上野竜生です。2次関数はいろいろな性質がありますが、3次関数も比較的性質が限られています。なのでここでまとめておきましょう。
なお3次関数を\( f(x)=ax^3+bx^2+cx+d \)とおきます。
a>0 or a<0
a=0のときは2次関数ですがa≠0でも
・a>0のときは右肩上がりの3次関数
・a<0のときは右肩下がりの3次関数
となります。
極大極小の有無で3パターン
\( f'(x)=3ax^2+2bx+c \)の判別式Dが正か0か負で3パターンあります。試験では極大極小がある3次関数のほうが好きだと思われますが、一応極大極小がないパターンもあります。
変曲点に対し点対称
2次関数は軸があり、それに対して左右対称ですが、3次関数には変曲点という点があり、それに関して点対称となっています。変曲点とはf'(x)の符号が変わる点のことで3次関数の場合f''(x)=0となる点のことです。
f''(x)=6ax+2bなので\( \displaystyle \left(-\frac{b}{3a},f\left(-\frac{3b}{a}\right)\right)\)に関して点対称となります
さらにすごい性質が!
\( y=ax^3+bx^2+cx+d \)においてa>0とし、極大極小をもつとする。
・変曲点のx座標をx3
・極大値をとる点のx座標をx2、極小値をとる点のx座標をx4
・x=x2以外で極大値と同じ値をとる点のx座標をx5
・x=x4以外で極小値と同じ値をとる点のx座標をx1とする。
このときx2-x1=x3-x2=x4-x3=x5-x4
問題
なお、これをいきなり示すのはかなり計算量が多いので計算量を減らすテクニックを入れておきます。
それはこの関数をx軸方向に平行移動させてもこの事実の証明には影響がないということを利用し、\(x^2\)の係数を0にします。
x軸方向に\( -\frac{b}{3a}\)平行移動すると\(y=g(x)=ax^3+ex+f\)と書けます。ここからスタートしてみましょう。
答え
g''(x)=6ax=0よりx3=0
\(g'(x)=3ax^2+e \)よりこれを解くと\( \displaystyle x=\pm\sqrt{-\frac{e}{3a}}\)
\( \displaystyle \alpha=\sqrt{-\frac{e}{3a}}\)とおく(極大極小をもつという条件からα>0)
極大極小をもつという条件からe<0がわかります。
y=g(x)の増減表は下の通り
\begin{array}{c|ccccc} x & \cdots & -α & \cdots & α & \cdots \\ \hline g’(x) & + & 0 & – & 0 & + \\ \hline g(x) & \nearrow & g(-α) & \searrow & g(α) & \nearrow \end{array}
よってx2=-α,x4=α
x5はg(x)=g(-α)となるx=-α以外のxなので
\( ax^3+ex+f-g(-\alpha)=(x+\alpha)^2(x-x_5) \)が成り立つ。
解と係数の関係よりx5=2α
同様にしてx1=-2α
よってx2-x1=x3-x2=x4-x3=x5-x4=αとなり題意は成立。
これらの性質は知ってないと解けないというようなものではありませんが,知っておくと見直しに役立ちます。高偏差値を目指す人は知っておいたほうが良いでしょう。偏差値60程度で良ければ覚えなくてもいいレベルです。
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