上野竜生です。今回はf(x,y)g(x,y)>0のタイプの領域の図示の方法を紹介します。
基本
f(x,y)g(x,y)>0⇒「f>0かつg>0」または「f<0かつg<0」
f(x,y)g(x,y)<0⇒「f>0かつg<0」または「f<0かつg>0」
手順 (正攻法)
1. 境界となるf(x,y)=0,g(x,y)=0を図示する。
2. あとは上の「基本」と見比べて斜線をつける。
これだと普通ですね。問題を解いてみますがさらに裏技があります。
例題1
x2+y2-4=0は原点を中心とする半径2の円,
x2-4x+y2=0⇔(x-2)2+y2=4は(2,0)を中心とする半径2の円なので境界は簡単に書けます。
あとは境界線のどちら側が≦0かを判定すればよいのですが「基本」に戻って考えると少し時間がかかります。こういうときの裏技は
領域内の適当な1点を選んでそれが条件を満たすか(満たすなら斜線。満たさないなら斜線を塗らない)
でわかります。たとえば(-1,0)は図のイの部分にありますが(-1,0)を元の式に代入すると
(-3)・5=-15≦0なのでイの部分は斜線です。同様のやり方でア・ウ・エも確かめればア・ウは条件を満たさずイ・エが条件を満たします。よって答えは次の通りです。なお交点などの座標は省略しています。
答え
(境界はすべて含む)
もう1つ裏技
境界を1つ超えるごとに「もとの式に代入したときの正負」が入れ替わる!
つまり,境界を1つ超えるごとに「斜線/斜線じゃない」が入れ替わる!
と覚えておいても問題ないでしょう。
つまりこの例題1なら「イ」が条件を満たすとわかった瞬間,ア・ウ・エは確かめなくても「アはイの1つ隣だから×」「ウはイの1つ隣だから×」「エはウの1つ隣だから○」とわかるのです。
ここまでを理解したうえでちょっと複雑な例題2を考えてみましょう。
例題2
先ほどと同様(-1,0)を確かめると(-1,0)は条件を満たしません。よって答えは下のようになります。(交点の座標などは省略)
答え
(境界はすべて含む)
いかがでしたか?この法則がわかれば計算時間を短縮させることができますよ。
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