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上野竜生です。前回,サイコロを投げる確率を扱いました。今回は確率の中でも箱から玉を取り出す問題に絞って紹介していきます。

確率(箱から玉を取り出す系)

取り出した玉を元に戻すか戻さないかが大事

問題文に書かれています。どう考えるのかというと

元に戻す→毎回箱の中は同じ
元に戻さない→取り出すものによって箱の中が変わる/だんだん減っていくので前半は場合分けが多く後半になるほど減っていく(はず)

意外とだんだん減っていくというのも重要です。毎回変わっているだけなら増えることも考えられますが減っていけば楽になっていきますね。

箱の中の状態で場合分けすることもあるので玉が減れば場合分けの数も減っていきます。

 

元に戻す場合

箱に白玉3個,赤玉6個がある。この中から同時に3個玉を取り出す操作をする。取り出した玉のうち,赤が1個以下ならそこで操作を終了し,赤が2個以上なら玉を箱に戻して再び3個の玉を取る。
(1) 1回目の操作で赤3個となる確率はいくらか?
(2) 2回目の操作を行う確率はいくらか?
(3) 2回目の操作で赤3個を取るという条件の下で,1回目の操作で赤3個を取る確率はいくらか?

(2)までは問題文の意味がわかりやすいですが(3)は条件付き確率がでてきています。この機会に学習しましょう。

(1) 9個の中から3個の玉を選ぶやりかたは\(_9C_3=84\)通り
赤6個の中から3個の玉を選ぶやり方は\(_6C_3=20\)通り。

よって\(\frac{20}{84}=\frac{5}{21}\)

(2) 2回目の操作を行う
⇔1回目で赤3個を取り出すか「赤2個白1個」を取り出す

赤2個の選び方は\(_6C_2=15\)通り
白1個の選び方は\(_3C_1=3\)通り。よって45通り

赤2個になる確率は\(\frac{45}{84}\)

赤3個の確率は(1)より\( \frac{20}{84}\)なので求める答えは\( \frac{65}{84} \)

このタイプの問題を答えるときは途中の○通りを残して置いたり,約分は最後までせずに残しておくほうが計算量がへることもあります。ただし,最後に約分することを忘れずに行いましょう。

(3) 条件付確率

「Aという条件の下でBが起きる条件付確率は (AかつBの確率)÷(Aの確率)」

この公式を使えるかの問題になります。(1)(2)だと分母は84(またはその約数)とわかりきってますが条件付確率では分母が何になってもおかしくありません。それを踏まえて考えていきましょう。

 

(Aの確率)・・・「2回目の操作で赤3個を取り出す」

1回目は赤2個以上なので(2)よりその確率は\(\frac{65}{84}\)

2回目は赤3個なので(1)よりその確率は\( \frac{20}{84}\)

よってAの確率は\( \frac{65}{84} \cdot \frac{20}{84} \)

 

(AかつBの確率)・・・「2回目の操作で赤3個を取り出す かつ 1回目の操作で赤3個を取り出す」

1回目は赤3個なので(1)よりその確率は\( \frac{20}{84} \)

2回目も赤3個なので\( \frac{20}{84} \)

よってAかつBの確率は\( \frac{20}{84} \cdot \frac{20}{84} \)

求める条件付確率は\( \displaystyle \frac{\frac{20}{84} \cdot \frac{20}{84}}{\frac{65}{84}\cdot \frac{20}{84}}=\frac{20}{65}=\frac{4}{13}\)

最後の「分数の中に分数が入っている計算」ですが
1) 分子÷分母を忠実に計算する
2) 分母・分子に同じ数(この場合84の2乗)をかける
のどちらかで計算します。2)のほうが楽な場合が多いです。

 

取り出した玉を箱に戻さない場合

箱に白玉3個,赤玉6個がある。この中から同時に3個玉を取り出す操作をする。取り出した玉のうち,赤が1個以下ならそこで操作を終了し,赤が2個以上なら玉を箱に戻さず再び3個の玉を取る。
(1) 1回目の操作で赤3個となる確率はいくらか?→20/84
(2) 2回目の操作を行う確率はいくらか?→65/84
(3) 2回目の操作で赤3個を取るという条件の下で,1回目の操作で赤3個を取る確率はいくらか?

1回目の操作は箱に戻すかどうかには関係ないので(1)(2)は上の例題と同じです。

(3) 上の例題と同様に考えます。

(AかつBの確率)・・・「2回目の操作で赤3個を取り出す かつ 1回目の操作で赤3個を取り出す」

1回目は赤3個なので(1)よりその確率は\( \frac{20}{84} \)

2回目は「箱に白3個,赤3個」ある状態から赤3個なので
\( \displaystyle \frac{_3C_3}{_6C_3}=\frac{1}{20}\)

よってAかつBの確率は\( \frac{1}{84} \)

 

(Aの確率)・・・「2回目の操作で赤3個を取り出す」

1回目は赤2個以上である。赤3個のときは上で計算した(\(\frac{1}{84}\))

1回目が赤2個白1個のとき,1回目が赤2個白1個になる確率は\( \frac{45}{84} \)(∵(2)の導出過程より)

2回目は「箱に白2個,赤4個」ある状態から赤3個なので
\( \displaystyle \frac{_4C_3}{_6C_3}=\frac{4}{20}=\frac{1}{5}\)

よって1回目赤2個で2回目赤3個の確率は\( \frac{9}{84} \)

つまりAの確率は\( \frac{10}{84} \)

 

求める条件付確率は\( \displaystyle \frac{\frac{1}{84}}{\frac{10}{84}}=\frac{1}{10}\)

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