上野竜生です。問25の答えを発表します。
問25
\( \displaystyle f(x)=\frac{1}{x-1} , g(x)=\frac{1}{x-2} \)とおく。
(1) \( f^{(n)}(0) \)を求めよ。つまりf(x)をn回微分したものにx=0を代入した値を求めよ。
(2) \(h(x)=f(x)g(x)\)とおく。\(h^{(n)}(0)\)を求めよ。
答え
(1) \( f^{(n)}(x)=(-1)^n n! (x-1)^{-(n+1)} \)であることを数学的帰納法で示す。
n=1のとき成立(省略)
n=kで成立すると仮定すると帰納法の仮定より
\( f^{(k)}(x)=(-1)^k k! (x-1)^{-(k+1)} \)
よってk+1回微分すると
\(f^{(k+1)}(x)=(-1)^{k+1} (k+1)! (x-1)^{-(k+2)} \)
となりn=k+1でも成立。
よって\( f^{(n)}(0)=(-1)^n n! (-1)^{-(n+1)} = -n! \)
(2)同様にすると
\( g^{(n)}(x)=(-1)^n n! (x-2)^{-(n+1)} \)
\(\displaystyle g^{(n)}(0)=-\frac{n!}{2^{n+1}} \)
\( h(x)=f(x)g(x)=g(x)-f(x) \)なので
\( h^{(n)}(x)=g^{(n)}(x)-f^{(n)}(x) \)
\(\displaystyle h^{(n)}(0)=g^{(n)}(0)-f^{(n)}(0)=n!\left(1-\frac{1}{2^{n+1}}\right)\)
なお,大学で習う二項定理のような微分の公式
\(\displaystyle (fg)^{(n)}= \sum_{k=0}^n {}_nC_{k} f^{(k)}g^{(n-k)} \)
を使うと次のようにも計算できます。
\(\displaystyle g^{(n)}(0)=-\frac{n!}{2^{n+1}} \)までは同じ
\(\displaystyle h^{(n)}(0)=\sum_{k=0}^n {}_nC_k f^{(k)}(0)g^{(n-k)}(0) \\
\displaystyle =\sum_{k=0}^n \frac{n!}{k!(n-k)!} (-k!)\left(-\frac{(n-k)!}{2^{n-k+1}}\right)\\
\displaystyle =\sum_{k=0}^n \frac{n!}{2^{n-k+1}} \\
\displaystyle =n!\left(1-\frac{1}{2^{n+1}} \right) \)
正解者
0名
解説を読んで数学がわかった「つもり」になりましたか?数学は読んでいるうちはわかったつもりになりますが演習をこなさないと実力になりません。そのためには問題集で問題を解く練習も必要です。オススメの参考書を厳選しました
<高校数学>上野竜生です。数学のオススメ参考書などをよく聞かれますのでここにまとめておきます。基本的にはたくさん買うよりも…
上野竜生です。大学数学の参考書をまとめてみました。フーリエ解析以外は自分が使ったことある本から選びました。 大…
上野竜生です。当サイトでも少し前まで各ページで学習サイトをオススメしていましたが他にもオススメできるサイトはた…