上野竜生です。問21の答えを発表します。
問21 ★
f(x)=x7-14x2+2018とする。f(x)=0のすべての解(複素数解も含む)は絶対値が2.8より大きく3より小さいことを証明せよ。ただしf(-2.8)>0は証明なしで用いて良い。
答え
f(-3)=-295<0 , f(-2.8)>0より中間値の定理から-3<x<-2.8に1つ実数解が存在する。
また問20 アよりf(x)=0の実数解は1個だけなので実数解はすべて絶対値が2.8より大きく3より小さいことがわかる。
複素数解の絶対値が3より小さいことの証明
x7-14x2+2018=0よりx7=14x2-2018
両辺に絶対値をつけ,三角不等式を用いると
|x|7=|14x2-2018|≦14|x|2+2018
r=|x|とおくとr7-14r2-2018≦0を満たす。
よってr<3となり絶対値は3より小さい。
r≧3⇒g(r)>0を示す。
g(3)=43>0
g'(x)=7r6-28r=7r(r5-4)>0よりr≧3で単調増加
よって対偶は真
複素数解の絶対値が2.8より大きいことの証明
実数係数多項式なので\( \alpha\)が解ならば共役複素数\( \bar{\alpha} \)も解である。
f(x)=0の実数解をR,複素数解を\( \alpha, \bar{\alpha} , \beta , \bar{\beta} , \gamma , \bar{\gamma} \)とする。このときαからγの中で絶対値が1番小さいものをαとしても一般性を失わない。
解と係数の関係より\( R \alpha \bar{\alpha} \beta \bar{\beta} \gamma \bar{\gamma} =-2018 \)
絶対値をつけると
\( |R| |\alpha|^2 |\beta|^2 |\gamma|^2 =2018 \)
\( |R|<3 , |\beta|<3 , |\gamma|<3 \)より\(\displaystyle |\alpha|^2 > \frac{2018}{3^5}>8>2.8^2 \)
となるから\( |\alpha|>2.8 \)となる。
よってすべての解は絶対値が2.8より大きく3より小さい。
正解者
0名
解説を読んで数学がわかった「つもり」になりましたか?数学は読んでいるうちはわかったつもりになりますが演習をこなさないと実力になりません。そのためには問題集で問題を解く練習も必要です。オススメの参考書を厳選しました
<高校数学>上野竜生です。数学のオススメ参考書などをよく聞かれますのでここにまとめておきます。基本的にはたくさん買うよりも…
上野竜生です。大学数学の参考書をまとめてみました。フーリエ解析以外は自分が使ったことある本から選びました。 大…
上野竜生です。当サイトでも少し前まで各ページで学習サイトをオススメしていましたが他にもオススメできるサイトはた…