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上野竜生です。今回は定積分であらわされた関数の微分を扱います。定積分の中に微分する文字xなどが入っていない場合は明らかに微分すると0ですが積分区間にxが入っている場合を解説します。

定積分の微分

例題

(1) \(\displaystyle \int_{-1}^x te^t dt \)をxで微分せよ。
(2) \(\displaystyle \int_{x^2}^{\sin{x}} t\cos{t}dt \)をxで微分せよ。
答え(1) \(te^t\)の原始関数(不定積分)の1つをF(t)とおくと問題で与えられた関数は
\(F(x)-F(-1)\)とかける。
これをxで微分すると\(\frac{d}{dx}F(x)=xe^x \) (∵F(-1)は定数なので微分すると0)
(2) \(t\cos{t}\)の原始関数(不定積分)の1つをF(t)とおくと問題で与えられた関数は
\(F(\sin{x})-F(x^2)\)とかける。合成関数の微分より\(F'(t)=t\cos{t}\)とおくとxで微分したものは
\(\cos{x}F'(\sin{x})-2xF'(x^2)=\cos{x}\sin{x}\cos{(\sin{x})}-2x^3\cos{x^2}\)

一応地道に計算してみましょう。
(1)
\(\displaystyle \left[te^t \right]_{-1}^x - \int_{-1}^x e^tdt \\
=xe^x + e^{-1}-[e^t]_{-1}^x\\
=xe^x+e^{-1}-e^x+e^{-1} \)
よってxで微分すると
\(xe^x+e^x-e^x=xe^x\)
(2)
\(\displaystyle \left[t\sin{t} \right]_{x^2}^{\sin{x}}-\int_{x^2}^{\sin{x}} \sin{t}dt \\
=\displaystyle \sin{x}\sin{(\sin{x})}-x^2\sin{x^2}+\left[\cos{t} \right]_{x^2}^{\sin{x}}\\
=\sin{x}\sin{(\sin{x})}-x^2\sin{x^2}+\cos{(\sin{x})}-\cos{x^2} \)
これをxで微分すると
\(\cos{x}\sin{(\sin{x})}+\cos{x}\sin{x}\cos{(\sin{x})}-2x\sin{x^2}-2x^3\cos{x^2}-\cos{x}\sin{(\sin{x})}+2x\sin{x^2}\\
=\cos{x}\sin{x}\cos{(\sin{x})}-2x^3\cos{x^2}\)

模範解答の方法なら積分が計算できないタイプでも解けるので地道に解く解法はオススメできません。(積分できないタイプなら地道に解けないため。)
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まとめると次の公式になります。

・\(\displaystyle \int_a^b f(t)dt \)をxで微分すると0

・\(\displaystyle \int_a^x f(t)dt \)をxで微分するとf(x)

・\(\displaystyle \int_{g_1(x)}^{g_2(x)} f(t)dt \)をxで微分すると\( f(g_2(x))g_2'(x)-f(g_1(x))g_1'(x) \)

今の例題のように合成関数の微分の公式に持ち込めば理解はできると思いますが公式として暗記するよりは上の例題の解き方をマスターして合成関数の微分から導けるようにしましょう。

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