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上野竜生です。昔の番組などでこの問題ができたらIQ○○というような表現を見かけますがどのように計算するのでしょうか?正解率の情報からその問題の偏差値やIQを計算する方法を少し考えてみることにしました。

正解率とIQや偏差値の変換

仮定:k点満点のテストを受験。問題は1問のみ。

偏差値やIQのことをよく理解している人はkなんて意味がないということはわかりますが,一応kという文字でおきます。1問k(>0)点の問題が1問しかないテストを受け,正解なら満点。不正解なら0点のテストを受験したと仮定し,正解した人の偏差値・IQをその問題の偏差値・IQとして呼ぶことにします。

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偏差値やIQの計算式は以下の通り

偏差値=(自分の得点 - 平均点)÷標準偏差 ×10+50

IQ=(自分の得点 - 平均点)÷標準偏差 ×15+100

×15のところを×16で計算する方式もあるようです。そのため×16バージョンも一応計算します。

IQ16=(自分の得点 - 平均点)÷標準偏差 ×16+100

いずれの場合も平均点標準偏差を計算する必要があります。

計算に必要な値を出してみる

ある問題にn人が回答したところa人が正解したとする。この問題の配点をk点とし(k>0),1問しかないk点満点のテストをうけたものとする。

正解率x%

\(\displaystyle x=\frac{a}{n} \times 100=\frac{100a}{n}\)

平均点

平均点は\( \displaystyle \frac{ka}{n} \)

標準偏差

標準偏差=√(分散)

分散=2乗平均-(平均)2ですのでまずは2乗平均を計算します。

2乗平均=\( \displaystyle \frac{k^2a}{n} \)

分散=\( \displaystyle \frac{k^2a}{n} -\left(\frac{ka}{n}\right)^2=\frac{k^2a(n-a)}{n^2} \)

標準偏差=\(\displaystyle \sqrt{\frac{k^2a(n-a)}{n^2}} = \frac{k\sqrt{a(n-a)}}{n} \)

よって問題に正解した人の偏差値などは

偏差値=

\( \displaystyle \frac{k-\frac{ka}{n}}{\frac{k\sqrt{a(n-a)}}{n}} \times 10+50\\ \displaystyle =\frac{n-a}{\sqrt{a(n-a)}}\times 10+50\\ \displaystyle=10\sqrt{\frac{n-a}{a}}+50 \\
=\displaystyle 10\sqrt{\frac{100}{x}-1}+50\)

同様にすると

IQ=\(\displaystyle  15\sqrt{\frac{n-a}{a}}+100=15\sqrt{\frac{100}{x}-1}+100 \)

IQ16=\(\displaystyle 16\sqrt{\frac{n-a}{a}}+100=16\sqrt{\frac{100}{x}-1}+100 \)

と言う結果になりました。このように正解率0%だとどのぐらい難しいのかわからないので偏差値やIQが算出できません。(正解者が存在しないのに正解した人の偏差値を考えること自体おかしい)

そのため最初から正解率x%を計算するときすでにいるn人中a人のデータに新たな挑戦者1人のデータ(1人中1人正解)を加えてn+1人中a+1人正解として

\( \displaystyle x=\frac{100(a+1)}{n+1} \)としておいてもよいでしょう。

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換算公式

√の中が共通なので偏差値がわかればIQがわかりますしその逆も計算できます。

偏差値=\(\frac{2}{3}IQ-\frac{50}{3}=\frac{5}{8}IQ_{16}-\frac{25}{2}\)

IQ=1.5×偏差値+25=\(\frac{15}{16}\)×IQ16+6.25

IQ16=1.6×偏差値+20=\(\frac{16}{15}\)×IQ-\(\frac{20}{3}\)

代入してみると…

まずは正解率10%未満の難問に正解できた場合です。

正解率
x%
偏差値 IQ IQ16
1% 149.5 249.2 259.2
2% 120 205 212
3% 106.9 185.3 191.0
4% 99.0 173.5 178.4
5% 93.6 165.4 169.7
6% 89.6 159.4 163.3
7% 86.4 154.7 158.3
8% 83.9 150.9 154.3
9% 81.8 147.7 150.9

次に10%~50%までの5%刻みです

正解率
x%
偏差値 IQ IQ16
10% 80 145 148
15% 73.8 135.7 138.1
20% 70 130 132
25% 67.3 126.0 127.7
30% 65.3 122.9 124.4
35% 63.6 120.4 121.8
40% 62.2 118.4 119.6
45% 61.1 116.6 117.7
50% 60 115 116

残りは特徴的な数字です。

正解率
x%
偏差値 IQ IQ16
36% 63.3 120 121.3
60% 58.2 112.2 113.1
64% 57.5 111.3 112
70% 56.5 109.8 110.5
75% 55.8 108.7 109.2
80% 55 107.5 108
90% 53.3 105 105.3
99% 51.0 101.5 101.6
100% 50 100 100

今回の仮定はかなり極端な仮定で人数nを固定したとき最も高偏差値がでやすい計算方法となっています。そのため思ったよりも簡単に高偏差値出るじゃん・・・と思ったのではないでしょうか。

実際はたくさんの問題で測るのでもっと中央付近によることになるでしょう。

 

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