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上野竜生です。和積の公式と積和の公式を導出し,それらを使った問題を紹介します。公式は覚えなくても比較的簡単に導出でき,使用頻度も低いです。とにかく和→積・積→和に変換することができる!ということを知りましょう。

和積の公式・積和の公式

公式の導出

三角関数の加法定理より
\(\sin{(x+y)}=\sin{x}\cos{y}+\cos{x}\sin{y}\)
\(\sin{(x-y)}=\sin{x}\cos{y}-\cos{x}\sin{y}\)
辺々加えると
\(\sin{(x+y)}+\sin{(x-y)}=2\sin{x}\cos{y}\)
よって\(\sin{x}\cos{y}=\frac{1}{2}\{ \sin{(x+y)}+\sin{(x-y)}\} \)
sinの加法定理を辺々引き算したりcosの加法定理を足したり引いたりすれば残りの公式も得られる。

積和の公式でA=x+y,B=x-yとおく

\(\sin{A}+\sin{B}=2\sin{\frac{A+B}{2}}\cos{\frac{A-B}{2}}\)
残りの公式も同様に導ける。

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公式

積和の公式

\( \displaystyle \sin{x}\sin{y}=-\frac{1}{2}\{\cos{(x+y)}-\cos{(x-y)}\} \)

\( \displaystyle \sin{x}\cos{y}=\frac{1}{2}\{\sin{(x+y)}+\sin{(x-y)}\} \)

\( \displaystyle \cos{x}\sin{y} =\frac{1}{2}\{ \sin{(x+y)}-\sin{(x-y)}\} \)

\( \displaystyle \cos{x}\cos{y}=\frac{1}{2}\{\cos{(x+y)}+\cos{(x-y)}\} \)

和積の公式

\( \displaystyle \sin{A}+\sin{B}=2\sin{\frac{A+B}{2}}\cos{\frac{A-B}{2}}\)

\( \displaystyle \sin{A}-\sin{B}=2\cos{\frac{A+B}{2}}\sin{\frac{A-B}{2}}\)

\( \displaystyle \cos{A}+\cos{B}=2\cos{\frac{A+B}{2}}\cos{\frac{A-B}{2}}\)

\( \displaystyle \cos{A}-\cos{B}=-2\sin{\frac{A+B}{2}}\sin{\frac{A-B}{2}}\)

 

 

例題

例題1 \(\cos{10°}\cos{50°}\cos{70°}\)の値を求めよ。
答え積和の公式より
\(\cos{50°}\cos{10°}=\frac{1}{2}\cos{60°}+\frac{1}{2}\cos{40°}=\frac{1}{4}+\frac{1}{2}\cos{40°}\)
よって
\(\cos{10°}\cos{50°}\cos{70°}=\frac{1}{4}\cos{70°}+\frac{1}{2}\cos{70°}\cos{40°}\)
\(\cos{70°}\cos{40°}=\frac{1}{2}\cos{110°}+\frac{1}{2}\cos{30°}=\frac{1}{2}\cos{110°}+\frac{\sqrt{3}}{4}\)より
\(\cos{10°}\cos{50°}\cos{70°}=\frac{1}{4}\cos{70°}+\frac{1}{4}\cos{110°}+\frac{\sqrt{3}}{8}\)
\(\cos{110°}=-\cos{70°}\)より
\(\cos{10°}\cos{50°}\cos{70°}=\frac{\sqrt{3}}{8}\)
例題2 次の式を満たすx(0<x<90)を求めよ。
\(\sin{6°}+\cos{36°}=\sin{x°}\)
答え\(\cos{36°}=\sin{54°}\)なので和積の公式より
\(\sin{6°}+\sin{54°}=\sin{54°}+\sin{6°}\\
=2\sin{30°}\cos{24°}=\cos{24°}=\sin{66°}\)
よってx=66

こういうことはめったにないですがsin+cosの和積は何らかの方法でsin+sinやcos+cosにして和積の公式を使うことができます。

 

和積や積和の公式は応用であり滅多に使うことはありませんが三角関数の積の形になってるものは和の形に直せる!・同じ係数の和の形になっていたら積の形に直せる!ということを知っていると応用問題でひらめきやすくなります。なので公式そのものの暗記までは必要ないですが導出はできるようにしましょう。また理系の人は数III三角関数の積分のところで積和の公式を使いますので積和ぐらいはすぐに導けるようにしましょう。

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