上野竜生です。√2次式が整数になるようなnの値を求める問題の解法を紹介します。
基本:=Nとおき両辺を2乗する。
答え\( \sqrt{n^2-45}=N \)とおく。両辺2乗すると
\( n^2-45=N^2 \) 整理すると
\( n^2-N^2=45 \)
つまり,\( (n+N)(n-N)=45 \)
かけて45になる2つの整数の組を見つけると(n+N,n-N)の組は
(n+N,n-N)=(1,45),(3,15),(5,9),(9,5),(15,3),(45,1),(-1,-45),(-3,-15),(-5,-9),(-9,-5),(-15,-3),(-45,-1)
ルートの中は0以上だからN≧0よりn+N≧n-Nであるから
(n+N,n-N)=(9,5),(15,3),(45,1),(-1,-45),(-3,-15),(-5,-9)
それぞれについて(n,N)を求めると
(n,N)=(7,2),(9,6),(23,22),(-23,22),(-9,6),(-7,2)
よってn=±7,±9,±23
これが超基本的な型になります。つまり,次の手順になります。
2. (n,Nの因数分解した式)=定数c の形に変形
3. かけてcになる2つの整数の組を見つける。
マイナス×マイナス=プラスであることに注意。
4. n,Nを求める。N≧0に注意
5. nを答える。
この解答では手順3で(n+N,n-N)の組を12個も書きましたが、結構面倒です。こういう場合は先に手順4で必要になりそうな条件を求めて、その条件を満たすものに絞り込むと楽です。
つまり,上の解答のように12個見つけてからn+N≧n-Nとするのではなく,先にn+N≧n-Nといえば最初から6組しか書かなくていいことになります。このように絞り込む工夫が大切です。
答え\( \sqrt{n^2+20}=N \)とおく。両辺2乗すると
\( n^2+20=N^2 \) 整理すると
\( (n+N)(n-N)=-20 \) 両辺-1倍すると
\( (N+n)(N-n)=20 \)
N≧0,n≧0よりN+n≧0かつN+n≧N-n
この条件で(N+n,N-n)を求めると
(N+n,N-n)=(20,1),(10,2),(5,4)
ここからN,nを求めると
\( (N,n)=(\frac{21}{2},\frac{19}{2}),(6,4),(\frac{9}{2},\frac{1}{2})\)
N,nは整数だから(N,n)=(6,4)のみ。
よってn=4
これも慣れてくるとN,nを求める段階でN+nとN-nを足して2で割る・引いて2で割る計算をすることが予測できるので最初からN,nが整数になる条件(N+nとN-nの偶奇が一致)を求めておけば(N+n,N-n)=3組ではなく一気に1組に絞り込めます。
応用:1次の項があるときは平方完成して1次の項を消す!
答え\( \sqrt{n(n+9)}=N\)とおき両辺2乗すると
n(n+9)=N2
平方完成すると
\( (n+\frac{9}{2})^2-\frac{81}{4}=N^2 \)
移項して4倍すると
(2n+9)2-4N2=81
(2n+2N+9)(2n-2N+9)=81
nは自然数,N≧0より
2n+2N+9>0,2n+2N+9≧2n-2N+9に注意すると
(2n+2N+9,2n-2N+9)=(81,1),(27,3),(9,9)
それぞれについて(n,N)を求めると
(n,N)=(16,20),(3,6),(0,0)
nは自然数よりn=3,16
このあたりの解法は知っていることが前提、とは言いづらく応用問題になります。なのでじっくり時間をかけて考えることが前提になると思いますが知っていれば時間短縮になるので偏差値80以上狙う方は知っておいたほうがいいでしょう。
解説を読んで数学がわかった「つもり」になりましたか?数学は読んでいるうちはわかったつもりになりますが演習をこなさないと実力になりません。そのためには問題集で問題を解く練習も必要です。オススメの参考書を厳選しました
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