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上野竜生です。2次関数の問題の中で少し厄介な最大最小問題です。これについて考えてみます。ただし平方完成まではもうできているものとします。そこで躓いている人は平方完成の記事を読んでください。

2次関数の最大・最小問題

最大も最小も可能性は「軸」か「境界」のどちらかです。

なので頭の中で「x=軸」のときと境界のときでどちらが大きいかを考え,それを答案に書いていくことになります。

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2次関数は軸について対称であることも利用します。

境界と軸の距離を計算すれば大小がわかります。場合分けをする基準を露骨に答案に明記することはなく,模範解答を読んでもなぜそこで場合分けするんだよ!!ってなるかもしれませんがそういう場合はこのことが理解できていない,ということになります。では例題を見ていきます。

例題1: y=x2-6x+8の0≦x≦5における最大・最小を求めよ

答えx2-6x+8=(x-3)2-1より軸はx=3

よってグラフを書けば最大はx=0のとき8

最小はx=3のとき-1

2次関数のグラフ

可能性は軸x=3か境界x=0,5です。x=0と軸の距離は3 x=5と軸の距離は2なので最小値からより離れているx=0のほうが最大である。と考えるわけです。

ここからは文字を含んだ場合を考えてみます。

例題2: y=x2-2ax+aの0≦x≦5における最大・最小を求めよ。

軸はx=aです。これが定義域に入っていればそこが最小ですが,入っていない場合,境界の中で軸に近いほうが最小となります。また最大値は軸から最も遠いところになります。

答えf(x)=x2-2ax+a=(x-a)2-a2+aとおく。

最小値について

軸はx=aなのでこれが定義域に入っているかで場合分けをする。

a<0のとき(2次関数の真の最小は軸のときだが,それが定義域に入っていないのでそこに最も近いところを探す。)

最小値はx=0のときf(0)=a

0≦a≦5のとき,(真の最小値が定義域内なので)

最小値はx=aのときf(a)=-a2+a

a>5のとき 最小値はx=5のときf(5)=-9a+25

場合分けするときa=0,5の等号はどちらに入れてもいいです。(両方に入れてもいい。)ただしどちらにも入っていないのはよくないです。どちらかに必ず入れるようにしましょう。

 

次は最大値です。軸が真の最小値なのでそこから最も遠いところになります。すると場合分けをする基準がどこになるかというとx=0とx=5のちょうど真ん中に軸があるときが(軸からx=0の距離と軸からx=5の距離が等しいので)境目になります。これに注意して解答を作ります。

答え最大値について

a<\( \frac{5}{2}\)のとき

(軸から最も離れているのは)x=5のとき最大値f(5)=-9a+25

a=\( \frac{5}{2} \)のとき

(軸から離れているのはx=0,5ともに同じ距離なので)

x=0,5のとき最大値f(0)=f(5)=\( \frac{5}{2} \)

a>\( \frac{5}{2}\)のときはx=0で最大値f(0)=aをとる。

以上をまとめると

a 最大値 最小値
a<0 -9a+25(x=5) a(x=0)
0≦a<2.5 -9a+25(x=5) -a2+a(x=a)
a=2.5 \( \frac{5}{2}\) (x=0,5) -a2+a(x=a)
2.5<a≦5 a(x=0) -a2+a(x=a)
a>5 a(x=0) -9a+25(x=5)

このように5パターンに場合分けすることになります。このことは経験として知っておくといいでしょう。ただしa=2.5のときは最大となるxの値が他と違うので場合分けをしているだけで「最大値とそのときのxの値を求めよ」でなければ前後の場合に含めることができます。

 

例題3: f(x)=x2-6x+8のa≦x≦a+5における最大・最小を求めよ。ただしそのときのxの値を求める必要はない。

真の最小となる、軸はx=3です。これが定義域にあるかないか,なければ左端と右端のどちらが軸に近いかを考えましょう。

最小値について場合分けの基準は軸が定義域内にあるかないか,つまりa≦3≦a+5を満たすかで場合分けです。aについて解くと-2≦a≦3となります。

答えf(x)=(x-3)2-1であるから軸はx=3。

最小値について

a<-2のときは(a+5でもまだx=3に届いていないのでx=a+5が定義域に最も近い)

x=a+5で最小値f(a+5)

-2≦a≦3のとき x=3で最小値f(3)

a>3のときx=aで最小値f(a)

最大値の場合分けの基準は「x=aと軸x=3の距離」と「x=a+5と軸x=3の距離」が等しくなるところです。つまり定義域のちょうど真ん中:x=a+2.5=3のときです。これを解くとa=0.5です。ここを基準に場合分けをします。ただし今度は最大となるxの値は求めなくていいのでa=0.5はa<0.5かa>0.5のどちらかの場合に含めて考えればOKです。

答え最大値について

a≦0.5のときx=aで最大値f(a)
a>0.5のときx=a+5で最大値f(a+5)

f(a+5)=(a+5)2-6(a+5)+8=a2+10a+25-6a-30+8=a2+4a+3より答えは

a 最大 最小
a<-2 f(a)=a2-6a+8 f(a+5)=a2+4a+3
-2≦a≦0.5 f(a)=a2-6a+8 f(3)=-1
0.5<a≦3 f(a+5)=a2+4a+3 f(3)=-1
a>3 f(a+5)=a2+4a+3 f(a)=a2-6a+8

場合分けが多く大変ですが,逆に言うと場合分けしか大変なところはありません。確実に得点できるようにしましょう。

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