当サイトは、PRを含む場合があります。

上野竜生です。対数関数の基本事項を解説します。

対数関数 対数不等式

対数の定義

\( a^x=b\)を満たす\(x\)を\(\log_{a}b \)と書きます。(a>0,a≠1,b>0)

対数の問題で必ず注意しないといけないことは範囲です。共通テスト(旧センター試験)頻出です。

覚えるというより理解しましょう。

真数条件・底の条件に注意

\( \log_{a}b\)においてaを底(てい),bを真数といいます。
aのとり得る範囲はa>0かつa≠1です。
bのとり得る範囲はb>0です。
そしてそのとき\( \log_{a} b \)のとり得る範囲は実数全体です。

これはこのこと自体が問われていなくても必ず意識しておくべきことです。

重要公式

対数関数でなりたつ重要な式をいくつかあげます。

(i) \(\log_{a} x + \log_{a} y =\log_{a} xy \)
(ii) \(\log_{a} x^n = n\log_{a} x\)
(iii) \(\displaystyle \log_{a} x=\frac{\log_{b} x}{\log_{b} a}\)[底の変換公式]

基本的にはこの3つで何とかなります。

では例題を解いてみましょう。

例題1: \( \log_{2} (x-4) + \log_{2} (x-3)=1\)を解け

まず真数条件をみないといけません。

答え真数条件よりx-4>0かつx-3>0なのでx>3
\( \log_{2} (x-4) + \log_{2} (x-3)=\log_{2} (x-4)(x-3)=1\)
よって\((x-4)(x-3)=2\)
\(x^2-7x+10=(x-2)(x-5)=0\)よりx=2,5
真数条件x>3を満たすのはx=5

ここで3行目がなぜ成り立つのかお話しします。それは

\( a=b\)ならば\(2^a=2^b\)が成り立つからです。ここではそれに

\(a=\log_{2} (x-4)(x-3) , b=1\)を代入しています。

右辺は\(2^1=2\)なのでおわかりいただけると思いますが左辺は

\(\displaystyle 2^{\log_{2} (x-4)(x-3)}=(x-4)(x-3)\)が成立します。これは最初に書いたlogの定義をよく読めばわかるでしょう。きちんと説明すると

\(\log_{2} (x-4)(x-3)\)とは\(2^\alpha=(x-4)(x-3)\)をみたすαのことなので当然\(2^{\log_{2} (x-4)(x-3)}=(x-4)(x-3)\)が成立します。

単純な問題ですが少し頭を使いますね。このあたりは慣れれば何も考えずに解けます。

 

対数関数の難しいところその2:不等式

対数不等式について次が成り立ちます。
(i) \( \log_{a} x = \log_{a} y \)ならばx=y
(ii) a>1のとき,\( \log_{a} x > \log_{a} y \)ならばx>y
(iii)0<a<1のとき,\( \log_{a} x > \log_{a} y \)ならばx<y

この不等号の向きに注意する必要があります。等号の時はそれほど困らなかった不等号の向きで場合分けが増える要因になっています。対数関数のグラフとセットで覚えておきましょう。

対数関数のグラフ

どうしても複雑!っていう人は底の変換公式を使う手があります。

例題2: \( \log_{x}8-\log_{\frac{1}{2}}x \geq 4 \)を解け

意外と難しいです。まずは真数条件などをチェックです。
底の条件よりx>0,x≠1
真数条件よりx>0ですね。
次に底の変換公式ですべて底を2にしましょう。すると
\( \displaystyle \frac{\log_{2} 8}{\log_{2}x} - \frac{\log_{2} x}{\log_{2}{\frac{1}{2}}} \geq 4\)

\( \displaystyle \frac{3}{\log_{2}x} - \frac{\log_{2} x}{-1} \geq 4\)

\( \displaystyle \frac{3}{\log_{2}x} + \log_{2} x \geq 4\)

ここで\( \log_{2} x =X\)とおきます。x>0,x≠1なのでXはX≠0のすべての実数を動きます。

\( \displaystyle \frac{3}{X}+X\geq 4 \)

 

あとは普通に解いてみましょう。X>0のとき両辺にXをかけて
\( 3+X^2 \geq 4X \)
\( → X^2-4X+3 \geq 0 \)
\( →(X-1)(X-3) \geq 0 \)となり\( X\leq 1,X\geq 3\)
\(X>0\)より\(0<X\leq 1, X\geq 3\)となり\(1<x\leq 2,x \geq 8\)

X<0のときも同様にすると不等号の向きが逆になるだけなので
\( (X-1)(X-3) \leq 0 \)
X<0よりこのときの解はなし。

よって求める範囲は\(1<x\leq 2,x\geq 8\)

 

この辺はかなり難しい問題です。しかし,誘導形式にして共通テストで出題されることもあります。見えない条件「範囲」を考えることが難しいですが1つずつ考えましょう。暗記では絶対と言ってもいいほど不可能です。理解すれば解けるようになります。

 

解説を読んで数学がわかった「つもり」になりましたか?数学は読んでいるうちはわかったつもりになりますが演習をこなさないと実力になりません。そのためには問題集で問題を解く練習も必要です。オススメの参考書を厳選しました

<高校数学> <大学数学> さらにオススメの塾、特にオンラインの塾についてまとめてみました。自分一人だけでは自信のない人はこちらも参考にすると成績が上がります。