上野竜生です。t=(何か)とおけば2次関数の問題になるタイプの応用問題の解き方を練習しましょう。t=(何か)とおけばその「(何か)」の取りうる範囲を求めることが必要です。
例題
見た感じでx2+2x+3が2か所にあるのでt=x2+2x+3とおく問題だとわかりますね。それは大事なのですがそれだけでは満点はとれません。
まずはダメな例を見ましょう。
誤答例
t=x2+2x+3とおく。すると
t2+4t+5
=(t+2)2+1
よって最小値1
なぜダメか?
f(x)の最小値がmであるというのは
・定義域内すべてのxでf(x)≧mが成立し,かつ
・f(x)=mとなるxが存在することをいいます。
たとえば関数f(x)=5とおくとすべての実数でf(x)≧4が成立しますがだからといって最小値が4というわけではありません。等号成立するxが存在しないとダメなのです。
今の誤答例ではt=-2のとき最小値1となりますがt=-2を解くと
x2+2x+3=-2
x2+2x+5=0となり実数解をもちません。なのでダメです。
ではどうするのか?
t=x2+2x+3とおいたときに,tの範囲を求めておくことが重要です。
xが実数全体→tの範囲を求める→その範囲内でtの式の最小値を求める」
→最小となるときのtの値を求める→xに戻して実際に定義域内にあるかチェック
とするのがわかりやすいでしょう。
実際には問題で指示されていない限り」のところまでやれば十分です。
例題の答え
(x2+2x+3)2+4(x2+2x+3)+5の最小値を求める
答えt=x2+2x+3とおく。
t=(x+1)2+2よりxが実数全体を動くときtのとりうる範囲はt≧2
(x2+2x+3)2+4(x2+2x+3)+5
=t2+4t+5
=(t+2)2+1
t≧2よりt=2で最小値17をとる。
t=x2+2x+3=2を解くとx=-1なので
x=-1のとき最小値17をとる。
赤い部分が重要です。これがないとさっきの誤答例になってしまいます。
青字部分は今回問題文で「そのときのxの値を求めよ」とは言われてないので特に必要ありません。
青字のように最小値をとるときのxの値を求めれば間違いに気付きます。
なので求めるよう指示がなくても求めておくクセを付けておいた方がいいでしょう。
解説を読んで数学がわかった「つもり」になりましたか?数学は読んでいるうちはわかったつもりになりますが演習をこなさないと実力になりません。そのためには問題集で問題を解く練習も必要です。オススメの参考書を厳選しました
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