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上野竜生です。三角方程式は解けるのに三角不等式は解けない(符号の向きを間違える)という人のために解き方を紹介したいと思います。

まず,三角方程式は解けるということが前提になります。

三角不等式の解き方

基本的な式で間違えない

たとえば

\(\displaystyle \sin{x}>\frac{1}{2} \)

などが解けないと話になりません。これを解決する方法は単位円を書くか、y=sinxのグラフを書いて考えることです。

y=sinxのグラフを書く場合

「y=sinx」のグラフと「y=\(\displaystyle \frac{1}{2}\)」のグラフを1つに書きます。

交点のx座標を求めます。

あとは不等号の向きから、どちらが大きいか判断し、条件を満たす部分にしるしをつけます。

その部分を表す不等式を求めれば完成です。
sinx>0.5解説1

単位円を書く場合

次の基本的なことに注意します:
単位円\(x^2+y^2=1\)上の点(x,y)は\( x=\cos{\theta} , y=\sin{\theta} \)とおける。

もちろんx=sinθ,y=cosθでもいいのですがその場合θの向きがやこしくなるのでxのほうがcosと覚えておきましょう。

単位円と「y=\(\frac{1}{2}\)」のグラフを書き、条件を満たす部分を太く塗ってみます。

その部分を表す不等式を求めればOKです。

sinx>0.5解説2

tanの不等式を単位円で解く場合

例題:\(0<x<\pi \)のとき、\( \tan{x} > \sqrt{3}\)を解け。

\( \tan{x}=\sqrt{3} \)の解は\(\displaystyle x=\frac{\pi}{3} \)=60°です。

tanは直線の傾きで表すことができます。ただし、y軸のところで傾きは不連続になることに注意しましょう。見えない条件「x<\( \frac{\pi}{2} \) 」を忘れずにしましょう。

tanx>ルート3解説

答えは\( \frac{\pi}{3}<x<\frac{\pi}{2} \)となります。

 

以下ではここまでの基本的な不等式は解けるとします。

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パターン2:範囲が複雑な場合

このような問題は1度範囲を無視して全部で解き、最後に範囲を満たすものをとる(A)のが確実です。または、式変形する段階で範囲を追っていく方法(B)もあります。(A)は最後がややこしいので基本的に(B)の解法をとるようにしましょう。

例題:\(\displaystyle \frac{\pi}{6}<x<\frac{\pi}{4}\)のとき、\(\displaystyle \sin{\left(5x-\frac{\pi}{2}\right)}>\frac{\sqrt{3}}{2}\)を解け。

\(\displaystyle 5x-\frac{\pi}{2} =X\)とおきます。

(A)のやり方の場合:

\(\displaystyle \sin{X}>\frac{\sqrt{3}}{2}\)を全範囲で解くと\(\displaystyle 2\pi n + \frac{\pi}{3} < X < 2\pi n + \frac{2\pi}{3}\) (nは整数)

つまり、\(\displaystyle 2\pi n + \frac{\pi}{3} < 5x-\frac{\pi}{2} < 2\pi n +\frac{2\pi}{3} \)となるから

\(\displaystyle 2\pi n +\frac{5\pi}{6} < 5x < 2\pi n + \frac{7\pi}{6} \)

\(\displaystyle \frac{2}{5} \pi n + \frac{\pi}{6} < x < \frac{2}{5}\pi n + \frac{7\pi}{30} \)

\(\displaystyle \frac{\pi}{6}<x<\frac{\pi}{4}\)より、\(\displaystyle \frac{\pi}{6} < x < \frac{7\pi}{30} \)

 

(B)のやり方の場合

\(\displaystyle \frac{\pi}{6}<x<\frac{\pi}{4} \)より、\(\displaystyle \frac{\pi}{3}<X<\frac{3\pi}{4} \)

この範囲で\(\displaystyle  \sin{X}>\frac{\sqrt{3}}{2}\)を解くと\(\displaystyle \frac{\pi}{3}<X<\frac{2\pi}{3} \)

つまり、\(\displaystyle \frac{\pi}{3} < 5x-\frac{\pi}{2} < \frac{2\pi}{3} \)だから\(\displaystyle \frac{\pi}{6}<x<\frac{7\pi}{30} \)

(B)のほうが理解しやすいですが最後にxの式に直すのを忘れてしまいがちです。注意しましょう。

 

次にもう少し複雑な式になったらどうしていいかわからない人のためにもう1パターン書きます。

例題3: \( 2\sin^2{x}+\sin{x}-1<0 \)を解け。\((0\leq x<2\pi) \)

こうなった途端どうすればいいかわからない人は三角不等式ということに惑わされず、普通の不等式だと思って1度解いてみましょう。すると最後の段階で基本的な三角不等式を解くことになると思います。

答え\(A=\sin{x} \)とおくと\( 2A^2+A-1=(2A-1)(A+1)<0 \)

よって\( -1<\sin{x}<\frac{1}{2} \)

これを解くと\(\displaystyle  0\leq x< \frac{\pi}{6} , \frac{5\pi}{6} < x < \frac{3\pi}{2} , \frac{3\pi}{2}<x<2\pi \)

 

 

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