,b,c),(d,e,f),(g,h,i)を頂点とする四面体の体積は\( \displaystyle \frac{1}{6} \left| det \left(
\begin{array}{ccc}
a & d & g \\
b& e & h \\
c& f & i
\end{array}
\right) \right| \)
この計算方法は数検1級の行列式のページで紹介しています。
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