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上野竜生です。今回は数IIIの積分の計算方法をまとめてみました。定石どおりにいかない積分ももちろんありますがそれは入試ではあまり問われません。

 

 

(1)まずは可能な限り複雑な部分を展開・有理化・約分して積分できる部分は積分する。

<三角関数を含まない場合>

(2) \( \sqrt{a^2-x^2}\) があればx=asinθ, \(\displaystyle \frac{1}{x^2+a^2}\)があればx=atanθと置換する。
(3) それ以外のルートの関数は√の中身orルート丸ごとtとおく。
(4) \(e^x\)が出てきたら\(t=e^x\)とおいてみる。多項式×指数関数なら指数関数を部分積分(多項式を微分・指数関数を積分)
(5) 対数関数が出たら部分積分!対数のほうを微分、残りを積分する。1×logf(x)と考える場合もアリ!
(6) 分数関数はまず分子の次数を下げて部分分数分解!その結果分母が2次式になったら平方完成して(2)の形に帰着させる!

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<三角関数を含む場合>

・多項式×三角関数の場合は部分積分(多項式を微分)
・指数関数×三角関数の場合も部分積分!2回繰り返すと同じ形が出てくるので移項して整理
・三角関数×三角関数の場合は積和の公式を使って和の形にする
・三角関数の公式を使うことでf(sinθ)cosθ・f(cosθ)sinθの形に変形できるならそのように変形してt=sinθ,t=cosθとおく!
・うまくいかない場合t=tanθ or t=tan(θ/2)とおく

・(1)で何か誘導っぽいものがついていたらそれを何とか利用できないか考える
・最後は今までの経験から直感で公式が使えるような形に変形する

 

知っておきたい計算結果

絶対に知らなければならない基本結果はこの章の最初に述べた通りです。今回は標準~応用レベルの結果を紹介します。どれも導出可能ですが比較的頻出であることとこれらの結果を知っておけばさらに1段上の応用問題になった時に考えやすくなるのである程度眺めておくことを推奨します。うろ覚えになりやすいのでその場合は思い出した積分結果を微分して元の関数に戻るかで検算しましょう。

覚えておくと有利な結果(不定積分編)

・\(\displaystyle \int \log{x}dx =x\log{x}-x+C \)
・\(\displaystyle \int \tan{x}dx=-\log{|\cos{x}|}+C \)
・\(\displaystyle \int \frac{1}{\tan{x}}dx=\log{|\sin{x}|}+C \)
・\(\displaystyle \int \frac{1}{\sin{x}}dx=\frac{1}{2} \log{\frac{1-\cos{x}}{1+\cos{x}}}+C \)
・\(\displaystyle \int \frac{1}{\cos{x}}dx=\frac{1}{2}\log{\frac{1+\sin{x}}{1-\sin{x}}}+C \)
・\(\displaystyle \int e^{ax}\sin{bx} dx =\frac{e^{ax}}{a^2+b^2}(a\sin{bx}-b\cos{bx})+C \)
・\(\displaystyle \int e^{ax}\cos{bx} dx =\frac{e^{ax}}{a^2+b^2}(a\cos{bx}+b\sin{bx})+C \)

・\(\displaystyle \int \frac{1}{x^2-a^2} dx = \frac{1}{2a} \log{|\frac{x-a}{x+a}|}+C \)
・\(\displaystyle \int \frac{1}{\sqrt{x^2+a^2}} dx = \log{(x+\sqrt{x^2+a^2})}+C \)
・\(\displaystyle \int \frac{1}{\sqrt{x^2-a^2}} dx = \log{|x+\sqrt{x^2-a^2}|}+C \)
・\(\displaystyle \int \sqrt{x^2+a^2} dx = \frac{1}{2}\{ x\sqrt{x^2+a^2} + a^2\log{(x+\sqrt{x^2+a^2})} \}+C \)
・\(\displaystyle \int \sqrt{x^2-a^2} dx =\frac{1}{2} \{ x\sqrt{x^2-a^2} -a^2 \log{| x+\sqrt{x^2-a^2} |} \}+C \)

覚えておくと有利な結果(定積分編)

arcsinxはsinxの逆関数・arctanxはtanxの逆関数です。これらの関数は高校では習わないので不定積分として表せませんが特殊な値を代入させた定積分では出題されることがあります。
・\(\displaystyle \int \frac{1}{x^2+a^2} dx =\frac{1}{a}\arctan{\frac{x}{a}}+C \)
・\(\displaystyle \int \frac{1}{\sqrt{a^2-x^2}} dx =\arcsin{\frac{x}{a}}+C \)
・\(\displaystyle \int \sqrt{a^2-x^2} dx =\frac{1}{2}( x\sqrt{a^2-x^2} + a^2\arcsin{\frac{x}{a}} )+C \)

・\(\displaystyle \int_0^{\frac{\pi}{2}} \sin^n{x} dx =\int_0^{\frac{\pi}{2}} \cos^n{x}dx \)
nが奇数のとき\(\displaystyle \frac{(n-1)!!}{n!!} \)
nが偶数のとき\(\displaystyle \frac{(n-1)!!}{n!!}\cdot \frac{\pi}{2} \)
ただしn!!=n・(n-2)・(n-4)・・・(n以下の正の整数のうちnと偶奇が一致するものすべての積)

直交性
・\(\displaystyle \int_{-\pi}^{\pi} \sin{mx}\cos{nx}=0 \)
・\(\displaystyle \int_{-\pi}^{\pi} \sin{mx}\sin{nx}=\int_{-\pi}^{\pi} \cos{mx}\cos{nx} \)
n=mのとき\( \pi \) n≠mのとき0
つまりsinmxなどの関数を2つかけた感じの\( -\pi \to \pi \)の積分はm=nかつsinどうしまたはcosどうしだった場合に限り\(\pi \),それ以外は0。

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