被積分関数が絶対値付きの定積分

上野竜生です。絶対値がついた積分を計算する問題はたまに出ますが勘違いしている人も多いようなので正しい計算方法を紹介します。

絶対値の積分

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まずは絶対値を外すこと

∫|f(x)|dxを計算するときまずはy=|f(x)|のグラフを書くか,頭の中でイメージします。

y=|f(x)|のグラフを書くにはy=f(x)のグラフをかき,y≦0の部分をx軸で折り返したグラフになります。

どこで折り返すか調べるためにf(x)=0を解いておく必要があります。

このf(x)=0となるxのところで場合分けをします。

ここまでは割とできる人が多いです。

そして各場合で計算し,最後にそれらを足す必要があります。

もともと積分は面積の足し算のイメージなので場合分けした各答えを最後の答えにするのではなくそれらの合計を答えなくてはいけません。

<鉄則>絶対値のついた積分では

絶対値のついた関数のグラフをイメージし,積分は面積と考える

例題1:文字がない単純な計算

例題1:定積分\( \displaystyle \int_0^3 |x^3-4x| dx \)を計算せよ。

f(x)=0の解はx=0,±2 0から3までの積分なのでx=2の前後だけ気を付けましょう。

例題1参考図

答え\( \displaystyle \int_0^3 |x^3-4x|dx\\
=\displaystyle \int_0^2 -(x^3-4x) dx+\int_2^3 (x^3-4x)dx \\
=\displaystyle \left[-\frac14 x^4+2x^2\right]_0^2 + \left[\frac14 x^4-2x^2\right]_2^3\\
=\displaystyle -4+8+\frac{81}{4}-18-4+8\\
=\displaystyle \frac{81}{4}-10\\
=\displaystyle \frac{41}{4}\)

初心者がよくやる誤答がx≦2のとき4,2≦x≦3のとき\( \frac{25}{4} \)とする答えです。

求めるのはxが0から3までの和であり,0から2までの和が4,2から3までの和が\( \frac{25}{4} \)なので場合分けを答えにするのではなく最後に足さなければいけないことがわかりますね

場合分けが多いとき

今の例題ではx=2でのみ場合分けなのでそれほど苦労しませんがもっとたくさん場合分けがあるときや,f(x)が多項式でなく複雑な時は計算ミスを減らす工夫をしたいところです。

このようなときは不定積分の1つを求めておくことも有効です。

F(x)=∫f(x)dxとすると(積分定数は何でもいいので1つ固定する)∫|f(x)|dxはF(x)または-F(x)にしかならないので書く量を減らすことができますし,マイナスの計算の回数も減りケアレスミスを減らすことができます。

例題1を工夫して解くと次のような感じです。

答え\(\displaystyle \int x^3-4x dx=\frac14 x^4- 2x^2+C\)より

\(\displaystyle F(x)=\frac{1}{4} x^4-2x^2\)とおく。すると

\(\displaystyle \int_0^3 |x^3-4x|dx \\
=\displaystyle -\int_0^2 x^3-4x dx + \int_2^3 x^3-4x dx\\
=-(F(2)-F(0))+F(3)-F(2)\\
=F(0)+F(3)-2F(2)\)

F(0)=0 , F(2)=-4 , F(3)=\(\frac94\)より

\( 0+\frac94+8=\frac{41}{4} \)

例題2:文字がある定積分

文字がどこにあるかで難易度は変わります。被積分関数f(x)に文字がなく,積分区間にあるのであればy=|f(x)|のグラフは固定されているのでさほど難しくないでしょう。(ちなみに文字がある定積分では場合分けしたものを答えとします。詳しくは例題2で解説します)

問題はf(x)に文字があるとグラフの形が変わるので大変です。例題2を見てみましょう。

例題2:\( \displaystyle \int_0^1 |x^2-a|dx \)を計算せよ。

aをいろいろ変化させて考えるとa≦0ではx2-a≧0なので折り返す必要がありません。

a>0のときx=±√aで折り返すことになります。この√aが積分区間のx=1より左か右かでさらに場合分けが必要になります。

答えa≦0のとき

\( \displaystyle \int_0^1 x^2-a dx=\left[\frac13x^3-ax\right]_0^1=\frac13-a\)

0<a<1のとき
例題2 参考図

\( \displaystyle \int_0^{\sqrt{a}} a-x^2 dx + \int_{\sqrt{a}}^1 x^2-a dx\\
=\displaystyle \left[ax-\frac13 x^3\right]_0^{\sqrt{a}} + \left[\frac13 x^3-ax\right]_{\sqrt{a}}^1 \\
=\displaystyle a\sqrt{a}-\frac13 a\sqrt{a}+\frac13-a-\frac13 a\sqrt{a}+a\sqrt{a}\\
=\displaystyle \frac43 a\sqrt{a}+\frac13 -a\)

a≧1のとき

\( \displaystyle \int_0^1 a-x^2 dx=\left[ax-\frac13x^3\right]_0^1=a-\frac13 \)

0<a<1の場合が最も大変で,積分区間0→1を0→√aと√a→1の和で考えます。

xでの積分であり,aはただの定数なのでaで場合分けした結果の合計を計算するのではなく場合分けした各答えを最終的な答えにします。

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