極限の計算 その3(応用編)

上野竜生です。極限の計算の応用パターンをまとめました。基本的には今までに3回ほどでやったことで十分です。それを見ていない人はそちらからご覧ください。

極限の求め方 応用編

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微分係数の定義を利用

微分係数の定義は次の通り。

\( \displaystyle \lim_{x \to a} \frac{f(x)-f(a)}{x-a}=f'(a) \)
\( \displaystyle \lim_{h \to 0} \frac{f(a+h)-f(a)}{h}=f'(a) \)
例題 \( \displaystyle \lim_{x \to \frac{\pi}{2}} \frac{\sin{x}-1}{x-\frac{\pi}{2}} \)
答え微分係数の定義\( \displaystyle \lim_{x \to a} \frac{f(x)-f(a)}{x-a}=f'(a) \)に
f(x)=sinx , a=\( \frac{\pi}{2} \)を代入したものであるから
\( f'(\frac{\pi}{2})=\cos{\frac{\pi}{2}}=0 \)

区分求積法

\( \displaystyle \lim_{n \to \infty} \frac{1}{n} \sum_{k=1}^n f\left( \frac{k}{n} \right) = \int_0^1 f(x)dx \)

イメージは\( f(\frac{k}{n})\cdot \frac{1}{n} \)で縦の長さが\( f(\frac{k}{n}) \),横の長さが\( \frac{1}{n} \)の長方形の面積になります。これをk=1からnまでn個足すとほとんどf(x)の面積に等しくなり,nの極限を取ると完全に一致するようになります。

積分区間の0→1については少し注意する必要があります。Σの最初と最後に注目します。今回はk=1→nです。k=1のとき\( f(\frac{k}{n})=f(\frac{1}{n})≒f(0) \),k=nのとき\(f(\frac{k}{n})=f(\frac{n}{n})=f(1) \)なので0→1までの積分です。

例題 \( \displaystyle \frac{1}{n} \sum_{k=2n}^{5n-1} \sin{\frac{k}{n}} \)

f(x)=sinxとおけばいいのは気づきますがΣの中がk=2n→5n-1となっています。k=2nのときf(k/n)=f(2)で,k=5n-1のときf(k/n)→f(5)(n→∞)になることに注意すると積分区間は2→5になります。これに注意して解答を作成しましょう。

答えf(x)=sinxとおくと求める和は
\( \displaystyle \int_2^5 f(x) dx = [-\cos{x}]_2^5=\cos{2}-\cos{5} \)

ぱっと見で公式の形に似てるけどちょっと違うな・・・ってときは無理やり公式の形に変形してみましょう。

数列の極限

数列の極限を求めるときは一般項が求められるなら求めても良いです。しかし一般項を求められないこともあります。そういうときは次のように解きます。

1. 漸化式のan+1やanなどの項をすべてαにおきかえてできる式を解く。以下この値をαとおく。
2. |an+1-α|≦0.99|an-α|を示す。

0.99のところは1未満であれば何でも良い。ただしきちんとした数でおさえること。rでおさえてr<1を示すだけでは少し不十分。(rがnによらない定数であることを示せばOKだがnに依存する可能性がある場合はダメ。ややこしくなるのでrなどの文字ではなく数字でおさえたいところ。)

3. 2.の関係式を繰り返し用いると
|an-α|≦0.99|an-1-α|≦0.992|an-2-α|≦・・・≦0.99n-1|a1-α|

この一番右の式はn→∞のとき0に収束する。よって\(\displaystyle \lim_{n \to \infty} |a_n -\alpha|=0 \)となり\(\displaystyle \lim_{n\to \infty}=\alpha \)となる。

この流れは超難関大学だと誘導なしで出題され,中堅大学ぐらいだと誘導されて出てきます。まずは誘導つきの問題でできるようにしておき(誘導があればさほど難しくない),解法を暗記しておくことが重要です。

ロピタルの定理

ロピタルの定理とは次のような定理です。ただし最初の前提条件などが複雑でそこが重要なので他のやり方で解ける場合はそのやり方で解き検算に使う,あるいはどうしても他のやり方でできなかった場合に使う程度にしておきましょう。なお数検1級1次のような答えのみの場合は積極的に使いましょう。

\( \displaystyle \lim_{x\to a} \frac{g(x)}{f(x)} \)を求めるとき\( \displaystyle \frac{g(a)}{f(a)} \)が不定形なら
\( \displaystyle \lim_{x \to a} \frac{g(x)}{f(x)}=\lim_{x \to a} \frac{g'(x)}{f'(x)} \)
aは定数以外にも∞などでもOKです。不定形とは0/0や ∞/∞など単に値を代入するだけでは極限がわからない形のものです。単に値を代入すれば値が定まる場合,ロピタルの定理を使うと誤った値が導かれます。そういった点もあり記述式では使いにくい定理です。
例題(さっきと同じ)\( \displaystyle \lim_{x \to \frac{\pi}{2}} \frac{\sin{x}-1}{x-\frac{\pi}{2}} \)

先ほど示した微分係数の定義のやり方が思いつけばそちらを書くべきです。思いつかなかった場合,次のような解答でごまかすことになります。

答え\( \displaystyle \frac{\sin{\frac{\pi}{2}}-1}{\frac{\pi}{2}-\frac{\pi}{2}}=\frac{0}{0} \)は不定形だからロピタルの定理より
\(\displaystyle \lim_{x \to \frac{\pi}{2}} \frac{\sin{x}-1}{x-\frac{\pi}{2}}=\lim_{x \to \frac{\pi}{2}}\frac{\cos{x}}{1}=0 \)

これで極限に関する項目はすべて学習したことになるでしょう。

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