上野竜生です。今回は分数方程式や分数不等式の解法を紹介します。なるべくグラフはかかずに解きたいところです。
基本方針
方程式の場合は分母を払えば普通の方程式になる。(分母≠0であることに注意)
不等式の場合を分母を払うときに(つまり両辺に分母をかけるとき,分母が0より大きいか小さいかで)不等号の向きが変わるのでそこで場合分けをする。
ただし(分母の2乗)倍すれば必ず正なので不等号の向きを変えず、場合分けせずに解ける。
例題 (方程式・不等式)
(1) \(\displaystyle \frac{4x+10}{x-1} = x-2 \)
(2) \(\displaystyle \frac{4x+10}{x-1} \geq x-2 \)
答え
(1) 定義域よりx≠1なので両辺をx-1(≠0)倍すると
4x+10=(x-2)(x-1)
x2-7x-8=0
(x+1)(x-8)=0となり
x=-1,8
これはx≠1を満たすので方程式の解はx=-1,8
(2) 【解1】x-1>0かx-1<0かで不等号の向きが変わるので場合分け
定義域よりx≠1である。
(ア) x>1のとき両辺をx-1(>0)倍すると
4x+10≧(x-2)(x-1)
x2-7x-8≦0
(x+1)(x-8)≦0
-1≦x≦8
x>1より1<x≦8
(イ) x<1のとき両辺をx-1(<0)倍すると
4x+10≦(x-2)(x-1)
(x+1)(x-8)≧0
x≦-1またはx≧8
x<1よりx≦-1
(ア)(イ)よりx≦-1 , 1<x≦8
【解2】(x-1)2倍すれば場合分けは不要
定義域よりx≠1である。
両辺を(x-1)2(>0)倍すると
(4x+10)(x-1)≧(x-2)(x-1)2
(x-1){(x-2)(x-1)-(4x+10)}≦0
(x-1)(x2-7x-8)≦0
(x-1)(x+1)(x-8)≦0
x≦-1, 1≦x≦8
x≠1よりx≦-1 , 1<x≦8
数Iの応用問題として解1のようなやり方を学んできたかもしれませんが解2が重要です。
なお一部の参考書などでは分数関数のグラフと直線のグラフを実際に書き、上下関係から求めるという解法をとるところもあるようですが、正直言って方程式・不等式を解くだけならグラフは不要だと思います。
グラフにはさまざまな情報があり、たくさんの減点ポイントが潜んでいるので正確に書くのは不等式を解く以上に面倒だからです。
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