分数関数の積分

上野竜生です。分数関数の積分の計算方法を紹介します。

分数関数の積分

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分数関数の積分の計算方法

1 分子の次数が分母の次数より低くなるように割り算を実行しておく
2 分母が因数分解できるなら因数分解して部分分数分解する
3 分解したそれぞれは\(\displaystyle \int \frac{f'(x)}{f(x)}dx = \log{|f(x)|}+C\)で計算できる(特に分母が1次式なら\(\displaystyle \int \frac{1}{ax+b} dx =\frac{1}{a}\log{|ax+b|}+C\)となる。)
4 [定積分のとき]分母が2次式なら平方完成して\(X^2+a^2\)の形にし,\(X=a\tan{\theta}\)と置換積分する。

3については一般にはできるとは限りませんが試験に出るようなものは基本的にできます。

例題1 不定積分

次の不定積分を計算せよ。
(1) \(\displaystyle \int \frac{4x^2+9}{2x+3}dx\)  (2) \(\displaystyle \int \frac{dx}{x^2-1} \)
(3) \(\displaystyle \int \frac{4x+2}{x(x+1)(x+2)}dx\)  (4) \(\displaystyle \int \frac{x^2+x+1}{x^2(x^2+1)}dx\)
答え(1)
\(\displaystyle \int \frac{4x^2+9}{2x+3}dx \\ \displaystyle \int \left( 2x-3+\frac{18}{2x+3} \right) dx \\ =x^2-3x+9\log{|2x+3|}+C \)
(2)
\(\displaystyle \int \frac{dx}{x^2-1} \\= \displaystyle \frac{1}{2} \int \left( \frac{1}{x-1}-\frac{1}{x+1} \right) dx \\ =\displaystyle \frac{1}{2}\log{|x-1|}-\frac{1}{2}\log{|x+1|}+C \)
(3)
\(\displaystyle \int \frac{4x+2}{x(x+1)(x+2)}dx \\ = \displaystyle \int \left(\frac{1}{x}+\frac{2}{x+1}-\frac{3}{x+2} \right) dx \\ =\displaystyle \log{|x|}+2\log{|x+1|}-3\log{|x+2|}+C \)
(4)
\(\displaystyle \int \frac{x^2+x+1}{x^2(x^2+1)}dx \\ =\displaystyle \int \left( \frac{1}{x}+\frac{1}{x^2}-\frac{x}{x^2+1} \right) dx \\ \displaystyle = \log{|x|}-\frac{1}{x}-\frac{1}{2}\log{(x^2+1)}+C\)

最初の変形を当たり前のように書いていますが(1)では割り算の実行・(2)以降は部分分数分解をしています。
(2) 分母の\(x^2-1=(x-1)(x+1)\)と因数分解できるので
\(\displaystyle \frac{1}{x^2-1}=\frac{A}{x-1}+\frac{B}{x+1} \)とおける。あとは数値代入法でも,分母分子\((x^2-1)\)をかけて
\(1=A(x+1)+B(x-1)=(A+B)x+(A-B)\)として係数比較してもいいでしょう。すると\(A=\frac{1}{2} , B=-\frac{1}{2} \)が得られます。
(3)では
\(\displaystyle \frac{4x+2}{x(x+1)(x+2)}=\frac{A}{x}+\frac{B}{x+1}+\frac{C}{x+2}\)の形にまではすぐにできます。あとは分母を払うと
\( 4x+2=A(x^2+3x+2)+B(x^2+2x)+C(x^2+x)=(A+B+C)x^2+(3A+2B+C)x+2A \)となるので係数比較するとA=1,B=2,C=-3となります。
(4)では
\(\displaystyle \frac{x^2+x+1}{x^2(x^2+1)}=\frac{A}{x}+\frac{B}{x^2}+\frac{Cx+D}{x^2+1} \)の形まではすぐに変形できます。分母を払うと
\(x^2+x+1=A(x^3+x)+B(x^2+1)+Cx^3+Dx^2=(A+C)x^3+(B+D)x^2+Ax+B \)となるのでA=1,B=1,C=-1,D=0となります。
これらの計算を裏で(計算用紙に)やっていて結果のみを解答用紙に書いているのです。(同値であることは右辺から左辺を計算すれば明らかなので証明不要)
なお(4)では分母が2次式以上の分数が残っていますが普通\(\displaystyle \int \frac{f'(x)}{f(x)}dx = \log{|f(x)|}+C\)の形以外は不定積分が求まりません。

なお不定積分が求まらなくても定積分は求まる場合があります。

例題2 定積分

次の定積分を計算せよ。
(1) \(\displaystyle \int_2^3 \frac{dx}{x^2-4x-5} \)  (2) \(\displaystyle \int_2^3 \frac{dx}{x^2-4x+5} \)
答え(1)
\(\displaystyle \int_2^3 \frac{dx}{x^2-4x-5} \\ =\displaystyle \frac{1}{6}\int_2^3 \left(\frac{1}{x-5}-\frac{1}{x+1} \right)dx \\ =\displaystyle \frac{1}{6} \left[\log{|x-5|}-\log{|x+1|} \right]_2^3 \\ =\displaystyle \frac{1}{6}( \log{2}-\log{4}-\log{3}+\log{3})=-\frac{1}{6}\log{2} \)
(2)
\(\displaystyle \int_2^3 \frac{dx}{(x-2)^2+1} \)
\(x-2=\tan{\theta} \)とおくと\(\displaystyle dx=\frac{1}{\cos^2{\theta}}d\theta \)
\(\displaystyle \int_0^{\frac{\pi}{4}} \frac{1}{\tan^2{\theta}+1}\cdot \frac{d\theta}{\cos^2{\theta}} \\ =\displaystyle \int_0^{\frac{\pi}{4}} d\theta=\frac{\pi}{4} \)

(1)も分母を\((x-2)^2-9\)と変形できるので\(x-2=3\sin{\theta} \)とおけば置換積分もできます。しかしそのあとの積分で部分分数分解をするので完全なる二度手間です。
(2)は分母が因数分解できず分子が分母の微分の形でもないので高校範囲では不定積分が計算できませんが定積分なら計算できます。平方完成すると分母が\(X^2+a^2\)の形になるのでX=atanθとおく置換積分が使えます。

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