パスカルの三角形

上野竜生です。掛け算の九九の表にはいろんな性質がありましたね。今回はパスカルの三角形を勉強します。これにもたくさんの性質があって面白いですよ。

パスカルの三角形

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(x+y)nの計算

課題:n=0からn=6までについて(x+y)nを計算してみよう!(すぐに結果を載せるので読者さんは実際に計算しなくていいです)

という課題が初見で出たら実際に展開するのが普通でしょう。ということで頑張って計算してみました。

n=0 1
n=1 x+y
n=2 x2+2xy+y2
n=3 x3+3x2y+3xy2+y3
n=4 x4+4x3y+6x2y2+4xy3+y4
n=5 x5+5x4y+10x3y2+10x2y3+5xy4+y5
n=6 x6+6x5y+15x4y2+20x3y3+15x2y4+6xy5+y6

やってやれなくはないのですがすごく大変です。今回のようにn=1,2,3,4,5,6・・・と順番に全部求めるのなら地道にするしかないかもしれませんがもししばらく経ってから突然

(x+y)6を展開せよ

と言われたら6乗だけ求めればいいのにまた2乗3乗・・・と計算する必要があります。

ということでこれらの結果はすぐ導けるように暗記しようと思います。

特徴を掴んで暗記しよう

先ほどの表を暗記しろ!と言われたらどうしますか?ある程度数学の知識があったり展開してみた人は

・xnから始まりynで終わる

・項が1つ右に進むごとにxの指数が1ずつ減り,yの指数が1ずつ増える

このぐらいはわかったでしょう。つまり1度計算すればしばらく経っても次の表ぐらいまでは復元できるでしょう。

n=0 1
n=1 x+y
n=2 x2+xy+y2
n=3 x3+x2y+xy2+y3
n=4 x4+x3y+x2y2+xy3+y4
n=5 x5+x4y+x3y2+x2y3+xy4+y5
n=6 x6+x5y+x4y2+x3y3+x2y4+xy5+y6

あとは係数だけ覚えればいいのです。ということで次だけ覚えればいいのです。

1
1 1
1 2 1
1 3 3 1
1 4 6 4 1
1 5 10 10 5 1
1 6 15 20 15 6 1

「この数字が三角形状に並んだ表」をパスカルの三角形といいます。そしてこれにはいろいろな性質があります。

性質1 コンビネーションと相性がいい

n個の中からk個を選ぶやり方はnCk通りです。nCkを表す式は下の通りです。

\(\displaystyle {}_{n}C_{k}=\frac{n!}{k!(n-k)!} \)

(n!=1からnまでの積=1×2×3×・・・×n,0!=1)

これを使うとさきほどのパスカルの三角形は次のように書けます

0C0
1C0 1C1
2C0 2C1 2C2
3C0 3C1 3C2 3C3
4C0 4C1 4C2 4C3 4C4
5C0 5C1 5C2 5C3 5C4 5C5
6C0 6C1 6C2 6C3 6C4 6C5 6C6

性質2 nCr+nCr+1=n+1Cr+1

これはパスカルの三角形の図で覚えるとわかりやすいでしょう。

パスカルの三角形の性質2

証明はコンビネーションの定義に戻ればOKです。

\( (左辺)={}_{n}C_{r}+{}_{n}C_{r+1}\\
=\displaystyle \frac{n!}{r!(n-r)!}+\frac{n!}{(r+1)!(n-r-1)!}\\
=\displaystyle \frac{n!(r+1)+n!(n-r)}{(r+1)!(n-r)!}\\
=\displaystyle \frac{n!(n+1)}{(r+1)!(n-r)!}\\
=\displaystyle \frac{(n+1)!}{(r+1)!\{(n+1)-(r+1)\}!}\\
={}_{n+1}C_{r+1}=(右辺)\)

性質3 nC0nC1+nC2+・・・+nCn=2n

これは性質そのものを暗記ではなく証明を暗記するべきです

証明は二項定理に値を代入するだけです。

[証明] 二項定理より

(x+y)n
=nC0xny0+nC1xn-1y1+nC2xn-2y2+・・・+nCnx0yn

これにx=1,y=1を代入すると求める式を得る。

最後何を代入するかで無限個の等式が得られるため証明を覚えるべきなのです。つまり

nC0+nC1・21nC2・22+・・・+nCn・2n=3n

なども証明を覚えていれば簡単に導き出せますね(x=1,y=2を代入するだけ)

ここまでは基礎です。ここからは少しレベルの高い性質を紹介します。

性質4:rnCr=nn-1Cr-1

[証明]

\( \displaystyle r{}_nC_{r}=\frac{rn!}{r!(n-r)!}\\
=\displaystyle \frac{n!}{(r-1)!(n-r)!}\\
=\displaystyle \frac{n(n-1)!}{(r-1)!(n-r)!}\\
=n{}_{n-1}C_{r-1}\)

この性質は次の性質4’を示すときに使います。

性質4’ pが素数で1≦r≦p-1のときpCrはpの倍数

[証明]性質4よりrpCr=pp-1Cr-1

右辺はpの倍数だから左辺もpの倍数。

pは素数かつ1≦r≦p-1よりpとrは互いに素だからpCrがpの倍数

性質5 rCr+r+1Cr+r+2Cr+・・・+nCr=n+1Cr+1

証明は厳密にはrに関する帰納法(r=nのときの成立とr=kで成立するならばr=k+1でも成立)を使うことになります。ですがアイデアだけ説明すれば理解できると思います。

まず最初の項はrCr=1=r+1Cr+1であることに注意します。

r+1Cr+1+r+1Cr+r+2Cr+・・・+nCr

あとは最初の2項に性質2が使える形となるので性質2を使います。

r+2Cr+1+r+2Cr+・・・+nCr

するとまた最初の2項に性質2が使える形となります。以下繰り返し性質2を使うと最終的には右辺のみが残ります。

性質6(マニアック) nC02+nC12+…+nCn2=2nCn

これは超難しいです。簡単に証明しますが次の[証明]で理解できなければ性質6は無視してもいいでしょう。

[証明]

(x+1)n(1+x)n=(x+1)2nを展開し,xnの係数を比較する。

(左辺)=(nC0xn+nC1xn-1+nC2xn-2+・・・+nCn)(nC0+nC1x+nC2x2+・・・+nCnxn)

より展開したときのxnの係数は示すべき式の左辺になる。

(右辺)を展開したときのxnの係数は明らかに2nCn

よって求める式が得られる。

普通の受験生なら性質3まで,数学を武器にするなら性質5まで,特色入試レベルなら性質6まで知っておきましょう。

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