上野竜生です。2つの円の交点を通る直線・2つの円の交点ともう1つの点を通る円の方程式を求める問題を解説します。地道にも解けますが計算量を減らす重要な考えなので読んでおきましょう。
今回学ぶこと
f(x,y)=0, g(x,y)=0はともに円の方程式とする。
(たとえばx2+(y-1)2=9だとすれば9を移項してf(x,y)=x2+(y-1)2-9とすれば良い。)
f(x,y)+kg(x,y)=0という方程式はA,Bを通る円や直線を表す。
(x2の係数が0になるような場合(通常k=-1)直線であり,それ以外は円です)
[証明]ほぼ明らかな気もしますが
A(X,Y)とする。
f(x,y)=0はAを通るからf(X,Y)=0。同様にg(X,Y)=0
よってf(X,Y)+kg(X,Y)=0となるのでAを通る。
Bを通ることも同様。
f(x,y)=0が円の方程式なら2次多項式でxyの項はなくx2とy2の係数は等しい。g(x,y)も同様。
よってf(x,y)+kg(x,y)=0は高々2次多項式でxyの項はなくx2とy2の係数は等しい。
x2の係数が0にならないようなkでは円の方程式を表し,x2の係数が0になるようなkの値では直線の方程式を表す。 (証明終わり)
f(x,y)=0とg(x,y)=0が交わる場合は(半径)>0になります。
(半径<0なら何の図形も表さないが,A,Bを通るので矛盾)
例題
(1) A,Bを通る直線の方程式を求めよ。
(2) A,BとC(2,-3)を通る円の方程式を求めよ。
答え(1) A,Bを通る図形の方程式はkを定数として
x2+y2-17+k{(x-3)2+(y-1)2-15}=0 ・・・(*)
と表せる。直線の方程式はk=-1の場合なのでk=-1を代入して
x2+y2-17-{(x-3)2+(y-1)2-15}=0
整理すると
6x+2y-12=0
∴y=-3x+6 ・・・(答)
(2) (*)でさらに(2,-3)を通るから
22+(-3)2-17+k{(2-3)2+(-3-1)2-15}=0
整理すると-4+2k=0 ∴k=2
よって(*)にk=2を代入すると
x2+y2-17+2(x2-6x+9+y2-2y+1-15)=0
3x2-12x+3y2-4y-27=0 ・・・(答)
実際に求めると(1)はまだマシですが(2)は2つの円の方程式を連立させてA,Bの座標を求め(割と汚い数字ですしどちらがA,どちらがBかで2通りの答えが出ます)さらに求める円の方程式を(x-p)2+(y-q)2=r2などとおいてA,B,Cの座標を代入し連立させてp,q,rを求めるという流れになり,計算がとても大変です。
この解法を知っていないとミスが起きやすく時間ロスも多いので知っておきましょう。
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