相加相乗平均の関係の正しい使い方

上野竜生です。相加相乗平均の関係はよく使いますがいろいろな落とし穴があります。落とし穴にはまらないように気を付けましょう。

相加相乗平均の関係

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相加相乗平均の関係とは

相加相乗平均の関係とは次の性質です。出てくる文字はすべて正の数とします。
(i) \(\displaystyle \frac{a+b}{2} \geq \sqrt{ab} \)
(ii) \(\displaystyle \frac{a+b+c}{3} \geq \sqrt[3]{abc} \)
(iii) \(\displaystyle \frac{a+b+c+d}{4} \geq \sqrt[4]{abcd} \)
いずれも等号成立はすべての文字が等しいとき

以下同様の関係式が成り立ちます。証明はいろいろありますがあまり重要ではないということにしてこれを正しく使うことを考えていきましょう。(本当は証明も面白いですが出題頻度的に後回しにします)

証明も書きました。
相加相乗平均の関係の証明はこちらのページからご覧いただけます。
例題1:\( x>0 \)とする。\( \displaystyle x+\frac{2}{x} \)の最小値を求めよ。

相加相乗平均の関係より \(\displaystyle  x+\frac{2}{x} \geq 2\sqrt{x \cdot \frac{2}{x}}=2\sqrt{2} \)

答えは合っていますがこれだけでは不十分です。等号成立条件を必ずチェックしましょう。特に相加相乗平均の場合,等号成立が成り立たない場合もよく出ます。今回は等号成立は\(\displaystyle x=\frac{2}{x} \)つまり,\( x=\sqrt{2} \)のときなので問題ありません。

このように「最小値」を答える場合
(i) 相加相乗平均などで (求めたい式)≥(定数c)を示す。
(ii) 実際に(求めたい式)=(定数c)が成立するxが存在することを示す。
の2段階行う必要があります。(ii)がないと最小とはいえません。あとで例を出します。

 等号成立条件を確認しないと答えを間違える例

例題2: \( a>0,b>0\)とする。\(\displaystyle \left(a+\frac{2}{b}\right)\left(b+\frac{3}{a}\right) \)の最小値を求めよ。

誤答:相加相乗平均の関係より
\(\displaystyle a+\frac{2}{b} \geq 2\sqrt{\frac{2a}{b}} \)
\(\displaystyle b+\frac{3}{a} \geq 2\sqrt{\frac{3b}{a}} \)
よって求める最小値は\(\displaystyle 2\sqrt{\frac{2a}{b}} \cdot 2\sqrt{\frac{3b}{a}} =4\sqrt{6} \)

これは不十分と言うより不正解です。最小値は\(4\sqrt{6}\)ではありません。

等号成立条件を確認しましょう。1つめの成立条件は\(\displaystyle a=\frac{2}{b}\),つまり\(ab=2\)のとき。
2つめの成立条件は\(ab=3\)のとき。よって\(ab=2=3\)のとき等号は成立・・・なんですがそんなはずはありませんので等号不成立です。

つまり,最小値の(ii)の条件を満たさないのでこの解答は不正解となります。

正答:\(\displaystyle \left(a+\frac{2}{b}\right)\left(b+\frac{3}{a}\right)=ab+2+3+\frac{6}{ab}=5+ab+\frac{6}{ab} \)

相加相乗平均の関係より\(\displaystyle ab+\frac{6}{ab} \geq 2\sqrt{6} \)

等号成立は\(ab=\sqrt{6}\)のとき。このとき最小値は\(5+2\sqrt{6} \)

等号成立条件を確認すれば誤答のようなミスは防げます。

負の場合でも相加相乗平均は使えます!

例題3: x<0とする。\(\displaystyle x+\frac{1}{x}\)の最大値を求めよ。

(-x)>0となることを利用します。
\(\displaystyle (-x)+\frac{1}{(-x)} \geq 2\sqrt{(-x)\cdot \frac{1}{-x}}=2 \)

よって両辺に-1をかけて

\(\displaystyle x+\frac{1}{x} \leq -2\)
(等号成立は)x=-1のとき,最大値-2

相加相乗平均の関係の応用例

相加相乗平均は応用パターンが非常に多いです。最後に1パターンだけ示しますが応用まとめはまた別の記事にします。

例題4(難問) \(x\geq 1\)のとき,\(\displaystyle x^2+\frac{10}{x}\)の最小値を求めよ。

これも誤答例を挙げておきます。

相加相乗平均の関係より
\(\displaystyle x^2+\frac{10}{x} \geq 2\sqrt{10x}  \)

右辺は単調増加なのでx≧1の範囲ではx=1で最小。よって最小値は\( 2\sqrt{10} \)

これも等号成立条件がうまくいっていません。では正しくはどうするのでしょうか・・・?少し難しいですがこうすれば相加相乗平均で解けます。

(正答)

相加相乗平均の関係より
\(\displaystyle x^2+\frac{5}{x}+\frac{5}{x}\geq 3 \sqrt[3]{25} \)
等号成立は\(\displaystyle x^2=\frac{5}{x}=\frac{5}{x}\) ,つまり\(x=\sqrt[3]{5}\)のとき。

これは1以上なので最小値は\(3\sqrt[3]{25}\)

いかがでしたか。初見ではほぼ解けないといってもいいです。逆に言えばこれが解ければかなり差をつけることができます。

相加相乗平均の応用をもっと見たい方は
相加相乗平均の応用問題のページをご覧ください。

クイズ

Q1. 3つの整数9,27,81の相乗平均は整数である。
正しい
誤り

正解です !

間違っています !

Q2. AさんとBさんの意見のうち正しいのはどっちか?

相加相乗平均基本クイズ 問2
両方正しい
Aさんのみ正しい
Bさんのみ正しい
両方誤り

正解です !

間違っています !

Q3

相加相乗基本クイズ3

はt=x2+3とおくとt+(4/t)となり,xが実数全体を動くときt>0なので相加相乗平均の関係を使えばxが実数全体を動くときのf(x)の最小値は4であるとわかる。
正しい
誤り

正解です !

間違っています !

Q4

相加相乗基本クイズ4
正しい
誤り

正解です !

間違っています !

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