上野竜生です。線形常微分方程式の解法について紹介します。
まずは最もシンプルな場合です。yをxで微分したものをy' ,2回微分したものをy'' ,3回微分したものをy'''・・・,n回微分したものを y^{(n)} と書くことにします。
つまり,右辺は0,左辺はy,y',y'',y'''などの和やそのスカラー倍のみで書かれているものの場合
まず「y」に1を,「y'」にλを,「y''」に \lambda^2 を,・・・「 y^{(n)}」に \lambda^n を代入してできる方程式を解きます。その解をλ1,λ2,・・・,λnとします。
λの解に重解がないとき, y=C_1 e^{\lambda_1 x}+C_2 e^{\lambda_2 x} + \ldots + C_n e^{\lambda_n x} が常微分方程式の解になります。(C_1,C_2,\cdots ,C_nは任意定数)
λの解に重解があるとき,例えば λ_1 が重複度kの重解のときは e^{\lambda_1 x}の係数が C_1ではなく (C_{1,1}+C_{1,2}x+\cdots +C_{1,k}x^{k-1}) という風にk-1次式になります。(C_{1,1},\cdots ,C_{1,n},\cdots , C_{n,n}は任意定数)
例題
(1) y'=2y
(2) y''''-2y'''-y''+2y'=0
(3) y''''-5y'''+9y''-7y'+2y=0
(4) y''+y=0
任意定数がC1,C2だったりA,B・・・だったりしますが特に意味はありません(見やすくするためです)
(1)右辺を移項するとy'-2y=0となるのでこれは線形常微分方程式です。
方程式はλ=2なので y=Ce^{2x} が解となります。
(2) \lambda^4-2\lambda^3-\lambda^2+2\lambda=(\lambda+1)\lambda(\lambda-1)(\lambda-2) なので
この解はλ=-1,0,1,2となりもとの微分方程式の解は
y=C_1 e^{-x} + C_2 e^{0x} +C_3e^{1x}+C_4e^{2x} \\ =C_1 e^{-x} +C_2+C_3 e^x + C_4 e^{2x}
と求まります。
(3) \lambda^4-5\lambda^3+9\lambda^2-7\lambda+2=(\lambda-1)^3(\lambda-2)なので
この解はλ=1(3重解),2です。よってもとの微分方程式の解は
y=[ ? ] e^x + C_2 e^{2x} の形になり,3重解なので[ ? ]は2次式になります。よって
y= (A+Bx+Cx^2)e^x+De^{2x} が解です。
(4) \lambda^2+1=0 の解はλ=±i
よってもとの微分方程式の解は
y=C_1e^{ix}+C_2e^{-ix}
複素数も含めればこれでOKですがさらに計算することができます。
y=C_1(\cos{x}+i\sin{x})+C_2(\cos{x}-i\sin{x})
C_1,C_2 は定数(複素数かもしれない)のでさらに実数値関数になるように整理します。すると
y=A\cos{x}+B\sin{x} と書くこともできます。
右辺が0でない場合
右辺が0でない場合もまずは右辺が0だと思って解き,その解を求めます。
さらに(左辺)=(右辺)の方程式の解をなんでもいいので1つ見つけてきます。
その2つの答えを足したものが解となります。
例題
(1) y''-4y=12
(2) y''-4y= e^{x}
(3) y''-4y= e^{2x}
(1)~(3)ともにy''-4y=0の解 y=Ae^{2x}+Be^{-2x} までは見つけたものとします。
(1)なんでもいいのでy''-4y=12を満たすものを探します。意外とすぐにy=-3が見つかります。(基本的に右辺が多項式の場合,答えも多項式だと思えばいいです)よって答えは
y=Ae^{2x}+Be^{-2x}-3 となります。
(2) y=Ce^{x} が答えになりそう・・・と予想はできます。実際に左辺に代入すると C=-\frac{1}{3} となるので答えは y=Ae^{2x}+Be^{-2x}-\frac{1}{3}e^x となります。
(3) y=De^{2x} が答えになりそう・・・と予想できますが先ほどと違い,うまくいきません。なぜなら De^{2x} はすでに(右辺)=0の場合の解になってしまっているからです。まるで重解をもっているようです。そこで y=Dxe^{2x} が答えになりそう・・・と予想します。これを左辺に代入すると
D(4+4x)e^{2x}-4Dxe^{2x}=4De^{2x}=e^{2x}となりD=\frac{1}{4} がわかります。よって答えは y=(A+\frac{1}{4}x)e^{2x}+Be^{-2x} となります。
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