上野竜生です。三角関数の方程式の解の個数を求める問題ではt=(三角関数)とおくのが鉄則ですがtとxは1対1対応しません。そのことも考慮した解法を勉強しましょう。
tとxの対応に注意!
たとえば0≦x<2πのとき,(sinxの関数)の実数解の個数は何個?
のようなタイプではt=sinxとおくのが鉄則です。大体の問題ではこうするとtの2次式が出ることが多いです。(もちろん3次式とかもあり得ます)
ここで単純に判別式で個数を求めるだけでは不十分です。求めるのはxの個数であり,tの個数ではありません。
0≦x<2πのとき-1<t<1ならばsinx=tの解は2個。t=±1ならばsinx=tの解は1個。それ以外は0個です。なのでどの範囲なら何個というのを先に調べておき,tの2次式がどの範囲に何個もつかまで丁寧に調べる必要があります。少し面倒ですが次の例題で確認しましょう。
例題
t=sinxとおいてtの式としてみることと,定数分離して考えるのが基本です。
ただしtの個数ではなくxの個数なのでt1個につきxが何個対応するかも考える必要があります。
x=0もx=2πも定義域に入っていないのでt=-1,1以外にもt=0のときもイレギュラーな対応になります。
tの個数とxの個数の関係は
-1<t<0 , 0<t<1のときt1つにつきxが2個。
t=-1,0,1のときt1つにつきxが1個。
それ以外はt1つにつきxが0個対応する。
とおく。
y=f(t) (-1≦t≦1)のグラフとy=aのグラフがどの範囲に何個解をもつかを調べる。グラフより
a>2のときtは-1≦t≦1に実数解をもたない。
a=2のときt=-1を解にもつ
0<a<2のとき-1<t<0の範囲に解を1つもつ
a=0のとき-1<t<0の範囲に1つとt=1をもつ
-1<a<0のとき-1<t<0と0<t<1に1つずつもつ
a=-1のときt=0と0<t<1に解を1つもつ
\( -\frac{9}{8}\)<a<-1のとき0<t<1に解を2つもつ
\(a=-\frac{9}{8}\)のとき0<t<1に解を1つもつ
\(a<-\frac{9}{8} \)のとき解をもたない
これとxとの関係を対応させると答えは
\(a>2 , a<-\frac{9}{8} \)のとき0個
\(a=2 \)のとき1個
\(0<a<2,a=-\frac{9}{8}\)のとき2個
\(a=0,a=-1\)のとき3個
\(-1<a<0,-\frac{9}{8}<a<-1\)のとき4個
解説を読んで数学がわかった「つもり」になりましたか?数学は読んでいるうちはわかったつもりになりますが演習をこなさないと実力になりません。そのためには問題集で問題を解く練習も必要です。オススメの参考書を厳選しました
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