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上野竜生です。角の2等分線の方程式を求める練習をしてみましょう。
角の二等分線の求め方
1. tanの加法定理で求める
→発想は単純ですが意外と大変かもしれません。
2. 点と直線の距離の公式を使う
→この解法を理解してほしいところです。
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例題
O(0,1),A(2,5),B(5,16)とするとき∠AOBの二等分線の方程式を求めよ。
解法1 tanの加法定理
OAとx軸のなす角をα,OBとx軸のなす角をβとし,求める直線とx軸のなす角をγとすると角の二等分から\( \displaystyle \frac{\alpha+\beta}{2}=\gamma \)が成り立ちます。
あとは\( \alpha+\beta=2\gamma \)と変形し,\( \tan{(\alpha+\beta)}=\tan{2\gamma} \)に持ち込みます。
答えOAとx軸のなす角をα,OBとx軸のなす角をβとし,求める直線とx軸のなす角をγとする。
OAの傾きは2,OBの傾きは3であるから\( \tan{\alpha}=2, \tan{\beta}=3 \)
求める直線の傾きをmとすると\( \tan{\gamma}=m \)
角の二等分から\( \displaystyle \frac{\alpha+\beta}{2}=\gamma \)なので
\(\tan{(\alpha+\beta)}=\tan{2\gamma} \)である。加法定理より
\(\displaystyle \frac{\tan{\alpha}+\tan{\beta}}{1-\tan{\alpha}\tan{\beta}}=\frac{2\tan{\gamma}}{1-\tan^2{\gamma}}\)
\(\displaystyle \frac{5}{1-6}=\frac{2m}{1-m^2}\)
整理すると\( m^2-2m-1=0 \)
これを解くと\( m=1\pm \sqrt{2} \)
m>0より\( m=1+\sqrt{2} \)
よって求める直線は(0,1)を通る傾きmの直線だから
\( y=(1+\sqrt{2})x+1 \)
OAの傾きは2,OBの傾きは3であるから\( \tan{\alpha}=2, \tan{\beta}=3 \)
求める直線の傾きをmとすると\( \tan{\gamma}=m \)
角の二等分から\( \displaystyle \frac{\alpha+\beta}{2}=\gamma \)なので
\(\tan{(\alpha+\beta)}=\tan{2\gamma} \)である。加法定理より
\(\displaystyle \frac{\tan{\alpha}+\tan{\beta}}{1-\tan{\alpha}\tan{\beta}}=\frac{2\tan{\gamma}}{1-\tan^2{\gamma}}\)
\(\displaystyle \frac{5}{1-6}=\frac{2m}{1-m^2}\)
整理すると\( m^2-2m-1=0 \)
これを解くと\( m=1\pm \sqrt{2} \)
m>0より\( m=1+\sqrt{2} \)
よって求める直線は(0,1)を通る傾きmの直線だから
\( y=(1+\sqrt{2})x+1 \)
少し面倒ですがひらめきやすいので最終手段としては有効です。
解法2 点と直線の距離の利用<重要>
是非こちらで解いてほしいのですが,「点P(X,Y)と直線OAの距離」と「PとOBの距離」が等しくなるPの軌跡が角の二等分線です。これを利用してときます。
答えP(X,Y)とする。OAの式はy=2x+1,OBの式はy=3x+1である。
点(X,Y)と直線2x-y+1=0の距離は
\( \displaystyle \frac{|2X-Y+1|}{\sqrt{5}}\) …①
点(X,Y)と直線3x-y+1=0の距離は
\( \displaystyle \frac{|3X-Y+1|}{\sqrt{10}} \) …②
∠AOBの二等分線は①と②が等しい点の軌跡だから
\(\displaystyle \frac{|2X-Y+1|}{\sqrt{5}}=\frac{|3X-Y+1|}{\sqrt{10}} \)
よって\(\sqrt{10}\)倍すると
\( \sqrt{2}(2X-Y+1)=3X-Y+1 \)または\( \sqrt{2}(2X-Y+1)=-(3X-Y+1) \)
\( (1-\sqrt{2})Y=(3-2\sqrt{2})X+(1-\sqrt{2}) \)または\( (1+\sqrt{2})Y=(3+2\sqrt{2})X+(1+\sqrt{2}) \)
整理すると\( Y=(1-\sqrt{2})X+1 \)または\( Y=(1+\sqrt{2})X+1 \)
傾きは正だから求める直線は
\( y=(1+\sqrt{2})x+1 \)
点(X,Y)と直線2x-y+1=0の距離は
\( \displaystyle \frac{|2X-Y+1|}{\sqrt{5}}\) …①
点(X,Y)と直線3x-y+1=0の距離は
\( \displaystyle \frac{|3X-Y+1|}{\sqrt{10}} \) …②
∠AOBの二等分線は①と②が等しい点の軌跡だから
\(\displaystyle \frac{|2X-Y+1|}{\sqrt{5}}=\frac{|3X-Y+1|}{\sqrt{10}} \)
よって\(\sqrt{10}\)倍すると
\( \sqrt{2}(2X-Y+1)=3X-Y+1 \)または\( \sqrt{2}(2X-Y+1)=-(3X-Y+1) \)
\( (1-\sqrt{2})Y=(3-2\sqrt{2})X+(1-\sqrt{2}) \)または\( (1+\sqrt{2})Y=(3+2\sqrt{2})X+(1+\sqrt{2}) \)
整理すると\( Y=(1-\sqrt{2})X+1 \)または\( Y=(1+\sqrt{2})X+1 \)
傾きは正だから求める直線は
\( y=(1+\sqrt{2})x+1 \)
・|A|=|B| ならばA=±Bであることを利用しています。
・なお傾きが正というのは図から判断してください。(負のほうも確かに2つの直線のなす角の二等分線ですが∠AOBのほうじゃありません。結局排除する理由は図でかいたほうが早いです。)
・この解法では①②をわけてかかずに一気に赤い式で書けばいいのでもう少し解答量は少なくなります。特に傾きが有理数になってくれるとなおさら楽です。
・なお傾きが正というのは図から判断してください。(負のほうも確かに2つの直線のなす角の二等分線ですが∠AOBのほうじゃありません。結局排除する理由は図でかいたほうが早いです。)
・この解法では①②をわけてかかずに一気に赤い式で書けばいいのでもう少し解答量は少なくなります。特に傾きが有理数になってくれるとなおさら楽です。
その他 角の2等分線とABの交点をCとすると角の二等分の性質からAC:CB=OA:OBが成り立つことを利用しても求められます。が\( OA=2\sqrt{5} , OB=3\sqrt{10} \)となり計算が大変なので省略します。
受験生はできるだけ解法2で解くことをオススメしますが,ど忘れしたときなどは解法1でも解けますので自分に合った解法を選んでおきましょう。
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