上野竜生です。前回放物線に関連する1/6公式・1/12公式を紹介しました。今回はその復習と3次関数の1/12公式をまとめておきます。最後にクイズも用意したので理解度チェックとして挑戦してみてください。
2次関数の1/3公式
$$ \frac{|a|}{3}(\beta-\alpha)^3$$
[証明]
a>0のときこの放物線の式はy=a(x-α)2だから
\( \displaystyle \int_{\alpha}^{\beta} a(x-\alpha)^2 dx \\
\displaystyle =a \int_{0}^{\beta-\alpha} x^2 dx \\
\displaystyle =\frac{a}{3}(\beta-\alpha)^3 \)
aが負のときは符号が逆転するだけなので求める式を得る。
2次関数の1/6公式・1/12公式
前回紹介したものの結果のみを残します。
図の放物線のx2の係数をaとし,3つの破線は「αと書かれた点における放物線の接線」「βと書かれた点における放物線の接線」「αとかかれた点とβと書かれた点を通る直線」である。α,βはその点のx座標である。このとき
赤い部分の面積は\( \displaystyle \frac{|a|}{6}(\beta-\alpha)^3 \)
青い部分の面積は\( \displaystyle \frac{|a|}{12}(\beta-\alpha)^3 \)
さらに2つの接線の交点をCとするとCのx座標は\( \displaystyle \frac{\alpha+\beta}{2} \)
2次関数の1/12公式
これはあまり公式としては使わないほうがいいですが・・・
さらに2つの放物線の交点Cのx座標は\( \displaystyle \frac{\alpha+\beta}{2} \)
[証明] 後半(納得できない人はすべて文字で置いて実際に計算してもOK。なおαと書かれた点を単に点αということにします。)
各放物線の式から接線の式を引くとx軸と点α',β'で2つの放物線が接していることになる。(α',β'はx座標がα,βと同じでy座標が0の点)
よって「Cとα'のy座標の差」=「Cとβ'のy座標の差」である。
x2の係数が等しいのだから「Cとα'のx座標の差」=「Cとβ'のx座標の差」でありCはα',β'の中点であり,α,βの中点である。
前半 点Cからx軸に垂線を引きその線で赤い部分を2分割する。a>0のときのみ示す。
左側の面積は1/3公式より
右側の面積も同様に
(被積分関数を-1倍して積分区間を逆にし,1/3公式を使う。)
よって赤い部分の面積は\( \displaystyle \frac{a}{12}(\beta-\alpha)^3 \)
3次関数の1/12公式
[証明]左のみ示す。aの扱いは今までと同様なのでa=1のときのみ示す。
左のグラフの3次関数の式はy=(x-α)(x-β)2だから部分積分すると
=\displaystyle \left[\frac{1}{3} (x-\alpha)(x-\beta)^3\right]_{\alpha}^{\beta}-\int_{\alpha}^{\beta} \frac{1}{3} (x-\beta)^3 dx \\
=\displaystyle -\int_{\alpha}^{\beta} \frac{1}{3} (x-\beta)^3 dx\\
=\displaystyle -\left[\frac{1}{12}(x-\beta)^4\right]_{\alpha}^{\beta}\\
=\displaystyle \frac{1}{12}(\beta-\alpha)^4 \)
(別解)x-α=(x-β)+(β-α)を使う。
\( \displaystyle \int_{\alpha}^{\beta} (x-\alpha)(x-\beta)^2 dx\\
=\displaystyle \int_{\alpha}^{\beta} \{(x-\beta)+(\beta-\alpha)\}(x-\beta)^2 dx\\
=\displaystyle \int_{\alpha}^{\beta} (x-\beta)^3 + (\beta-\alpha)(x-\beta)^2 dx\\
=\displaystyle \left[\frac{1}{4}(x-\beta)^4 + \frac{1}{3}(\beta-\alpha)(x-\beta)^3\right]_{\alpha}^{\beta}\\
=\displaystyle -\frac{1}{4} (\alpha-\beta)^4 -\frac{1}{3}(\beta-\alpha)(\alpha-\beta)^3\\
=\displaystyle \frac{1}{12}(\beta-\alpha)^3\)
x4以上になっても部分積分を使えば計算できます。応用上は部分積分で導くほうがいいでしょう。
クイズ
さて,ここまでいろんなパターンを紹介しましたが正しく適用できるかクイズを用意しました。今まで紹介したパターンと一見違うように見えても実は適用できる形だった・・・ということのないように練習しておきましょう。
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図はy=f(x)と点(2,f(2)),(8,f(8))を通る直線である。
赤い部分の面積はいくら?
正解です !
間違っています !
A,Bから放物線y=x2の接線を引き,交点をCとする。
このとき赤い部分(三角形ABC)の面積はいくら?
正解です !
間違っています !
y=x3-2x2-2x+7が2点で交わっている。
交点のx座標をα,βとするとき赤い部分の面積はいくらか?
正解です !
間違っています !
上に凸の放物線y=a'x2+b'x+c'が
図のように2点で交わっている。
交点のx座標をα,βとするとき赤い部分の面積はどれか?
正解です !
間違っています !
このとき赤い部分の面積は[ ](β-α)3である。
空欄[ ]に入る定数はどれ?
正解です !
間違っています !
y=x2-9x+28と4x2-81x+412がある。
2つの放物線の共通接線と放物線の交点のx座標は4,10であった。
このとき赤い部分の面積はいくらか?
正解です !
間違っています !
このときy=f(x)と直線y=f(β)で囲まれた赤い部分の面積は
[ ](β-α)4である。空欄に入る値はどれ?
正解です !
間違っています !
正解です !
間違っています !
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