立方体を対角線まわりに1回転させてできる回転体の体積

上野竜生です。入試問題の中ではかなりの難問とされる立方体の回転体の問題を解説します。難関大学受験者以外は理解できなくても十分でしょう。

立方体の回転体

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今回考える問題

1辺がaの立方体を対角線を軸に1回転させてできる回転体の体積を求めよ。
(立方体の対角線とは最も遠い2つの頂点を結ぶ線分のことで長さは\( \sqrt{3}a \)です。

まずは座標設定することが第一歩なので座標設定して問題を書きなおしてみます。
座標設定した立方体

O(0,0,0),A1(a,0,0),A2(0,a,0),A3(0,0,a),B1(0,a,a),B2(a,0,a),B3(a,a,0),C(a,a,a)とする。
OCを軸に1回転させてできる回転体の体積を求める。

方針

OC上にOP=tとなる点Pをとり,\(\displaystyle P(\frac{t}{\sqrt{3}},\frac{t}{\sqrt{3}},\frac{t}{\sqrt{3}})\)とする。

OPに垂直な平面で立方体の切断をしたときの切り口を考える。

PがOに近いときとCに近いときは単純な正三角形,真ん中付近はやや複雑な形となる。

<PがOに近いとき> (右は見やすい角度から書き直した図)

PがOに近いとき PがOに近いとき 見やすい角度から

<Pが中心付近> (右は見やすい角度から書き直した図)
切り口は1番左の図の黒い実線で書かれた六角形であり,Pから最も遠い点Hは六角形のどこかの頂点(どれでも良い)です。その頂点は立方体の辺上にあります(1番右の図参照)

Pが中心付近 Pが中心付近 見やすい角度から

切り口の図形のうち,Pから最も遠い点をHとする。(結果としてHは立方体の辺上にある

このHの座標を計算する。つまり立方体の辺上にHがあるときOCとPHが垂直である条件からHを求める。

対称性より真ん中(つまり\(\displaystyle t=\frac{\sqrt{3}a}{2} \))まで考えて2倍すれば良い。求める体積は

\( \displaystyle 2\int_0^{\frac{\sqrt{3}a}{2}} \pi PH^2 dt \)

で求められる。あとは「Oに近いとき」「真ん中付近」の境界を求め,それぞれ場合分けして考えればよい。

なお,回転体そのものの形は求める必要がありませんが求めると,この記事のサムネのような形になります。

解答

OC上の点Pを\(\displaystyle (\frac{t}{\sqrt{3}},\frac{t}{\sqrt{3}},\frac{t}{\sqrt{3}})\)とおき,OCに垂直な平面でPから最も遠い点の座標を求める。

計算を簡単にするため,対称性より立方体の中心まで求めて2倍する。

(i) \(\displaystyle 0\leq t< \frac{a}{\sqrt{3}}\)のとき
最も遠いのはOA1,OA2,OA3上の点である。
OA1上の点をH(\(\alpha\),0,0)とおき垂直条件\( \vec{OC}\cdot \vec{PH}=0 \)から\( \alpha \)を求める。
\( \vec{OC}=(a,a,a) , \vec{PH}=(\alpha-\frac{t}{\sqrt{3}}, -\frac{t}{\sqrt{3}} , -\frac{t}{\sqrt{3}}) \)より
\( a(\alpha-\frac{t}{\sqrt{3}}-\frac{t}{\sqrt{3}}-\frac{t}{\sqrt{3}})=a(\alpha-\sqrt{3}t)=0 \)
\(∴ \alpha=\sqrt{3}t \)・・・(★)
\( \vec{PH}=( \frac{2t}{\sqrt{3}}, -\frac{t}{\sqrt{3}}, -\frac{t}{\sqrt{3}}) \)なので
\( |PH|=\sqrt{(\frac{2t}{\sqrt{3}})^2+(-\frac{t}{\sqrt{3}})^2+(-\frac{t}{\sqrt{3}})^2}=\sqrt{2t^2}=\sqrt{2}t\)

よってこの範囲での回転体の体積は
\( \displaystyle \int_0^{\frac{a}{\sqrt{3}}} \pi PH^2 dt \\
=\displaystyle \int_0^{\frac{a}{\sqrt{3}}} 2\pi t^2 dt\\
=\displaystyle \frac{2\pi}{3} \left(\frac{a}{\sqrt{3}}\right)^3\\
=\displaystyle \frac{2\sqrt{3}}{27}\pi a^3 \)

この解答ではいきなり場合分けの境目が\( \frac{a}{\sqrt{3}} \)とわかってるかのような書き方ですが実際には(★)まで計算したうえで
H(α,0,0)がOA1上にある条件からα≦aを解いて得ています。
なので答案としては1度場合分けの境目は空白にして解き進め,(★)までたどり着いたらわかるという感じでもあります。

(ii) \( \displaystyle \frac{a}{\sqrt{3}} <t\leq  \frac{\sqrt{3}a}{2}\)のとき
最も遠いのはA1B2,A1B3,A2B1,A2B3,A3B1,A3B2上の点である。
A1B2上の点をI(a,0,\(\beta\))とおき垂直条件\( \vec{OC}\cdot \vec{PI}=0 \)から\( \beta \)を求める。
\( \vec{OC}=(a,a,a) , \vec{PI}=(a-\frac{t}{\sqrt{3}}, -\frac{t}{\sqrt{3}} , \beta-\frac{t}{\sqrt{3}}) \)より
\( a(a-\frac{t}{\sqrt{3}}-\frac{t}{\sqrt{3}}+\beta-\frac{t}{\sqrt{3}})=a(a+\beta-\sqrt{3}t)=0 \)
\(∴ \beta=\sqrt{3}t-a \)
\( \vec{PI}=( a-\frac{t}{\sqrt{3}}, -\frac{t}{\sqrt{3}}, \frac{2t}{\sqrt{3}}-a) \)なので
\( |PI|=\sqrt{(a-\frac{t}{\sqrt{3}})^2+(-\frac{t}{\sqrt{3}})^2+(\frac{2t}{\sqrt{3}}-a)^2}\\
\displaystyle =\sqrt{a^2-\frac{2at}{\sqrt{3}}+\frac{t^2}{3}+\frac{t^2}{3}+a^2-\frac{4at}{\sqrt{3}}+\frac{4t^2}{3}}\\=\displaystyle \sqrt{2a^2-2\sqrt{3}at+2t^2}\)

よってこの範囲での回転体の体積は
\( \displaystyle \int_{\frac{a}{\sqrt{3}}}^{\frac{\sqrt{3}a}{2}} \pi PI^2 dt \\
=\displaystyle \int_{\frac{a}{\sqrt{3}}}^{\frac{\sqrt{3}a}{2}} \pi (2a^2-2\sqrt{3}at+2t^2) dt\\
=\displaystyle \pi\left[2a^2t-\sqrt{3}at^2+\frac{2}{3}t^3\right]_{\frac{a}{\sqrt{3}}}^{\frac{\sqrt{3}a}{2}}\)

\( F(t)=2a^2t-\sqrt{3}at^2+\frac{2}{3}t^3 \)とおくと
\( F(\frac{\sqrt{3}a}{2})=\sqrt{3}a^3 – \frac{3\sqrt{3}}{4}a^3+\frac{\sqrt{3}}{4}a^3=\frac{\sqrt{3}}{2}a^3 \)
\( F(\frac{\sqrt{3}a}{3})=\frac{2\sqrt{3}}{3}a^3-\frac{\sqrt{3}}{3}a^3+\frac{2\sqrt{3}}{27}a^3=\frac{11\sqrt{3}}{27}a^3 \)

よって体積は
\( \pi(F(\frac{\sqrt{3}a}{2})-F(\frac{\sqrt{3}a}{3})) \\
=\pi(\frac{\sqrt{3}}{2}a^3-\frac{11\sqrt{3}}{27}a^3)\\
=\frac{5\sqrt{3}}{54}\pi a^3 \)

以上より全体の体積は
\(\displaystyle 2(\frac{2\sqrt{3}}{27}\pi a^3+\frac{5\sqrt{3}\pi a^3}{54})=\frac{\sqrt{3}}{3}\pi a^3 \)

かなりの難問です。なお,OやCに近いところの立体は円錐です。なので底面積×高さ÷3で求めることも可能です。中央は円柱や円錐ではないので積分するしかないでしょう。

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