上野竜生です。共点条件(2点が一致する条件)と共線条件(3点が一直線上にある条件)をベクトルで表現しましょう。
共点条件(2点が一致する条件)
⇔ AとBの位置ベクトルが等しい
もし「AとBが一致することを示せ」と言われればAとBの位置ベクトルを調べてまったく同じであることを言えばOKです。なおたとえば点Cが固定されている場合,\(\vec{CA}=\vec{CB} \)を示してもいいでしょう。
共線条件(3点が同一直線上にある条件)
⇔ \(\vec{AB}=k\vec{AC} \)となる実数kが存在する。
図をイメージするとほとんど明らかですがkの存在を示せばOKです。つまりkを求めればよいのです。同一直線上にないときはこのようなkは存在しません。たとえばA(0,0),B(1,0),C(0,1)は明らかに同一直線上にはありません。実際に\(\vec{AB} ,\vec{AC} \)を計算してみると次を満たすkが存在すれば同一直線上にあることになります。
\(\left( \begin{array}{c} 1 \\ 0 \end{array} \right)=k\left( \begin{array}{c} 0 \\ 1 \end{array} \right)\)
もちろん存在しないのでA,B,C同一直線上にはありません。
なお,A,B,Cの順番はどうでもいいので
\(\vec{AB}=k\vec{AC} \)となる実数kの存在を示しても
\(\vec{AC}=k\vec{AB} \)となる実数kの存在を示しても
\(\vec{BA}=k\vec{AC} \)となる実数kの存在を示しても構いません。
kの値が異なるだけで存在するか否かは変わりません。
例題
(1) GとHは一致する。
(2) 3点A,P,Gは同一直線上にある。
Gの位置ベクトルは\(\displaystyle \frac{\vec{a}+\vec{b}+\vec{c}}{3}\)・・・①
D,E,Fの位置ベクトルはそれぞれ\(\frac{1}{4}\vec{a}+\frac{3}{4}\vec{b} , \frac{1}{4}\vec{b}+\frac{3}{4}\vec{c} , \frac{1}{4}\vec{c}+\frac{3}{4}\vec{a}\)だから
Hの位置ベクトルは
\(\displaystyle \frac{(\frac{1}{4}\vec{a}+\frac{3}{4}\vec{b})+(\frac{1}{4}\vec{b}+\frac{3}{4}\vec{c})+(\frac{1}{4}\vec{c}+\frac{3}{4}\vec{a})}{3}=\frac{\vec{a}+\vec{b}+\vec{c}}{3}\)・・・②
①②よりG,Hの位置ベクトルが等しいのでGとHは一致する。
(2) \(\vec{AG}=k\vec{AP}\)となる実数kが存在することを示す。
\(\vec{AG}=\frac{1}{3}\vec{AB}+\frac{1}{3}\vec{AC} \)
\(\vec{AD}=\frac{3}{4} \vec{AB} , \vec{AF}=\frac{1}{4}\vec{AC} \)
\(\vec{AP}=\frac{\vec{AD}+3\vec{AF}}{4}=\frac{3}{16}\vec{AB}+\frac{3}{16}\vec{AC} \)
よって\(\vec{AG}=\frac{16}{9}\vec{AP} \)となるので3点A,G,Pは同一直線上にある。
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