上野竜生です。問17の答えを発表します。
問17
「およその面積」を次のように定義する。
領域Dn,m={(x,y)| x,yは実数 n<x<n+1 , m<y<m+1} (n,mは整数)
Dn,mが「面積を求めたい領域」に完全に含まれていればその部分の面積を1
Dn,mが「面積を求めたい領域」に完全ではないが一部含まれていればその部分の面積を0.5
Dn,mが「面積を求めたい領域」に全く含まれていなければその部分の面積を0
とし,それらの合計を「およその面積」とする。
O(0,0),A(101,0),B(0,22)を頂点とする三角形OABの「およその面積」はいくらか?
答え
C(101,22)とする。
0≦n≦100, 0≦m≦21に対し
Dn,mが△OABにどれだけ含まれているかと
△CBAにどれだけ含まれているかの組み合わせは下の3通りしかない。
△OAB | △CBA |
すべて含まれる(1) | 全く含まれない(0) |
一部が含まれる(0.5) | 一部が含まれる(0.5) |
全く含まれない(0) | すべてが含まれる(1) |
(つまり△OABにも△CBAにも全く含まれないような部分はなくどちらかに含めばもう片方には含まれない)
どのパターンであっても2つの「およその面積」の和は1なので
△OAB+△CBA=101×22=2222
さらに対称性よりDn,mが△OABに含まれる割合とD100-n,21-mが△CBAに含まれる割合は等しい。よって△OAB=△CBA=1111・・・(答)
別解 面積1になるマスの数と面積0.5になるマスの数を本当に計算する。
\( f(x)=\frac{22}{101}x \)とおく。
1≦x≦100に対しf(x)は整数ではない。
面積0.5になるマスの数について
n=0,1,2,・・・,100についてDn,mが△OABに一部だけ含まれる数を考える。
・f(n)の整数部分=f(n+1)の整数部分 のとき1個
・f(n)の整数部分+1=f(n+1)の整数部分 のとき2個
でこのどちらかである。f(0)=0, f(100)=21.78・・・より
f(n)の整数部分≠f(n+1)の整数部分になるようなnは21個
[0≠1 , 1≠2, 2≠3,・・・,20≠21になるnが1個ずつ]
f(n)の整数部分=f(n+1)の整数部分になるようなnは101-21=80個。
よって面積0.5になるマスの数は2×21+1×80=122個。
面積1になるマスの数について
xを超えない最大の整数を[x]と表すことにするとn=0,1,・・・,100に対しDn,mが△OABにすべて含まれる数は[f(n)]である。よって次を計算すればよい。
$$ \sum_{n=0}^{100} \left[\frac{22}{101}n\right] = \sum_{n=1}^{100} \left[\frac{22}{101}n\right] $$
\( \displaystyle \sum_{n=1}^{100} \frac{22}{101}n= \frac{1}{2}\cdot \frac{22}{101} \cdot 100 \cdot 101=1100 \)
i≠jのとき22iと22jを101で割った余りは異なる(∵22i-22jが101の倍数ではない)
よってn=1,2,・・・,100に対しf(n)の小数部分は\( \frac{1}{101} , \frac{2}{101} ,\cdots , \frac{100}{101} \)が1つずつある。
f(n)の小数部分の和は
$$ \sum_{n=1}^{100} \frac{1}{101}n = 50 $$
よって f(n)の整数部分の和=f(n)の和ーf(n)の小数部分の和 だから
\( \displaystyle \sum_{n=1}^{100} \left[\frac{22}{101}n\right] = 1100-50=1050 \)
面積1になるマスの数は1050個。
以上より「およその面積」は1×1050+0.5×122=1111・・・(答)
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