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上野竜生です。問63の答えを発表します。
問63 ★
\( \displaystyle y=x+\sqrt{1-x^2} \)は楕円の一部である。この楕円の2つの焦点をF,F'とする。
(1) 直線FF'の傾きを求めよ。
(2) FとF'の距離を求めよ。
答え
この楕円は中心が原点であることに注意。
(式変形すると \( y-x=\sqrt{1-x^2} \)なのでさらに整理すると
\(2x^2 -2xy+y^2=1 \)となり1次の項がないため)
(式変形すると \( y-x=\sqrt{1-x^2} \)なのでさらに整理すると
\(2x^2 -2xy+y^2=1 \)となり1次の項がないため)
【方針1】 原点からの距離(の2乗)の最大・最小を求める。
楕円上の点を\( (t,t+\sqrt{1-t^2}) \)とおく,
原点からの距離の2乗をf(t)とおく。つまり
\(\displaystyle f(t)= t^2 + (t+\sqrt{1-t^2})^2 = t^2 + t^2+1-t^2 + 2t\sqrt{1-t^2} = t^2+1+2t\sqrt{1-t^2} \)
\(\displaystyle f'(t)=2t+2\sqrt{1-t^2}+\frac{2t \cdot (-2t)}{2\sqrt{1-t^2}} \\ =\displaystyle 2\cdot \frac{t\sqrt{1-t^2}+1-t^2-t^2}{\sqrt{1-t^2}} \)
f'(t)=0を解く。(分子)=0より
\( t\sqrt{1-t^2}=2t^2-1 \)・・・①
\( t^2-t^4=4t^4-4t^2+1 \)
\( 5t^4-5t^2+1=0 \)
\(\displaystyle t^2=\frac{5 \pm \sqrt{5} }{10} \)
ここで\( \displaystyle t_1= - \sqrt{\frac{5 + \sqrt{5} }{10}} , t_2= - \sqrt{\frac{5 - \sqrt{5} }{10}} , t_3= \sqrt{\frac{5 - \sqrt{5} }{10}} ,t_4= \sqrt{\frac{5 + \sqrt{5} }{10}} \)とおく。
(つまり\( t_1<t_2<t_3<t_4 \))
この中で符号に注意すると①を満たすのは\( t_2, t_4 \)
原点からの距離の2乗をf(t)とおく。つまり
\(\displaystyle f(t)= t^2 + (t+\sqrt{1-t^2})^2 = t^2 + t^2+1-t^2 + 2t\sqrt{1-t^2} = t^2+1+2t\sqrt{1-t^2} \)
\(\displaystyle f'(t)=2t+2\sqrt{1-t^2}+\frac{2t \cdot (-2t)}{2\sqrt{1-t^2}} \\ =\displaystyle 2\cdot \frac{t\sqrt{1-t^2}+1-t^2-t^2}{\sqrt{1-t^2}} \)
f'(t)=0を解く。(分子)=0より
\( t\sqrt{1-t^2}=2t^2-1 \)・・・①
\( t^2-t^4=4t^4-4t^2+1 \)
\( 5t^4-5t^2+1=0 \)
\(\displaystyle t^2=\frac{5 \pm \sqrt{5} }{10} \)
ここで\( \displaystyle t_1= - \sqrt{\frac{5 + \sqrt{5} }{10}} , t_2= - \sqrt{\frac{5 - \sqrt{5} }{10}} , t_3= \sqrt{\frac{5 - \sqrt{5} }{10}} ,t_4= \sqrt{\frac{5 + \sqrt{5} }{10}} \)とおく。
(つまり\( t_1<t_2<t_3<t_4 \))
この中で符号に注意すると①を満たすのは\( t_2, t_4 \)
f(-1)=f(1)=2
\(\displaystyle f(t_2)=\frac{5-\sqrt{5}}{10}+1-2\sqrt{\frac{5-\sqrt{5}}{10}}\sqrt{\frac{5+\sqrt{5}}{10}}=\frac{15-\sqrt{5}}{10}-2\frac{\sqrt{5}}{5}=\frac{3-\sqrt{5}}{2}<2 \)
\(\displaystyle f(t_4)=\frac{5+\sqrt{5}}{10}+1+2\sqrt{\frac{5+\sqrt{5}}{10}}\sqrt{\frac{5-\sqrt{5}}{10}}=\frac{15+\sqrt{5}}{10}+2\frac{\sqrt{5}}{5}=\frac{3+\sqrt{5}}{2}>2 \)
よって最大は\( t=t_4 \)のとき\(\displaystyle \frac{3+\sqrt{5}}{2} \),最小は\( t=t_2 \)のとき\(\displaystyle \frac{3-\sqrt{5}}{2} \)
\(\displaystyle f(t_2)=\frac{5-\sqrt{5}}{10}+1-2\sqrt{\frac{5-\sqrt{5}}{10}}\sqrt{\frac{5+\sqrt{5}}{10}}=\frac{15-\sqrt{5}}{10}-2\frac{\sqrt{5}}{5}=\frac{3-\sqrt{5}}{2}<2 \)
\(\displaystyle f(t_4)=\frac{5+\sqrt{5}}{10}+1+2\sqrt{\frac{5+\sqrt{5}}{10}}\sqrt{\frac{5-\sqrt{5}}{10}}=\frac{15+\sqrt{5}}{10}+2\frac{\sqrt{5}}{5}=\frac{3+\sqrt{5}}{2}>2 \)
よって最大は\( t=t_4 \)のとき\(\displaystyle \frac{3+\sqrt{5}}{2} \),最小は\( t=t_2 \)のとき\(\displaystyle \frac{3-\sqrt{5}}{2} \)
焦点は長軸上にあるから原点と\( (t_4, t_4+\sqrt{1-t_4^2}) \)を通る直線の傾きである。
よって
\(\displaystyle \frac{t_4+\sqrt{1-t_4^2}}{t_4}=1+\sqrt{\left(\frac{1}{t_4} \right)^2-1}\\ =\displaystyle 1+\sqrt{\frac{10}{5+\sqrt{5}}-1}=1+\sqrt{\frac{3-\sqrt{5}}{2}}=1+\frac{\sqrt{5}-1}{2}=\frac{\sqrt{5}+1}{2} \)
よって
\(\displaystyle \frac{t_4+\sqrt{1-t_4^2}}{t_4}=1+\sqrt{\left(\frac{1}{t_4} \right)^2-1}\\ =\displaystyle 1+\sqrt{\frac{10}{5+\sqrt{5}}-1}=1+\sqrt{\frac{3-\sqrt{5}}{2}}=1+\frac{\sqrt{5}-1}{2}=\frac{\sqrt{5}+1}{2} \)
(2) 楕円の公式から考える。
(焦点間の距離)2=(長軸の長さ)2-(短軸の長さ)2が成り立つ。
よって(焦点間の距離÷2)2=(f(t)の最大値) - (f(t)の最小値)
\(\displaystyle \frac{3+\sqrt{5}}{2}-\frac{3-\sqrt{5}}{2}=\sqrt{5} \)
よって焦点間の距離は\( 2\sqrt[4]{5} \)
(焦点間の距離)2=(長軸の長さ)2-(短軸の長さ)2が成り立つ。
よって(焦点間の距離÷2)2=(f(t)の最大値) - (f(t)の最小値)
\(\displaystyle \frac{3+\sqrt{5}}{2}-\frac{3-\sqrt{5}}{2}=\sqrt{5} \)
よって焦点間の距離は\( 2\sqrt[4]{5} \)
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【方針2】 単位円上の点から逆算
\(x^2+y^2=r^2\)のとき\(2x^2-2xy+y^2\)の最大・最小を求める。
\( x=r\cos{\theta} , y=r\sin{\theta} \)を代入すると
\( r^2(2\cos^2{\theta}-2\cos{\theta}\sin{\theta}+\sin^2{\theta}) \\ = r^2 (\cos^2{\theta}+1-\sin{2\theta} ) \\ = r^2( \frac{1}{2}\cos{2\theta} -\sin{2\theta} + \frac{3}{2} ) \\ = r^2 ( \frac{\sqrt{5}}{2}\sin{(2\theta+\alpha)}+\frac{3}{2}) \)
ただし\(\sin{\alpha}=\frac{1}{\sqrt{5}} , \cos{\alpha}=-\frac{2}{\sqrt{5}} \)
つまり\(\displaystyle \frac{3-\sqrt{5}}{2}r^2 \leq 2x^2-2xy+y^2 \leq \frac{3+\sqrt{5}}{2}r^2 \)
\( 2x^2-2xy+y^2=1\)より\(\displaystyle \frac{3-\sqrt{5}}{2}r^2 \leq 1 \leq \frac{3+\sqrt{5}}{2}r^2 \)
ここからr2の取りうる範囲は
\(\displaystyle \frac{3-\sqrt{5}}{2} \leq r^2 \leq \frac{3+\sqrt{5}}{2} \)
よって(長軸の長さの半分)の2乗が\(\displaystyle \frac{3+\sqrt{5}}{2} \)
(短軸の長さの半分)の2乗が\(\displaystyle \frac{3-\sqrt{5}}{2} \) となり
以下解答1と同様に(2)の答えが得られる。
(1)については
\(\displaystyle \frac{\sqrt{5}}{2}\sin{(2\theta+\alpha)} + \frac{3}{2}=\frac{3-\sqrt{5}}{2} \)のときのθが長軸のときなので
\(2 \theta+\alpha=\frac{3}{2} \pi \)のときである。
このときのθに対し,求める傾きはtanθであらわされることに注意。
\(\tan{2\theta}=\tan{(\frac{3}{2}\pi-\alpha)}=\tan{(\frac{\pi}{2}-\alpha)}=\frac{1}{\tan{\alpha}}=-2 \)
\(\tan{\theta}=m\)とおくと
\(\displaystyle \tan{2\theta}=\frac{2m}{1-m^2}=-2 \)
これを解くと\(\displaystyle m=\frac{1 \pm \sqrt{5}}{2} \)
\(\frac{\pi}{2}<\alpha<\pi \)より\(\frac{\pi}{4}<\theta < \frac{\pi}{2} \)なのでm>1
よって傾きは\(\displaystyle \frac{1+\sqrt{5}}{2} \)
\( x=r\cos{\theta} , y=r\sin{\theta} \)を代入すると
\( r^2(2\cos^2{\theta}-2\cos{\theta}\sin{\theta}+\sin^2{\theta}) \\ = r^2 (\cos^2{\theta}+1-\sin{2\theta} ) \\ = r^2( \frac{1}{2}\cos{2\theta} -\sin{2\theta} + \frac{3}{2} ) \\ = r^2 ( \frac{\sqrt{5}}{2}\sin{(2\theta+\alpha)}+\frac{3}{2}) \)
ただし\(\sin{\alpha}=\frac{1}{\sqrt{5}} , \cos{\alpha}=-\frac{2}{\sqrt{5}} \)
つまり\(\displaystyle \frac{3-\sqrt{5}}{2}r^2 \leq 2x^2-2xy+y^2 \leq \frac{3+\sqrt{5}}{2}r^2 \)
\( 2x^2-2xy+y^2=1\)より\(\displaystyle \frac{3-\sqrt{5}}{2}r^2 \leq 1 \leq \frac{3+\sqrt{5}}{2}r^2 \)
ここからr2の取りうる範囲は
\(\displaystyle \frac{3-\sqrt{5}}{2} \leq r^2 \leq \frac{3+\sqrt{5}}{2} \)
よって(長軸の長さの半分)の2乗が\(\displaystyle \frac{3+\sqrt{5}}{2} \)
(短軸の長さの半分)の2乗が\(\displaystyle \frac{3-\sqrt{5}}{2} \) となり
以下解答1と同様に(2)の答えが得られる。
(1)については
\(\displaystyle \frac{\sqrt{5}}{2}\sin{(2\theta+\alpha)} + \frac{3}{2}=\frac{3-\sqrt{5}}{2} \)のときのθが長軸のときなので
\(2 \theta+\alpha=\frac{3}{2} \pi \)のときである。
このときのθに対し,求める傾きはtanθであらわされることに注意。
\(\tan{2\theta}=\tan{(\frac{3}{2}\pi-\alpha)}=\tan{(\frac{\pi}{2}-\alpha)}=\frac{1}{\tan{\alpha}}=-2 \)
\(\tan{\theta}=m\)とおくと
\(\displaystyle \tan{2\theta}=\frac{2m}{1-m^2}=-2 \)
これを解くと\(\displaystyle m=\frac{1 \pm \sqrt{5}}{2} \)
\(\frac{\pi}{2}<\alpha<\pi \)より\(\frac{\pi}{4}<\theta < \frac{\pi}{2} \)なのでm>1
よって傾きは\(\displaystyle \frac{1+\sqrt{5}}{2} \)
【(1)の方針3】 原点中心の円と楕円の交点を4つ求める。
楕円の中心は原点なので原点を中心とする円で楕円との交点が4つになるものを1つかく。
そのときの交点4つを結ぶと長方形になるので辺の傾きのうちの1つが求めるもの。
計算を楽にするためx軸上に2つの交点ができるような円を選ぶ。
楕円\( 2x^2-2xy+y^2=1\)と円\(2x^2+2y^2=1\)の交点を求める。
円の式から楕円の式を引くと
2xy+y2=0 ∴y=0またはy=-2x
これを円の式に代入すると交点は
\( (\pm \frac{\sqrt{2}}{2},0) , (\pm \frac{\sqrt{10}}{10} , \mp \frac{\sqrt{10}}{5}) \) (2組目は複号同順)
よって長方形の傾きは
\(\displaystyle \frac{0+\frac{\sqrt{10}}{5}}{\frac{\sqrt{2}}{2}-\frac{\sqrt{10}}{10}}=\frac{2\sqrt{10}}{5\sqrt{2}-\sqrt{10}}=\frac{\sqrt{5}+1}{2} \)または
\(\displaystyle \frac{0-\frac{\sqrt{10}}{5}}{\frac{\sqrt{2}}{2}+\frac{\sqrt{10}}{10}}=\frac{-2\sqrt{10}}{5\sqrt{2}+\sqrt{10}}=\frac{-\sqrt{5}+1}{2} \)
図より求める傾きは正なので答えは\(\displaystyle \frac{\sqrt{5}+1}{2} \)
そのときの交点4つを結ぶと長方形になるので辺の傾きのうちの1つが求めるもの。
計算を楽にするためx軸上に2つの交点ができるような円を選ぶ。
楕円\( 2x^2-2xy+y^2=1\)と円\(2x^2+2y^2=1\)の交点を求める。
円の式から楕円の式を引くと
2xy+y2=0 ∴y=0またはy=-2x
これを円の式に代入すると交点は
\( (\pm \frac{\sqrt{2}}{2},0) , (\pm \frac{\sqrt{10}}{10} , \mp \frac{\sqrt{10}}{5}) \) (2組目は複号同順)
よって長方形の傾きは
\(\displaystyle \frac{0+\frac{\sqrt{10}}{5}}{\frac{\sqrt{2}}{2}-\frac{\sqrt{10}}{10}}=\frac{2\sqrt{10}}{5\sqrt{2}-\sqrt{10}}=\frac{\sqrt{5}+1}{2} \)または
\(\displaystyle \frac{0-\frac{\sqrt{10}}{5}}{\frac{\sqrt{2}}{2}+\frac{\sqrt{10}}{10}}=\frac{-2\sqrt{10}}{5\sqrt{2}+\sqrt{10}}=\frac{-\sqrt{5}+1}{2} \)
図より求める傾きは正なので答えは\(\displaystyle \frac{\sqrt{5}+1}{2} \)
正解者:0名
解説を読んで数学がわかった「つもり」になりましたか?数学は読んでいるうちはわかったつもりになりますが演習をこなさないと実力になりません。そのためには問題集で問題を解く練習も必要です。オススメの参考書を厳選しました
<高校数学>上野竜生です。数学のオススメ参考書などをよく聞かれますのでここにまとめておきます。基本的にはたくさん買うよりも…
上野竜生です。大学数学の参考書をまとめてみました。フーリエ解析以外は自分が使ったことある本から選びました。 大…
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