当サイトは、PRを含む場合があります。

上野竜生です。大学で微分積分を習いますがその中で積分に関する重要事項をまとめました。

大学で習う積分 重要事項

変数変換

これは超重要すぎるので別記事(多変数の積分ヤコビアンの記事)にまとめました。

広告

順序交換

積分区間の中で有界な連続関数の積分ではx→yの順に積分してもy→xの順に積分しても良い。

面積・体積

領域Dの面積は\(\displaystyle \iint_D dxdy\)

領域Dの体積は\(\displaystyle \iiint_D dxdydz \)

D上の曲面z=f(x,y)とxy平面とDで囲まれる部分の体積は\(\displaystyle \iint_D f(x,y) dxdy \)

例題
\( D=\{ (x,y,z) | x^2+(y+z)^2 \leq 4 , 0 \leq y \leq 1 \} \)とする。Dの体積を求めよ。

公式に当てはめるだけですがそのあとの積分が難しそうです。yの範囲がはっきりしてるので最後にyで積分するとしてx,zのうちあとで積分するほうの積分区間がやや難です。(y+z)2があるのでyとzはなるべく近くで積分することにし,x→z→yの順に積分します。

答え\( \displaystyle \iiint_D dxdydz \\
=\displaystyle \iiint_{\{(x,y,z)|x^2+(y+z)^2\leq 4 , 0\leq y \leq 1\}} dxdydz \\
=\displaystyle \int_0^1 \int_{-2-y}^{2-y} \int_{-\sqrt{4-(y+z)^2}}^{\sqrt{4-(y+z)^2}} dx dz dy \\
=\displaystyle \int_0^1 \int_{-2-y}^{2-y} 2\sqrt{4-(y+z)^2}dzdy \)
(↓に続く)

x2+(y+z)2≦4をxについて解けばxの範囲が出てきます。zの範囲に当たるものがなさそうですがx2+(y+z)2≦4から少なくとも-2≦y+z≦2という制約はあるので,これをzについて解いたものを積分区間とします。

 

さて,ここからはzの積分を考えます。y+z=2sinθとなるように置換すれば計算できそうです。

答えここでz=-y+2sinθと置換すると

\( \displaystyle \int_{-2-y}^{2-y} 2\sqrt{4-(y+z)^2}dz \\
=\displaystyle \int_{-\frac{\pi}{2}}^{\frac{\pi}{2}} 2\sqrt{4-4\sin^2{\theta}}\cdot 2\cos{\theta}d\theta \\
=\displaystyle \int_{-\frac{\pi}{2}}^{\frac{\pi}{2}} 8\cos^2{\theta} d\theta\\
=\displaystyle \int_{-\frac{\pi}{2}}^{\frac{\pi}{2}} (4\cos{2\theta}+4) d\theta\\
=\displaystyle \left[2\sin{2\theta}+4\theta\right]_{-\frac{\pi}{2}}^{\frac{\pi}{2}}\\
=4\pi\)

となるので元の積分に代入すると

\(\displaystyle \int_0^1 4\pi dy=4\pi \)

よってDの体積は4π

広告

表面積

(1) 曲面z=f(x,y)の領域Dにおける部分の表面積は
\( \displaystyle \iint_D \sqrt{1+\left(\frac{\partial f}{\partial x}\right)^2+\left(\frac{\partial f}{\partial y}\right)^2} dx dy\)

(2)媒介変数u,vを用いてp=(x(u,v),y(u,v),z(u,v)), a≦u≦b , c≦v≦dと表される曲面の表面積は
\( \displaystyle \int_c^d \int_a^b \left|  \frac{\partial \vec{p}}{\partial u} \times    \frac{\partial \vec{p}}{\partial v} \right|dudv \)

ちなみにdp/duというのは各成分をuで偏微分したものです。ベクトルの×は外積です。


\( \displaystyle \begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} x =\sin{\theta}\cos{\phi} \\ y=\sin{\theta}\sin{\phi} \\ z=\cos{\theta} \end{array} \right.\end{eqnarray} (0\leq \theta \leq \pi , 0 \leq \phi \leq 2\pi) \)で表される曲面の面積を求める。明らかに半径1の球面だから表面積は4πになるはず。これを定義通り計算する。

\( \displaystyle \int_0^{2\pi} \int_0^{\pi} \left|  \frac{\partial \vec{p}}{\partial \theta} \times    \frac{\partial \vec{p}}{\partial \phi} \right|d\theta d\phi \\
=\displaystyle \int_0^{2\pi} \int_0^{\pi} \left|  \left( \begin{array}{c} \cos{\theta}\cos{\phi} \\  \cos{\theta}\sin{\phi} \\ -\sin{\theta}   \end{array} \right) \times  \left( \begin{array}{c} -\sin{\theta}\sin{\phi} \\ \sin{\theta}\cos{\phi} \\ 0 \end{array} \right)   \right|d\theta d\phi \\
\displaystyle = \int_0^{2\pi} \int_0^{\pi} \left|  \left( \begin{array}{c} \sin^2{\theta}\cos{\phi} \\ \sin^2{\theta}\sin{\phi} \\ \sin{\theta}\cos{\theta} \end{array} \right) \right|d\theta d\phi \\
=\displaystyle \int_0^{2\pi} \int_0^{\pi} \sin{\theta} d\theta d\phi \\
=\displaystyle \int_0^{2\pi} 2 d\phi \\
=4\pi\)

となり一致しました。

重心

領域Dの密度をρとする。(普通、試験問題ではρは定数だが,理論的にはx,y,zの関数でも可)このときのDの質量は

\(\displaystyle \iiint_D \rho dxdydz \)

であり,重心のx座標は

\(\displaystyle \frac{\iiint_D x\rho dxdydz}{\iiint_D \rho dxdydz}\)

(y座標やz座標も同様)

例題
半円\( x^2+y^2 \leq 1 , y\geq 0 \)の重心の座標を求めよ。密度は一定とする。

答え密度が一定なのでρは省略する。(分母分子約分されるだけなので)

y軸について対称だから重心のx座標は明らかに0(定義通り実際に計算しても良いが時間の無駄)

y座標を計算すればよい。重心のy座標は

\( \displaystyle \frac{\iint_D y dxdy}{\iint_D dxdy} \)

分母は半円の面積に等しく\( \frac{1}{2}\pi \)

分子を計算する。

\(\displaystyle \iint_D y dx dy\\
\displaystyle =\int_{0}^{1} \int_{-\sqrt{1-y^2}}^{\sqrt{1-y^2}}ydxdy \\
\displaystyle =\int_0^1 2y\sqrt{1-y^2}dy \\
\displaystyle = \left[ -\frac{2}{3}(1-y^2)^{\frac{3}{2}} \right]_0^1 \\
=\displaystyle \frac{2}{3} \)

よって重心のy座標は\( \displaystyle \frac{\frac{2}{3}}{\frac{1}{2}\pi}=\frac{4}{3\pi} \)

∴\(\displaystyle  \left(0, \frac{4}{3\pi}\right) \)

大学で習う微積分の積分はこのぐらい知っておけばかなり計算できるようになります。

 

解説を読んで数学がわかった「つもり」になりましたか?数学は読んでいるうちはわかったつもりになりますが演習をこなさないと実力になりません。そのためには問題集で問題を解く練習も必要です。オススメの参考書を厳選しました

<高校数学> <大学数学> さらにオススメの塾、特にオンラインの塾についてまとめてみました。自分一人だけでは自信のない人はこちらも参考にすると成績が上がります。