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上野竜生です。正五角形は対角線も含めたあらゆる角度が36°の倍数になっています。角度に注意すればすぐに相似な図形が見つかります。

ただし,36°の倍数の三角関数は求められなくはないですが複雑なので求めさせることは少ないですが三角関数のまま残して比較したりすることは考えられます。

正五角形

 

1辺がaの正五角形の対角線の長さは?

正五角形参考図

 

対角線の長さAC=AD=xとおき,三角形ACDと点Gに着目します。

1辺の長さがaなのでCD=a

△CDGと△GACはどちらも二等辺三角形なのでCG=AG=aです。

GD=AD-AG=x-aとなります。

ここで3つの角が等しいから△ACDと△CDGは相似

AC:CD=CD:DG つまりx:a=a:(x-a)となります。

よってx(x-a)=a2となり2次方程式

x2-ax-a2=0を解くと\(\displaystyle x=\frac{a\pm \sqrt{a^2+4a^2}}{2}=\frac{1\pm \sqrt5}{2}a \)

x>0より\( \displaystyle x=\frac{1+\sqrt5}{2}a \)となります。

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1辺がaの正五角形。対角線をひいたとき真ん中にできる正五角形の1辺の長さは?

図の赤い五角形の一辺の長さを求めます。

求めるのはGHです。上と同様対角線の長さをxとしています。

AD=x , AH=GD=x-aより

GH=x-2(x-a)=2a-x

\( \displaystyle x=\frac{1+\sqrt5}{2}a \)より\(\displaystyle GH=\frac{3-\sqrt5}{2}a \)

1辺がaの正五角形の面積は?

出せなくはないですが結構汚くなります。面積を直接答える問題ではなく何かまだ続きがある問題であれば三角関数を残した形で考えるのもアリでしょう。

正五角形の中心(重心)をOとし,外接円の半径(OA=)Rとする。

三角形ACDに着目すると∠CAD=36°なので正弦定理より

\( \displaystyle 2R=\frac{a}{\sin{36°}} \)

三角形OCDの面積は\( \frac{1}{2}R^2 \sin{72°} \)だから

正五角形の面積は

\(\displaystyle \frac{5}{2}R^2\sin{72°}=\frac52 \left(\frac{a}{2\sin{36°}}\right)^2\sin{72°}=\frac{5a^2 \sin{72°}}{8(\sin{36°})^2} \)

2倍角の公式より

\(\displaystyle \frac{5a^2}{8} \frac{2\sin{36°}\cos{36°}}{(\sin{36°})^2}=\frac{5a^2}{4}\frac{\cos{36°}}{\sin{36°}} \)

あとは三角関数の中身を計算すればよい。(正五角形の図は下にもあるので適宜参照してください)

AB=aとし,AからBEにおろした垂線の足をKとおく。(つまりKはIHの中点)

∠ABK=36°だから直角三角形ABKにおいて

BK=acos36°=\(\frac{x}{2}\) (Kは対角線BEの中点。xは対角線の長さ)

ここから\(\displaystyle \cos{36°}=\frac{1+\sqrt5}{4} \)と求まるから

\( \displaystyle \frac{\cos{36°}}{\sin{36°}} \\
\displaystyle = \frac{\frac{1+\sqrt5}{4}}{\sqrt{1-(\frac{1+\sqrt5}{4})^2}} \\
\displaystyle =\frac{1+\sqrt5}{\sqrt{16-(1+\sqrt5)^2}}\\
\displaystyle =\frac{1+\sqrt5}{\sqrt{10-2\sqrt5}}\\
\displaystyle = \frac{(1+\sqrt5)\sqrt{10+2\sqrt5}}{4\sqrt5} \\
\displaystyle = \frac{\sqrt{(6+2\sqrt5)(10+2\sqrt5)}}{4\sqrt5} \\
\displaystyle = \frac{\sqrt{80+32\sqrt5}}{4\sqrt5}\\
\displaystyle = \frac{\sqrt{5+2\sqrt5}}{\sqrt5} \\
\displaystyle = \frac{\sqrt{25+10\sqrt5}}{5} \)

よって正五角形の面積は

\( \displaystyle \frac{5a^2}{4} \frac{\cos{36°}}{\sin{36°}}=\frac{a^2}{4}\sqrt{25+10\sqrt5}\)

ちなみに正弦定理を使わなくても
\(\displaystyle \frac{\cos{36°}}{\sin{36°}}=\frac{1}{\tan{36°}}=\tan{54°} \)なので
△OCDに着目しOからCDに降ろした垂線の長さが\(\frac{a}{2}\)tan54°(∠OCD=54°)
であることからも計算できます。どちらにしても最後の三角関数の計算は避けられません。

 

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正五角形の対角線を結んでできる★の部分と残りの部分,どちらが広い?

正五角形参考図

赤+黄色の部分 と ABCDE内の白い部分 の対決です。

正五角形の面積をSとします。

赤い部分の面積

五角形ABCDEとFGHIJは相似なので相似比AB:GH=1:\( \frac{3-\sqrt5}{2}\)より

面積比は1:\(\frac{14-6\sqrt5}{4}\)

よって赤い部分の面積は\( \frac{7-3\sqrt5}{2}S \)

以上より白+黄色の面積は\( S-\frac{7-3\sqrt5}{2}S=\frac{3\sqrt5-5}{2}S\)

白:黄色の面積比

白い部分と黄色い部分はどちらも5個ずつなので

白い5か所の面積の和:黄色い5か所の面積の和=白1個の面積:黄色1個の面積

=△ABI:△AIH=BI:IHである(底辺をBI,IHと見たときの「高さ」が等しいので)

BI=x-a , IH=2a-xより

黄色の面積=(白+黄色)×\( \frac{IH}{BH} \)

\( \displaystyle = \frac{3\sqrt5-5}{2}S \cdot \frac{\frac{3-\sqrt5}{2}a}{a}=\frac{7\sqrt5-15}{2}S \)

白い面積=(白+黄)-黄=\( \frac{3\sqrt5-5}{2}S-\frac{7\sqrt5-15}{2}S=(5-2\sqrt5)S \)

まとめると

面積 割合
\( \frac{7-3\sqrt5}{2}S\) 14.58%
\( \frac{7\sqrt5-15}{2}S\) 32.62%
\( (5-2\sqrt5)S \) 52.79%

\(\displaystyle S=\frac{a^2}{4}\sqrt{25+10\sqrt5}\)

赤+黄色=\( (2\sqrt5-4)S < \frac{S}{2} \)なので白いほうが面積は広いです。

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