内積の定義

上野竜生です。今回は内積の定義や基本事項を確認したいと思います。

内積の定義

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内積の定義

なす角θを用いた定義

\(\vec{OA}\)と\(\vec{OB} \)のなす角(∠AOB)をθとする。このとき\(\vec{OA}\)と\(\vec{OB} \)の内積\(\vec{OA}\cdot \vec{OB} \)は
\(\vec{OA} \cdot \vec{OB}=|\vec{OA}||\vec{OB}|\cos{\theta} \)である。

成分での定義

平面ベクトルのとき

\(\vec{OA}=(x_1,y_1) , \vec{OB}=(x_2,y_2) \)とする。このとき内積は
\(\vec{OA}\cdot \vec{OB}=x_1 x_2+y_1 y_2 \)

空間ベクトルのとき

\(\vec{OA}=(x_1,y_1,z_1) , \vec{OB}=(x_2,y_2,z_2) \)とする。このとき内積は
\(\vec{OA}\cdot \vec{OB}=x_1 x_2+y_1 y_2 + z_1 z_2 \)

【注】 1. どちらの定義でも\(\vec{OA}=\vec{0} \)または\(\vec{OB}=\vec{0} \)のときは\(\vec{OA}\cdot \vec{OB}=0 \)と定める。
2. 間の「・」は省略不可。×ではダメ(意味が違う)
3. ベクトルとベクトルの内積は実数になる。つまりベクトルではないことに注意。

さて,この2つの定義が同値であることを確かめておきましょう。空間の場合だけやれば平面も同様なので空間ベクトルのほうだけ示します。
余弦定理より
\(\displaystyle \cos{\theta}=\frac{|\vec{OA}|^2+|\vec{OB}|^2-|\vec{AB}|^2}{2|\vec{OA}||\vec{OB}|} \)なので
\(\displaystyle \frac{1}{2} \left(|\vec{OA}|^2+|\vec{OB}|^2-|\vec{AB}|^2 \right)=x_1 x_2+y_1 y_2+z_1 z_2 \)を示せばよい。
(左辺)=
\(\displaystyle \frac{1}{2} \left\{x_1^2+y_1^2+z_1^2+x_2^2+y_2^2+z_2^2 – (x_2-x_1)^2-(y_2-y_1)^2-(z_2-z_1)^2 \right\}\\
=x_1 x_2+y_1 y_2+z_1 z_2\)
=(右辺)
よって2つの定義は同値である。

重要な性質

内積には次の性質がある。(いずれも2つの定義のどちらかを使えば自明だと思います。)
1. \(\vec{a} \cdot \vec{a}=|\vec{a}|^2 \)
2. \(\vec{a}\cdot \vec{b} = \vec{b} \cdot \vec{a} \)
3. \(\vec{a} \cdot (\vec{b}+\vec{c})=\vec{a} \cdot \vec{b} + \vec{a}\cdot \vec{c} \)
4. \( (k\vec{a})\cdot \vec{b}= \vec{a} \cdot (k\vec{b}) = k (\vec{a}\cdot \vec{b}) \)

それではいくつか簡単な例題を解きましょう!

例題1

O(0,0,0) , A(2,2,1) , B(0,1,1)とするとき∠AOBは何度か?
答え\(\vec{OA}=(2,2,1) , \vec{OB}=(0,1,1) \)とすると
\(|\vec{OA}|^2=\vec{OA}\cdot \vec{OA}=2^2+2^2+1^2=4+4+1=9 \)
\(|\vec{OA}|\geq 0 \)より\(|\vec{OA}|=3 \)
\(|\vec{OB}|^2=\vec{OB}\cdot \vec{OB}=0^2+1^2+1^2=2 \)
\(|\vec{OB}|\geq 0 \)より\(|\vec{OB}|=\sqrt{2} \)
\(\vec{OA} \cdot \vec{OB}=2\cdot 0 + 2\cdot 1 +1\cdot 1=3 \)
ここで∠AOB=θとすると内積の定義から
\(\vec{OA}\cdot \vec{OB}=3 \cdot \sqrt{2} \cos{\theta}=3 \)となるので\(\cos{\theta}=\frac{1}{\sqrt{2}}\)
よってθ=45度
長い記述ですが慣れてくると次のように簡潔に記述できます。
\(|\vec{OA}|=3 , |\vec{OB}|=\sqrt{2} , \vec{OA}\cdot \vec{OB}=3 \)である。
∠AOB=θとおくと\(\vec{OA} \cdot \vec{OB}=3\sqrt{2}\cos{\theta}=3 \)だから\(\cos{\theta}=\frac{1}{\sqrt{2}}\)
よってθ=45度

例題2

\(|\vec{OA}|=4 , |\vec{OB}|=3 , \vec{OA}\cdot \vec{OB}=-10 \)とする。
(1) \(|\vec{OA}+2\vec{OB}|\)の大きさを求めよ。
(2) \(\vec{OA}\cdot (\vec{OA}+k\vec{OB})=0 \)となるようなkの値を求めよ。
答え(1) \(|\vec{OA}+2\vec{OB}|^2 =(\vec{OA}+2\vec{OB})\cdot (\vec{OA}+2\vec{OB})\\
=|\vec{OA}|^2+4\vec{OA}\cdot \vec{OB} + 4|\vec{OB}|^2\\
=16-40+36=12\)
よって\(|\vec{OA}+2\vec{OB}|=2\sqrt{3}\)
(2) \(\vec{OA}\cdot (\vec{OA}+k\vec{OB})=\ |\vec{OA}|^2 + k \vec{OA}\cdot \vec{OB}=16-10k=0 \)
よって\(\displaystyle k=\frac{8}{5} \)

このようにベクトルの大きさを求めるときは2乗したものを計算してからルートをつけること、内積の展開はほとんど通常の式と同様の計算ができること(細かい部分に注意。大きさになったり内積だったりの細かいところはしっかり演習を積んで慣れておきましょう)がとても重要でこれから当たり前のように出てきますよ。
そして一度kの式で表せてしまえばそこからはベクトル関係なしのただの方程式であることにも注意しておきたいところです。

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