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上野竜生です。位置ベクトルとは何か?と基本的な位置ベクトルについて紹介します。

内分・外分の位置ベクトル

位置ベクトルとは

任意に点Oをとったとき\(\vec{p}=\vec{OP} \)をOに関する位置ベクトルという。

細かい意味はあとで行うとして先に内分・外分の位置ベクトルを見てみましょう。

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内分の位置ベクトル

点AとBの位置ベクトルをそれぞれ\( \vec{a} , \vec{b} \)とする。このとき線分ABをm:nに内分する点Pの位置ベクトルを\(\vec{p} \)とすると
$$ \vec{p}=\frac{n\vec{a}+m\vec{b}}{m+n}$$

つまり,どの点△を基準にとろうと

$$ \vec{△P}=\frac{n\vec{△A}+m\vec{△B}}{m+n}$$・・・①

が成り立つということです。これが位置ベクトルの意味です。△は本質ではありません。

分子のmとnが逆であることに注意してください。たとえばABを100:1に内分とかだとほぼ点Bに近い位置にあるのでBの成分のほうが大きくなりますよね。そういう風に理解しておくと分子のmとnが逆転するリスクは減るでしょう。

[証明] わかりやすいように①を示す。始点△を任意にとる。
内分の位置ベクトル証明

\(\displaystyle \vec{△P}=\vec{△A}+\frac{m}{m+n}\vec{AB} \\
=\displaystyle \vec{△A}+\frac{m}{m+n} \left(\vec{△B}-\vec{△A} \right)=\frac{n}{m+n}\vec{△A}+\frac{m}{m+n}\vec{△B} \)
(Q.E.D.)

 

特にABの中点はABを1:1に内分する点なので位置ベクトルは\(\displaystyle \frac{\vec{a}+\vec{b}}{2}\)

外分の位置ベクトル

点AとBの位置ベクトルをそれぞれ\( \vec{a} , \vec{b} \)とする。このとき線分ABをm:nに外分する点Pの位置ベクトルを\(\vec{p} \)とすると
$$ \vec{p}=\frac{-n\vec{a}+m\vec{b}}{m-n}$$

m:nに外分=m:(-n)に内分と覚えれば一発で終わります。証明も同様です。(m>nのときとm<nのときで場合分けするほうがよりよいでしょう)

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練習

(1)三角形ABCにおいて点A,B,Cの位置ベクトルをそれぞれ\(\vec{a},\vec{b}, \vec{c} \)とする。三角形ABCの重心Gの位置ベクトルを\(\vec{g} \)とするとき,\(\vec{g}\)を\(\vec{a},\vec{b},\vec{c} \)で表せ。
(2)三角形ABCにおいて\(\vec{AB}=\vec{b} ,\vec{AC}=\vec{c} \)とする。三角形ABCの重心をGとするとき\(\vec{AG}\)を\(\vec{b},\vec{c} \)で表せ。
三角形ABCの重心は,BCの中点をMとするとAMを2:1に内分する位置にあります。これを位置ベクトルで表現するだけです。
重心の位置ベクトル
答え(1) BCの中点をMとするとMの位置ベクトル\(\vec{m}\)は\(\displaystyle \vec{m}=\frac{\vec{b}+\vec{c}}{2}\)
GはAMを2:1に内分する点だからGの位置ベクトルは
\(\displaystyle \frac{\vec{a}+2\vec{m}}{2+1}=\frac{\vec{a}+\vec{b}+\vec{c}}{3} \)
(2) (1)において始点をAとする
\(\displaystyle \vec{AG}=\frac{\vec{AA}+\vec{AB}+\vec{AC}}{3}\)
\(\vec{AA}=\vec{0} \)なので
\(\displaystyle \vec{AG}=\frac{\vec{b}+\vec{c}}{3}\)

(1)の結果は覚えておきましょう。公式です。ただ足して3で割るだけなので覚えやすいでしょう。(2)のような問題が位置ベクトルを理解してるかを試すいい問題だと思います。もう1度Mをとって2:1に内分・・・と計算する必要がないのです。

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